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京都裏読み
関西
11R
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京都11R

3連単フォーメーション16、3、15⇒16、3、15、13、6⇒

16、3、15、13、6 (36点)

3連複1軸BOX16-3、15、13、6、7、8

馬複16-3、15、13、6

昨年以上の勢いで挑む天皇賞春。キタサンブラックにとって死角らしい死角は見当たらない。交わされそうで交わされない末脚は単調な逃げ先行型とまったくの異質な存在で、この馬の特長は自分のリズムならとにかくしぶといということ。ハイでもスローでもペース不問の無尽蔵なスタミナと瞬発力。常に全馬の目標になりながら、完全本格化した昨年から前走までGⅠ(311000)は無敵に近いことが示されている。
不思議なことに記録的には驚くような数字はない。二千四以上の距離で平均の上がり時計は35秒前後が限界。未勝利並みのラップになった京都記念の33秒台は異例中の異例で、これまで負かした差し追い込み勢が頼りないイメージを一新させてこの馬が強すぎたと評価を覆している。いずれにしても33秒台の経験は昨年の大阪杯と京都記念の2度だけにわずかな弱点。ヤマカツライデンの大逃げとなって他馬が必要以上に控えた際に波乱が生まれるか。第二集団まで10馬身以上の差から3角過ぎで一気にペースの上がる流れは少なくてもこの馬向きではない。スローより平均~ハイペースが理想。

ディープ産駒の絶対王者として君臨してきたサトノダイヤモンドキタサンより死角がある。致命的ともなる血統的な距離不安。三千はクリアしてもさらなる距離延長は過去の歴史からもプラスのないことが証明されている。ディープ産駒が得意な京都にもかかわらず、天皇賞春は産駒未勝利で連対したのがトーセンラーのみ。その年のレースの上がり時計は例年より時計ひとつ以上も遅かった過去10年でNo9。いかに乱ペースの混戦になって浮上してきたことがうかがえるだろう。決定的なのがこれまでのディープ産駒大将格であるキズナが2年連続の1番人気で馬券圏外が距離への壁としてはっきりと表れている。
キズナの4、5歳時はわずかGⅡの1勝のみ。早熟系か、海外遠征で燃え尽き症候群か。最後の4戦は人気を裏切り続けて2、3歳時の勢いを完全に失っていたディープ産駒。GⅠはダービーのみの勝ち鞍なら、すでにサトノが実績のみならず、スケールそのものも上回っている可能性は高いならば、今までの低調なディープ産駒の天皇賞春実績はさほど意識しなくてもいいか。
菊花賞は勝負どころでいくらか外を回ったが、残り300で早くも先頭。その後は追うほどに伸びるという驚異的な最速上がりから残り150で早くもセーフティリード。時計も上がり時計も歴代の勝ち馬に肩を並べる破格の数字なら、自分のスタイルを貫いてキタサンに挑める。コース体形を意識していつもより早めの積極策だった前走はあくまで中山の乗り方。入口先頭の2着馬をマンマークで難なく残り150で振り切った内容は仮想天皇賞としては最高の叩き台となっている。

距離と瞬発力勝負の総合力はキタサンサトノに劣るとしてもレインボーラインはどちらかの条件で上回っている。とにかく見た目以上のステイヤー資質。10キロ増が理想だが、小柄ながらパワフルな走法で一流を裏付ける数字を持っていることは胸を張っていい。
札幌記念の上がり時計はネオリアリズム(マイルCS3着)、ヤマカツエース(大阪杯3着)より上回り、数々のGⅠを制したモーリスと同じ最速上がりで現役屈指の瞬発力を証明した。続く菊花賞では過去10年で勝ち時計はNo4、上がり時計はNo1だったレベルの高さ。勝ち馬に上がり時計は0秒1劣っただけのメンバーNo2の瞬発力で一過性の鋭さではなく、GⅠ通用の鋭さということを改めて示した。スローに泣いたジャパンCは展開負けにもかかわらず、着差0秒4、最速上がりなど、乗り方ひとつで大金星可能な手応えを感じさせている。前走は鞍上のへぐりに近い内容だった。スローをなぜか向正面でポツンと最後方追走。3角過ぎからラチ沿いを選択したコース取りも裏目に出た。4角前で窮屈になって少しブレーキをかける大ロス。勝ち馬は外から一気にマクって突き抜けた流れだっただけに、致命的となる不利だったことがうかがえる。直線に入ってからも常に窮屈で、残り150になってようやく全開に追い始めて脚を余した0秒3差は負けて強しの好内容。
斤量は56キロまで、距離は二千五までという経験不足のシャケトラが人気ならば、斤量は57キロ、距離は三千まで経験済みなこの馬とこれだけの人気差はどこか違和感がある。まずは馬体重に注目で、大きく馬体減りしなければ驚くような走りがあっていい。二千四の持ち時計はキタサンを軽く上回るメンバーNo3。

