11、7、3、5⇒11、7、3、5⇒
11、7、3、5、8、2 (48点)
11-7、3-7、3、5、8、2、9 (9点)
7、3、5、8、2⇒11
11、7、3、5、8、2
ミッキークイーンは牝馬相手になると風格が違う。徹底した牝馬路線からオークス、秋華賞の二冠馬として挑んだ一昨年のジャパンCは8着と壁に当たったが、古馬の牝馬に勝てないまでも走るたびにスケールアップ。昨年のヴィクトリアM2着、エリ女3着を経て昨年の有馬記念では牝馬最先着の0秒4差5着と数字的にも地力強化がしっかりと表れている。マイラーでも好走可能なオークスだっただけで本質は二千以上の距離より、千六~千八がベスト距離に異論はない。ここGⅠで千六、二千の持ち時計ベスト。課題は極限の瞬発力が求められた際だったが、土曜日の雨で極限の上がり時計は必要なくなった。いずれにしてもこのメンバーで単純な上がり時計比較はNo13という弱点が軽減されたことは間違いない。千六限定の上がり時計No8の瞬発力不足は重馬場(200000)の道悪上手でカバーできる。土曜日の芝レースで道悪巧者は直線一気を決めることが可能な馬場状態なら自信の中団待機。スロー確実なメンバーで前々すぎるぐらいがベストの位置取りか。
ルージュバックは千八(410000)、二千(110104)からもベスト距離は少なくても二千以上ではないことがうかがえる。イメージ的には千六~千八ベストをにおわせているが、いかにもマイル経験不足で勝てる条件でも苦戦を強いられているのが現状だ。それでも千六の持ち時計はこのメンバーでNo2の数字。超高速馬場だった昨年のこのレースの時計とはいえ、桜花賞9着以来の千六経験だったことを考慮すれば、十分すぎる内容だったことが伝わるだろう。エプソムC、毎日王冠で牡馬を一蹴した豪快な瞬発力は今も健在で、当時2連勝を決めたレースではいずれも最速上がり。前々走は距離不適、前走は直線の不利があって前2走ともに不完全燃焼のレースなら一過性のポカとして扱える。距離微妙な3走前の天皇賞秋でメンバーNo5の上がり時計。上がり33秒台はわずか5頭の中の1頭という結果に牝馬屈指の破壊力を兼ね備えていることが証明された。馬場回復が早まって中心馬、回復が遅れて相手本線。
スマートレイアーは再びコンビ復活に驚いた。デビューから9戦連続のコンビとはいえ、まさに最悪の相性と言っていいだろう。結局、徹底した待機策で直線勝負に賭ける追い込み馬として完成を目指していたが、やはりレースレベルが上がると限界がみえてくる。3年前のヴィクトリアMで1番人気を裏切ったことが転落の始まり。このコンビの勝利は3年前の阪神牝馬S以来なし。2年前のエリ女5番人気10着、阪神牝馬S1番人気4着、ヴィクトリアM6番人気10着。昨年のヴィクトリアM3番人気4着、府中牝馬S1番人気3着。これだけ人気を裏切り続ければ、乗り方の悪さと断言していい。決定的だったのが乗り替わりとなった5、6走前に連勝を決めたレースだった。イメージ一新の変身ぶり。ハナが切れるテンのスピードがあり、着差以上の完勝だったことは衝撃的な勝ちっぷりだった。再び主戦に乗り替わった4走前は中途半端な位置取りで再びへぐるという鞍上の質の低さ。ハナを切って主導権を握らなければ怖さはない。馬場も良馬場に近い稍重まで。
勢いだけならステイゴールド産駒アドマイヤ以上の凄み。ジュールボレールはディープ産駒らしく、一流を裏付けるレースが続いている。牝馬限定の重賞ならばいつでも勝てる手応え。休み明けを挟んで千六~千八志向を強めた4走前が本格化のきっかけとなって、このままGⅠ制覇しても驚かなくなっている。上がり33秒台の経験はわずか3度だけでも、昇級戦となった前々走で32秒台と最速上がりともに初となる豪快な瞬発力が決定的な本格化のシグナル。前走が初の重賞挑戦だったが、2着馬と同タイムで上がり時計はメンバーNo3。残り1ハロンで一旦先頭になった内容を加味すれば、経験豊富だった前走の1、2着馬との差は確実に縮めるということ。先行~差し自在に捌けるセンスとここでも断然の上がり時計No1の瞬発力は、器用さが求められる今開催の馬場にしっくりくる。
クィーンズリンクの評価は見直さなければならない。前走はあくまで道悪巧拙の差。稍重、重(210001)だが、本質混戦向きの自在性あるレースセンスの良さは良馬場の瞬発力勝負で活きてくる。一見ムラでもGⅠでは常に完全燃焼。勝ちパターンが固まる前でGⅠは負けても1秒差以内にスケールの大きさがうかがえる。最近は前々勝負で以前の展開に左右されやすいモロさを解消。東京(100002)、千六(110102)以上に不気味さを感じさせる。
ステイゴールド産駒らしい成長力。アドマイヤリードは馬場不問の瞬発力型として飛躍の年になった。とにかく圧倒的な瞬発力は一戦ごとに磨きがかかっている。前走で通算7度目の最速上がりはここ5戦連続。ジュベナイルF、桜花賞、オークスで掲示板わずか1度だけの非力なイメージは完全解消された。前走で改めて直線坂コースOKを印象づけてますます色気づく。32秒台も経験済みの瞬発力を兼ね備えた追い込み型は思い切った乗り方でGⅠロードでメドを立てたい。 |