 
15⇒11、5、7、12、8、9⇒
11、5、7、12、8、9 (30点)
11、5、7⇒15⇔11、5、7、12、8 (24点)
15-11、5、7、12-11、5、7、12、8、9 (14点)
15⇒11、5、7、12、8、9 11、5、7、12⇒15
毎年のように言っている"時代の逆行と言える三千"。近年、中距離馬は早々に離脱を表明して今年もGⅠ馬が不在となった。世代レースの集大成にもかかわらず、重賞馬もわずか4頭。フルゲートにもかかわらず前走重賞だったのがたった9頭で、まさに例年以上の低レベル化。菊花賞の距離短縮にまったなしがかかっていることに間違いない。
とにかく今年は良馬場ならば波乱の確率は低かったが、人気馬が瞬発力型だけに道悪、外差し馬場になれば人気馬総崩れのレースになることも頭に入れとくべきだろう。いずれにしてもペース配分はもちろん、直線のコース選択が最重視されて鞍上の技量がすべてのカギを握る。
ダービーと菊花賞の密接な関係は今も昔も変わりない。とにかくはっきりした傾向が出ている。ダービー5着以内の馬で菊花賞で凡走の4着以下だったのは
24年
ダービー1着ダノンデサイル4着(千六デビュー)
23年
ダービー3着ハーツコンチェルト6着(1勝馬)
ダービー5着ノッキングポイント15着(デビューから4戦連続千六)
22年
ダービー5着プラダリア7着(初勝利3戦目、全勝ち鞍二千四以上)
21年
ダービー3着ステラヴェローチェ4着(デビューから3戦連続千六)
20年
ダービー3着ヴェルトライゼンデ7着(全勝ち鞍2歳戦だけ)
ダービー4着サトノインプレッサ12着(3走前が千六)
ダービー5着ディープボンド4着(千八以下は未経験)
19年
ダービー5着ニシノデイジー9着(二千以上で2着以内なし)
18年
ダービー2着エポカドーロ8着(デビュー2戦目千六)
ダービー3着コズミックエース15着(千八以下は未経験)
ダービー5着ブラストワンピース4着(キャリア5戦)
17年
ダービー4着マイスタイル18着(デビュー千六)
ダービー5着アルアイン7着(デビュー3戦連続千六)
16年
ダービー3着ディーマジェスティ4着(デビュー千五)
15年
ダービー2着サトノラーゼン5着(初勝利まで5戦。キャリア11戦)
1・デビュー2戦以内、または前3走以内で千六以下は×
2・キャリアは少なすぎても多すぎても×(キャリア6戦以上10戦以下)
3・二千以上で連対なしは×
4・千八以下の未経験は×
1勝馬だが5着以下なしの18年ダービー4着エタリオウの2着だけが特例とすれば、この4つの条件に当てはまらないダービー5着以内の馬が菊花賞好走につながったということ。以下の8頭。
23年タスティエーラ、ソールオリエンス
22年アスクビクターモア
21年該当馬なし
20年コントレイル
19年ヴェロックス
18年エタリオウ
17年該当馬なし
16年サトノダイヤモンド、エアスピネル
今年の該当馬はダービー3着ショウヘイと5着エリキングだけ。
セレクトセール2億1000万円とはいえ、正直エリキングの快進撃は驚いた。デビューから3連勝でも派手な勝ちっぷりはなく、数字的に時計も瞬発力ももうワンパンチほしかったのが本音だった。骨折明けの皐月賞はあくまでダービーへの叩き台として割り切れるだけに、前2走はまさにエリート完全復活を裏付けた内容だった。
ダービーは瞬発力の優越を測るのに絶好のサンプルとなるだろう。逃げ先行馬が不在にもかかわらず、人気薄の先行馬がほぼ控えるという考えられない消極策。絶対的に前々有利の流れを掲示板の中で唯一、4角二桁番手だったこの馬には絶大なる評価を与えられる。何より瞬発力差のつきにくい流れで上がりNo2より0秒3、勝ち馬より0秒8も速い上がり時計は世代トップの瞬発力型として認めざるを得ない。極め付きは前走だ。上がりNo2より0秒5も速かった瞬発力は他馬が止まって映ったほど。残り4ハロンから11秒台突入でラスト11秒2ならば、"仮想菊花賞"として最高のトライアル戦を消化したことになる。平凡すぎる勝ち時計より瞬発力勝負に特化しやすい近年の菊花賞からも堂々たる主役として扱える。道悪実績があるとはいえ、まだまだ未知数の域。
良馬場の瞬発力勝負ではエリキングに太刀打ちできないことはすでに証明されたが、天の恵みとなる雨ならばショウヘイも侮れなくなる。現実にダービー3着。若干行きたがり、上がりNo6に嫌なイメージを付けたが、最後は勝ち馬と同じ脚色で明るい未来がみえている。切れる脚のないことはわかっているだけに乗り方も迷いなく前々勝負。切れぬがバテぬ末脚は距離がさらに伸びてこそ本領か。いずれにしても馬場が渋るほどこの馬にとって条件好転。徹底待機のエリキングとは対照的に器用な立ち回りを武器に逆転を狙う。一番の懸念点はポリトラックで最終本追い切り。個人的にまったくいいイメージがない。
