14、15⇒14、15、12、13、6⇒
14、15、12、13、6、16 (32点)
14、15-12、13、6、16
完璧に近いレースぶりで4戦4勝。世代最強牝馬としてGⅠ連勝にリーチがかかったソウルスターリングの死角は見当たらない。過去の名牝と比較しても遜色ない圧倒的な時計。超ハイレベルな牝馬路線の中で1強状態の立ち位置からも異次元的な完成度の高さがうかがえる。
ジュベナイルFの時計は前日の1000万を楽に超える1600万レベルの数字。チューリップ賞は過去10年でNo2の勝ち時計ならば、クラシック当確候補になるのも当然の流れ。ジュベナイルFは確かに枠順に恵まれたが、それでもほぼ持ったままで残り250先頭。完全に抜け出してからムチ1発だけの大楽勝はGⅠだから恐れ入る。ライバルたちの成長具合は意外にも相次ぐ拍子抜け。少なくてもすでに対戦済みの相手には縮まるどころか、さらなる開きが出るだろう。
完璧な折り合いと鞍上の自在に立ち回れるレースセンス。さらに俊敏な反応の良さを示した前走は貫禄そのものだった。2戦連続で最速上がりから外れたメンバーNo2の上がり時計だったとはいえ、残り300で早々に先頭から影を踏ませぬ圧勝劇は、スピードと切れ味身上というイメージにパワーが加わった女王としての威厳も感じられた。
単純な上がり時計比較では意外にこのメンバーでNo9でも、デビュー2戦で連続の最速上がり。前2走は重賞でメンバーNo2の上がり時計なら減点材料にはならない。千六の持ち時計はNo1、阪神千六の時計もNo1。数字以上の成長でますます筋肉質の体が見栄えする姿へ成長していれば、課題は道悪だけに絞っていい。
相手はアドマイヤミヤビ。ソウルとお互いに仕上がり万全、何ら不利もない立ち回りになれば確実に一騎打ちとなる完成度の高さだ。距離選択や相手関係無視の挑戦の連続で紆余曲折あったが、4戦目でようやく重賞にたどり着いてギリギリでクラシックに間に合った。前々走2着の5戦3勝カデナが弥生賞快勝で一気に注目されたが、数字や相手関係などはソウルに匹敵する記録を残している。
デビュー戦は勝ち馬以外、8頭も勝ち上がる超ハイレベルなメンバーで勝ち馬に次ぐNo2の上がり時計。2戦目も楽な相手ではなかった。2着ベルカプリはデイリー杯5着を含んで現在2勝馬。4角前に一瞬置かれ気味になるものの、エンジンがかかると残り100で余裕の差し切り勝ち。No2より0秒5も速かった別次元の瞬発力でクラシック有力馬として一気に台頭した。前々走もカデナより0秒1劣る上がり時計とはいえ、未知なる距離でNo3の上がり時計より0秒4速い数字は驚きさえあった。牡馬クラシックで有力候補のカデナとほぼ互角の瞬発力なら、ソウル相手でも色気十分。前走は2着馬をマンマーク。残り100のムチで逆手前になる若さも、上がり時計を含めて例年ならクラシック当確の数字が凄さを物語っている。ソウルより道悪上手な感触がある。
ミスエルテは一口馬主から大炎上しても驚かないぐらいの最悪な決断だったか。この春のGⅠで見せ場もない結果ならば、ミリオンホースの1番馬が2、3年連続してまったく走らないというクラブの負のスパイラルをモロに受け継いだ可能性が強い。いずれにしても朝日杯挑戦ですべての歯車が狂ったことは間違いない。ファンタジーSの反動で馬体回復が遅れたために牡馬混合の挑戦だったが、本来ならば調整が遅れれば暮れのGⅠは完全スキップして今春に全力が本来の路線だろう。たかが1週ズラらしても万全の態勢は無理な話。たとえ完璧な仕上がりになったとしても、牡馬相手に勝ち負けまでは難しかったはず。デビュー2戦ともにほぼ持ったままで勝ち上がった楽なレース内容。本気で追ったことも本気で走ったこともない若駒がいきなり一変することは考えにくかった。
現実に1週延ばしても馬体減。当日のテンションもいつもより高めで、気性子供な未成熟なタイプに千六⇒千四⇒千六という距離選択も最悪だったことがうかがえる。実戦では終始掛かり気味。パワー馬場が合わないイメージも植え付けられた。クラシック挑戦の3歳馬にとってどんなタイプでもぶっつけ本番が一番というローテーションはありえない。掛かる馬とのコンビになると常にスタート直後から引っ張り込む乗り方しかできない単純、不器用な鞍上でマジックが期待できないのもイメージを悪くしている。最内枠ではブン回して見せ場があった後の狙いが妥当。
昨年暮れまで2強の1頭のはずだったリスグラシューは馬体の成長のなさで一気に格下げした。数字以上にコンパクトな馬体は昨年とイメージが変わるほど。前走から20キロ増でようやく納得できるような現状では、ひと叩きで評価を一変させることはできない。前々走まで4戦中3度の最速上がり。アルテミスSはNo2となったが、No3より0秒4も速い上がり時計だけでも圧倒的だった。前々走までと前走があまりにも落差。ソウルと互角だった瞬発力が、前走は完全な子供扱い。リスより後方だった2着馬に差されてメンバーNo3タイの上がり時計は成長力不足を示す決定的な数字か。馬体の悪さが結果に直結したのか、単なる休み明けがすべてだったのか。ここ凡走となると春の復活は難しくなる。
前々走は超ハイペースを唯一前々で凌いだアエロリットの前走は相手が悪すぎたと割り切ったとしても、前々走と一変してスローで消極策になるペースを見極めきれない鞍上の衰えは深刻そのもの。ひと昔前までは大一番の大仕事で名声が保たれていたが、さすがに以前の勢いは影を潜めている。鞍上で大幅に割り引くか、馬自身の能力で引き上げるか。どちらにしても馬の能力は確かな裏付けがある。重賞で連続2着が能力の高さ。超ハイペースの積極策でズブズフになっても驚かなった前々走は0秒1差に踏ん張り。前走は軽く1000万を上回るレベルの破格時計を叩き出している。鞍上が小細工をしないことを願うだけ。逃げ馬マンマークが理想的な位置取りで、道悪ならばガチンコ勝負でも十分に通用する。
勝ち馬やメンバーが別格な強さだったとはいえ、前々走は3着馬、前走は2着馬にそれぞれ0秒4差。ヴゼットジョリーの底力は侮れない。確かに度重なる休養を挟んで馬体は戻らなかったが、バランスそのものは悪くなかった。前2走ともに牡馬相手でメンバーNo5の上がり時計。ひとまず確かな底力はアピールしている。デビュー2戦以来の順調なローテーション。母は芝、ダートで4勝のフレンチビキニ。姉は道悪をこなす程度でも、大崩れのなかった重賞入着経験のベルルミエール。
フィリーズR組は時計を額面どおりに受け取れない。4角マクった2着馬が直線入口で内に大斜行。かなりの馬が被害に合ったレース。勝ち馬カラクレナイを筆頭に不利を受けなかった1~3着馬が上位独占の結果からも展開がはまったイメージが強い。徹底した千四志向で好走パターンはパンパンの馬場の瞬発力勝負。4戦中3度の最速上がりの切れ者でも、初の千六がGⅠ桜花賞ではハードルが高すぎる。 |