5⇔10、12、14⇔10、12、14、13 (21点)
サトノの使い分けで強力なライバル不在ならば、キタサンブラックが再び輝く舞台になる。菊花賞、天皇賞春、ジャパンCのGⅠ3勝にしては取りこぼしの多い二千だが、二千四と同様か、それ以上のパフォーマンスが可能な距離と確信しているスピード型。皐月賞はドゥラメンテの切れ味に屈して3着、昨年の大阪杯はアンビシャスの大駆けで2着。デビュー2戦目の同世代500万だけの勝ち鞍だけの距離だが、皐月賞も大阪杯も脚質的に不向きな極限の瞬発力勝負で分が悪かったと納得できる。このメンバーでも単純な自身の上がり時計ベストの比較ではメンバーNo11、二千に限定してもNo9で平凡な数字でもGⅠとGⅡ6勝がこの馬の特長の勝負強さということ。
鞍上を固定してからハナへのこだわりを強めたことがひとまず好転の要因。この馬が逃げるとなぜか流れが落ち着きやすくなる傾向も味方して、バテそうでバテないレースぶり。稍重の宝塚記念はあくまでもスタート直後から絡まれて11秒前半を連発した自滅に近いハイペース。本来は荒れ馬場の瞬発力勝負歓迎で、同型が単調な逃げ馬相手ならば決め打ちの控える競馬でも何ら問題はない。勝負どころでタメが利くかどうかがすべて。休み明け(211000)。阪神二千の持ち時計はメンバーNo3。
マカヒキの取捨はパドックまで迷うだろう。前走は明らかな息切れ。残り5ハロンから加速ラップという特異な流れとはいえ、完全なる追い負けは鋭さ自慢のディープ産駒にとって負のターニングポイントになっても驚かないほどの屈辱的な敗戦となった。最速上がりより0秒4も遅いメンバーNo4の上がり時計。ペース音痴の前2頭が飛ばすハイペース、総合力を求められて休み明けとしてはタフなレースとしても、ダービー馬としての威厳を感じられない淡泊な負け方だったことは間違いない。終わってみれば第二集団の1~3番手がそのまま着順どおりとなる実質前残り。残り150で先頭に並びかけた時点で勝機が浮かんだ勝ちパターンにもかかわらず、残り50でピタ止まり。正直拍子抜けで稍重、海外帰り、休み明け初戦など数々の悪条件だったことを割り引いても物足りないさは誰もが感じたことだろう。今でも二千より長い距離で走っていること自体が驚きのスプリンター血統。さらに些細なきっかけで好調期からどん底まで落ちるディープ産駒という血統を考慮すれば、足踏みがあっても驚かない。いずれにしてもここはイメージ返上の瀬戸際。ここ好走なしで今年の飛躍はない。
ここから始動で天皇賞春へというローテでも驚きはなかったが、サトノダイヤモンドがここを使わなかったのはサトノクラウンに国内GⅠ制覇という願いもあるからだろう。確かに前2走は強かった。前々走は内々で行き場を失くして結果仕掛けを我慢できたことが奏功。イメージになかった3着以下を置き去りにする瞬発力は新境地を見出したと断言していい。前走は得意の馬場状態。おそらく現役の最強クラスとなる道悪の鬼というレベル。当日も雨予報ならば迷いなく本命だったが、やはり34秒台前後の瞬発力が求められると手が出にくい。自身の上がり時計ベストの33秒5はメンバーNo10。5戦も経験している二千の上がり時計はNo13まで落ち込む差し馬にはもうひと皮むける必要がある。ひとまず経験レベルのイメージが強すぎる。
今年の中山はディープ産駒泣かせのパワー馬場で休み明け(020102)からひと叩き(100110)。アンビシャスの前走は悪条件が重なったと割り切ると一変する可能性は高まる。最近はどの距離でも行きたがる仕草で不安定さが否めないが、阪神(201001)はハイペースを不可解な積極策で自滅した宝塚記念以外が本来のコース適性の高さとして示されている。確かにピークの短いディープ産駒にとって年齢的にも前走の内容からも好調期から一歩外れた懸念はあるが、それでも折り合った際の爆発力は現役トップレベル。現実にこのメンバーで阪神コース限定の上がり時計はNo1。
有馬記念で勝ち馬サトノダイヤモンドより0秒4も上回った瞬発力は本物だった。ヤマカツエースはスローの上がり勝負なら、アンビシャスより怖さがある。マイラー評価から見事な脱皮。走るたびに距離にも瞬発力勝負にもメドを立てる充実ぶりは5歳離れの勢いがある。メンバーNo7の上がり時計で差し切れた前走は相手にも流れにも恵まれたが、休み明け(11103)でGⅠ馬を蹴散らした事実は認めるべき。本格化前の阪神(000004)を度外視して叩き2戦目(300102)を強調。
前走の上位3頭が重賞レベルとなってモンドインテロの評価は急上昇。1、2着馬より斤量を背負ってとりわけ2着シャケトラより3.5キロ増にもかかわらず、それぞれに0秒3差。シャケトラは次走日経賞を着差以上の圧勝で確信に変わった。通算(603311)。6着のダイヤモンドS以外は目黒記念、アルゼンチン共和国杯、ステイヤーズSを含んで負けても0秒5差は絶対的な安定感。重賞でも通用する瞬発力は前々走の最速上がりで証明されていることも心強い。 |