理想的なステップとなったトーセンバジルは侮れない。初のGⅠ挑戦となった前々走の惨敗から前走で見事な軌道修正。もとよりデビュー4戦連続連対実績、弥生賞5着、京都新聞杯4着、神戸新聞杯3着など、準エリート路線を歩んだ期待馬がようやく本格化したということだろう。デビュー3戦目で二千2分0秒台、二千二2分11秒台など、もとより時計勝負に絶対的な強さはあったが、未知なる距離の前走は新境地、真骨頂だった。レコードに0秒1に迫る勝ち時計から経験不足をにおわせない0秒6差。過去10年で3分4秒台がベストだった記録を大きく更新したレースレベル高さでGⅠを1度だけの経験馬の奮闘は特筆できる。逃げ馬がコーナーごとに変わるという変則ラップを経験したことは大きな財産。勝負が決まった頃にいい脚で伸びてきて、メンバーNo2の上がり時計に価値を見出せる。時計勝負にも瞬発力勝負にも対応可能な能力はまさに天皇賞向き。

正直シャケトラの実績、持ち時計は一枚落ち。百戦錬磨の王者が揃うGⅠではどうにも通用するイメージが浮かばない。数字以上に中身の濃い内容だった前走でどこまでスケールアップできるかが焦点になる。
キャリアはまだ6戦だけ。1600万を飛び級で卒業してGⅡを制覇したが、レースレベルとしてはGⅢ程度でこれまでの数字には寂しい限り。前々走は終始1、2着馬がお互いを意識してマッチレースだった。残り250で完全に1度は交わし切ったが、斤量が2キロ重い勝ち馬に差し返されたのが経験不足、実力不足の表れということ。前走もごく標準レベル。過去10年の中山良馬場開催の中で7回中No6の勝ち時計。ただ、レースラップが残り8ハロンから1ハロンまで加速ラップの中で、向正面から動き出して勝負どころは外々を立ち回るロスがありながら、最後まで勢い衰えず最速上がりは褒めていい。未知なる58キロと距離で常識的には惨敗当然も一戦ごとの成長力で補う可能性もゼロではない。

ゴールドアクターは策がなくなった。同じ鞍上にこだわりすぎて勝てるレースを取りこぼしの連続となったことでピークを過ぎたイメージが強まった。前走まで絶対的に得意な中山(411100)。デビュー以来、中山で最低着順、前々有利の流れを最後は完全失速で入線など、着差以上の完敗に上がり目の望めないムードが漂っている。3走前で徹底してマークした勝ち馬に競り負けたことは決定的な敗戦だったが、同じような流れで同じ位置取りを選択した前々走は、鞍上の資質の低さを改めて証明した内容でもある。同じ強敵相手に同じ乗り方では勝てないのも当然。結局、勝つための大博打のできない小心者では大きく崩れなくても勝てる要素はひとつもないということ。その中で魅力的な乗り替わり。もとより瞬発力勝負に弱さのある先行型でこのメンバーでも現実に単純な上がり時計比較はNo7。キタサンより前々でレースを運ぶことが勝ちにこだわる絶対条件となる。いずれにしてもラチを頼りに折り合いたい。

ディーマジェスティは二千前後がベストと割り切っている。ダービー3着でもマイラーでもこなせるレースだからこその結果。馬の癖というより鞍上のイメージに合わせた乗り方も気に食わない。勝負どころからマクりに徹する乗り方も限界が見え隠れして現実に古馬相手の前2走の惨敗が象徴的なレースとなっている。菊花賞で4角前にムチ連発。結局勝ち馬に並ぶこともできず、残り1ハロンで失速する完敗は着差以上に距離不適を感じさせている。ジャパンCはスローを見極めきれず、直線まで徹底待機のペース音痴ぶり。さらにバテた先行馬さえも交わせなかった内容は体調そのものにも疑問が残った。決定的なのが前走だ。向正面から追っ付どおしで4角前はムチ連発という行きっぷりの悪さ。少なくても一気にラップが上がるような流れは不向きということ。勝負どころで置かれ気味になる悪癖は乗り替わりまで矯正不可能。