15⇒8、7、4、11、5、6、2⇒
8、7、4、11、5、6、2、12 (49点)
国内無敗・・・というより国内無敵がしっくりくる。クリソベリルの強さはまさに天井知らず。大井二千での着差以上の完勝が強さを測るのに最適な条件だっただけに、前走の結果をそのまま額面どおりに受け取っていい。
母クリソブレーズは重賞経験が1度だけ(ローズS8着)でJRA3勝という平凡な戦績だったが、半姉タンザナイト(ダンビュライトの母)、全弟にGⅠ馬アロンダイトという確かな血筋は仔にしっかりと受け継がれた。クリソベリルの全兄クリソライトは海外GⅠ馬、半姉マリアライトはエリ女、宝塚記念でGⅠを2勝。けがに悩まされた半兄リアファルでさえ、GⅡを勝っている。とにかくクズが出にくく、コンスンタトに走る仔を生んでいる名牝の仔だけに何の疑いもなく、完全本格化とみた。
昨年から走るたびにスケールアップは数字にも表れている。前2走は特に顕著だ。
同日のC1千二、C2千六で比べてみると
前々走がそれぞれ1分14秒1、1分43秒5。
前走がそれぞれ1分13秒2、1分43秒3。
かなりシビアに見積もって馬場差を計算しても、前2走は前走が0秒2~1秒ほど速いことがうかがえる。前2走の時計差は2秒8。少なくても前走は時計が出やすい馬場でなく、この馬の能力で後続をぶっち切って破格の時計を叩き出したことがわかるだろう。
いずれにしても大井二千の2分2秒台は驚異的な数字。それを道中は前2頭に行かせて2馬身後ろでがっちり折り合っていた。前2頭が御法度の3角からの仕掛けでも慌てずに直線まで仕掛けを我慢するという自信満々の騎乗ぶり。楽な追走から直線に入っても仕掛けを我慢して残り1ハロンで完全に抜け出す横綱相撲。2着オメガパフュームがクリソの直後からの追い比べで最後は完全に突き放されたことからも強さ、凄さが伝わってくる。
唯一の懸念材料は典型的な外厩頼りの馬ということ。これまで一貫してじっくり間隔を開けたローテ。今まで経験のない叩き2戦目がどう転ぶかだが、昨年とはまったく別馬に変身したスケールの大きさならば、どう勝つかに焦点を絞っていい。
クリソに昨年同タイムとはいえ、ゴールドドリームは年齢的にもゆっくり下り坂。鞍上弱化を考慮すれば、馬券圏外になる可能性は高まっている。瞬発力型が確かな陰り。ここ4走で海外を除けば、上がりNo5、4、6が現実。58キロを背負っていたことを割り引いても、前々走で最速上がりより0秒7も遅い上がり時計はロートル入りを裏付ける確かな数字であることは間違いない。着順、着差以上の完敗から7歳馬の巻き返しは考えにくい。いずれにしても人気ほど信頼感はない。
カフェファラオは伸び盛りの3歳馬だが、ゴールドとは逆に経験不足の懸念。勝ちっぷりは豪快でも数字的な裏付けはまったくないと言っていい。現時点では時計不足と瞬発力不足。前走の2~6着馬が重賞未勝利からオープン特別程度のレースレベルと定めるのが常識的で、一気の相手強化でモロさ同居の3歳馬がポカを出す姿が簡単にイメージできる。人気になりすぎた嫌いからもひとまず評価を落とした。
クリンチャーは正直、半信半疑。前走は勝負どころから追っ付けどおしで直線入口で早くも並びかけて先頭。残り250で完全に先頭に立ったものの、まだ勝てるようなムードも確信もなく、2着馬が外から併せにきてようやくこの馬もエンジンがかかったようにひと伸びした。直線では最後まで抜かれなかったが、派手さがなく地味な勝ち方。ダート初勝利まで時間がかかったことからも、ダートで初コンビとなる乗り替わりは条件悪化が否めない。まずは前走のようにマクり競馬の完全燃焼で大駆け狙い。
チュウワウィザードに逆転の余地はない。すでに対クリソではっきりした勝負付け。どう立ち回っても先着できない完敗続きは、乗り替わりや距離短縮で補えるレベルではないだろう。クリソよりかなり後ろからの位置取りなら2着を拾えるが、クリソを負かすような積極策を試みると惨敗も覚悟しなければならない。ひたすら混戦を待つ。
2年前のこのレース以来、千八挑戦はある意味、納得できる。前走は前半で11秒台も連発したとはいえ、上がりレースラップ12秒0-12秒1-12秒3を直線一気のゴボウ抜き。完全復活どころか、以前よりスケールアップを感じさせたサンライズノヴァの参戦は脅威しかない。2年前とまったく同じローテ。2年前は武蔵野Sを54キロで1着から本番は3着に0秒7差の6着。それまで交流GⅠを含めて馬券に絡んだことがなかったが、今年はGⅠで1勝、3着2回、4着1回を引っ提げての挑戦。武蔵野Sを58キロの差し切り勝ちなど、明らかに2年前と実績は雲泥の差。過小評価されている一番妙味ある馬。
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