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阪神裏読み
関東
11R
関西
11R
ローカル
12R
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阪神11R

3連単フォーメーション7⇒2⇔9、10、11、13、5、1、12 (14点)

7⇒9、10、11⇒9、10、11、13 (9点)

歴史的な牝高牡低。過去にないレベルの高さを示してきた牝馬と過去にないレベルの低さを示してきた牡馬という図式はこれまでどおり。4歳牡馬の押し上げがない限り、これまで以上に能力差が感じられるか。いずれにしても世界レベルの牝馬に抵抗できるのは少なくても日本のGⅠで勝ち負けが絶対条件。

グランプリ連覇中のクロノジェネシスが崩れることはまったくイメージできない。前走も一流の外国人ジョッキーならば勝てたレースだったことは第三者からもはっきりうかがえた。あれが一流と二流、三流との絶対的な差で外国競馬に未熟な鞍上が大一番に洗礼を食らった典型的な例だろう。
4角前までの行きっぷりの良さが一転。4角前までクロノの直後だった3着ラヴズクロノの内に潜り込んできたことで状況は一変。4角でクロノを弾き飛ばしながら馬群を割ってきたためにクロノの鞍上は完全に思考が停止した。直線入口から約100メートルの間、まったく追わなかったことがその証拠。ある程度でパニックになること自体が驚きで、さらに残100から残り50までなぜかムチを使わなかったという事実も見逃せない。追い疲れか、真っすぐ走らせるのに精一杯か、ムチを使いすぎたと感じたのか。いずれにしてもこのわずかな時間のモタつきで勝ち馬との差が開いている。最後は同じ脚色となったことからも致命傷になったことが表れている。
これだけ足を引っ張りながらもレコード決着に同タイム2着が牝馬でグランプリ2連勝中の底力。ワールドクラスをはっきり示して名手に乗り替わりならば、上がり馬の牝馬にも負けようがない。

レイパパレはここで真価を問うべき。前走はあくまでも低調GⅠ。2着にハンデ重賞1勝馬で前々走までのGⅠはワイドラインで一進一退が続いていたモズベッロ。状態なのか、道悪なのかは微妙だが、いずれにしても3着コントレイルも淡泊な負け方だった。距離への壁を示した4、5着のグランアレグリアサリオスらのマイラー参戦など、とにかく海外競馬にタレントが流失してきた同時期開催のGⅠに過度な評価は御法度だろう。
さらに展開もこの馬向きだった。各馬が雨を意識しすぎて必要以上に控える馬が続出。馬場が稍重から重に変わったとはいえ、2レース前の古馬2勝で2分1秒4。すでにこの時点で重に近い稍重。わずか1時間の雨降りにもかかわらず、GⅠで0秒2も劣る勝ち時計は高く見積もっても誇らしい時計とは言えない。
二千の持ち時計はNo12。単純な上がり時計比較でもNo9。上がり33秒台以下の経験がわずか1度だけ。55キロの経験が前走初で56キロの経験なし。持ち時計はもちろん、上がり時計にも頼れる数字がまったくない状態でグランプリ1、2番を争うような人気に若干の人気先行が否めなくなっている。一番の問題は見た目の子供っぽさで、常に反動が心配になるような非力に映る馬体。これまでは勢いだけでクリアできたメンバーだったと割り切れば、前走以上に強力な相手となってポカがあっても何の驚きもない。とにかく4角先頭からの追い比べが絶対条件。

三千二でも馬券圏内だったカレンブーケドールには頭が下がるが、これで完全に主役になれない名脇役として地位を確立しただろう。超スローの瞬発力勝負に弱いディープ産駒がレースのラスト上がりラップ12秒0で勝ち負けできなければ勝つイメージがこれまで以上に消えていくのは自然な流れ。これこそが下手な鞍上に固執し続けてきた弊害で、勝たなければならないレースを取りこぼしてきたことがここにきてずっしり重みとなってのしかかってきた。ハナだけが唯一、一変できる可能性を秘める乗り方だが、レイパパレの存在と鞍上の性格上、これまでどおりの位置取りでいつもどおりの流れ込みを狙う確率は高い。とにかく馬場悪化をひたすら待つ。

4角の前6頭で1~6着を独占した天皇賞春のレースレベルは眉唾もの。雨待ちだったアリストテレスにとってチャンスというより試練のレースになりそうだ。そもそも長距離路線から一転した二千二に違和感。得意の距離でも鋭さ負けを連発してきた切れ不足の馬を実績のない距離にぶつけるのは単に出走できるGⅠだったからか。上がり33秒台以下は平坦の1回のみ。直線坂コース千八以上に限定した上がりベストは34秒3に致命的な欠点が示されている。どのみち4角先頭から粘り込みが唯一の勝ち負けパターン。レイパパレ相手に3角過ぎから早めに競りかけてサバイバルレースに持ち込むことができるかどうか。どちらにしても昨晩から1度も雨が降らなければ万事休す。

アリスト同様にモズベッロも良馬場では策がない。道悪の巧拙が如実に結果として出た前走はあくまで馬場がすべて。約1時間前だった古馬2勝で2分1秒4にもかかわらず、GⅠで勝ち時計が下回ったことはどう考えてもレースレベルの低さが否めない。前走は上がり36秒台で最速。必要以上に有力馬が控えたこと、マイラー揃いだったこと、勝ち馬以外の有力馬は道悪がこなす程度のうまさだったことなど、数々の条件が重って乱戦になったことは間違いない。馬場不問とはいえ、約2年以上も上がり33秒台以下の経験がなく、34秒台も1年前以上も昔の話。前2走ともに3角の時点ではるか後方がこの馬の定位置としての乗り方に徹するならば、ごく普通の時計と流れではワイドラインが大きな壁。

キセキの取捨は消去法から辛うじて残った程度の扱いでいいだろう。2年前のフランス遠征ですべてを失ったという典型的な燃え尽き症候群。乗り替わり連発のため、常に手探りのような乗り方で勝ちパターンが固められなかったことも災いした。6歳になって突然の脚質転換がスランプに陥らせた決定的な大きな要因。1、2回流れがはまっただけにもかかわらず、ひたすら前半で徹底待機。一瞬のいい脚というイメージを膨らませて今や追い込み馬としてイメージが定着してしまっている。前走は4角で勝ち馬の直後からだったが、残り1ハロンまでに引き離されて着差以上の完敗が瞬発力不足を物語っている。約4年ぶりのコンビ復活だが、強引にハナを切るような大胆さを期待できない鞍上だけに評価はこれまでどおりに低空状態。

稍重(101101)、道悪(000002)のカデナにとって願ってもない馬場になりそうだ。少し荒れ気味で極限の瞬発力勝負にならない程度で時計が求められる良馬場こそがこの馬の走る条件。乗り方ひとつで今までも常に好走できる内容だったことをにおわせている。ここまで14戦連続して重賞挑戦。しかも20年からは衰えるどころか、ますます磨きのかかった瞬発力が印象的だ。上がり時計はそれぞれ20年中山金杯からNo1、小倉大賞典No1、大阪杯No1、宝塚記念No7、新潟記念No2、毎日王冠No2、天皇賞秋No5、中山金杯No4、小倉大賞典No3、大阪杯No3、安田記念No3。苦手意識のある道悪や経験不足のマイルでもGⅠで鋭さ互角を証明すれば、少なくても昨年の結果は度外視できる。昨年は良績ない休み明けで古馬になって初の二千二以上だった。休み明け(1010011)と叩き2戦目(11104)の落差からも化ける雰囲気はある。