ズルズルと三冠目まで一貫性のない乗り方に終始しているジョバンニは鞍上に恵まれなかった。ここで結果を残せば意味のある教育だったと絶賛されるものの、結果を残せなければ断罪レベルの無策だったということ。前走は道中掛かって直線でうまく捌けずがこの馬の過去と未来を物語っている。3、4走前から瞬発力に限界を示していることを鞍上、陣営だけが認識してないというのがもどかしく、ここも控えた時点で勝ち負けは絶望的となる。流れが速くても遅くても前々勝負が鉄則。
キャリア4戦目の菊花賞馬となった18年フィエールマンでキャリア不足のジンクスをすべてひっくり返された後に続いたのが、キャリア4戦だった21年のオーソクレース。2頭の共通項は関東馬、前走が重賞、最速上がり2回の経験に加えて象徴的なのが菊花賞のラップ。
(レースラップ1~5F)-(6~10F)-(11~15F)
18年627-642-592
21年600-654-592
過去10年で1~5ハロンが60秒以上で11~15ハロンが6~10ハロンより5秒以上速くなったのは15、18、21、23年だけ。4回中2回で上記2頭が該当するレース。本来ならば一気の加速はキャリア不足馬にとって応えそうだが、理由はわからないがキャリア不足の馬の方が耐えているのは意外な結果だろう。キャリア3戦、前走は千八からというすべてが異色にもかかわらず、菊花賞馬となったフィエールマンはあくまで特例中の特例と理解しているものの、エネルジコは輪をかけて異色ローテで挑んでくる。
18、23年新潟記念勝ちのブラストワンピース、ノッキングポイントはダービーでいずれも5着。22年新潟記念3着のフェーングロッテンはたんぱ杯1着、17年新潟記念4着のウインガナドルたんぱ杯2着の実績もありながら菊花賞でこの4頭は菊花賞でそれぞれ4、15、15、16着。
常識的なローテなら菊花賞でもっと際どいレースだったと確信できた馬が多数いる中で突然沸いた異色ローテだった。結果が出てないにもかかわらず、このローテを選択したのは過去の歴史を知らないか、先々を考えずに使ったかのどちらかということだろう。経験不足に加えて"十字架ローテ"は大きな足かせ。さらなる追い打ちは21、22年が阪神だったことを考慮しても19~24年の菊花賞3着以内の前走はすべて二千二以上だったこと。
上がり33秒台以下が未経験にもかかわらず、最速上がりを経験済みは過去の歴史からも意外な好結果を残して妙味十分。
24年アドマイヤテラはすべて二千以上で最速上がり1回。二千二持ち時計No3。
22年ジャスティンパレスもすべて二千以上で最速上がり1回、二千四持ち時計No3。
21年ディヴァインラヴは前3走がすべて二千二以上で最速上がり1回。二千二持ち時計No4。
20年サトノフラッグはすべて二千以上で最速上がり4回。二千持ち時計No2。
19年サトノルークスは前4走ですべて二千以上で最速上がり1回。二千二持ち時計No2。
18年フィエールマンはキャリア3戦で最速上がり2回。ユーキャンスマイルは前2走がいずれも二千二。二千二持ち時計No1。
17年クリンチャーはすべて二千以上で最速上がり2回。二千持ち時計No5。ポポカテペトルはすべて二千以上で二千四2戦経験。最速上がり0回。二千二持ち時計No1。
15年キタサンブラックは前3走ですべて二千以上で最速上がり0回。二千、二千二、二千四持ち時計はそれぞれNo3、5、5。リアファルは3走前までダート。前2走は二千以上。最速上がり0回。二千四持ち時計No7。
マイスタイルは上がり33秒台以下を未経験で最速上がり4回。まさにスタミナタイプの瞬発力型。前走はペース音痴の集まりで平均ペースにもかかわらず、なぜか大逃げの形。あくまで展開の利があってのぶっち切り勝ちとはいえ、上がりNo2で振り切ればひと夏を越してさらなるスケールアップを計算できる。きょうだいも母も母のきょうだいも突然のスランプ入りが血統的な特徴だが、逆に1度波に乗るとしばらく好調期が続くこともこの血統の特徴。外差し馬場にもかかわらず、直線で内目を選択して自ら瞬発力を鈍らせた前々走はあくまで度外視。重賞初挑戦でも格下感はない。二千四持ち時計No6。
ゲルチュタールはレースマネジメントのうまさで出走に持ち込めたというイメージが強い。上がり33秒台以下はゼロ、最速上がりは1回だが、持ち時計に凄みがなく、二千、二千二、二千四はすべてNo5。これらの数字はキタサンブラック似だが、キタサンはすでに重賞2勝、GⅠ3着1回という誇らしい実績があった。ゲルチュとは天と地ほど能力的にも差がある。前走は同じようなラップだった翌日の3歳未勝利より1秒2だけ上回った程度の勝ち時計からは何も生まれない。
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