９→６、７、８、10→

６、７、８、10、３、４、２、14　(28点)

９－６、７、８－

６、７、８、10、３、４、２、14　(18点)

コパノリチャードが巻き返す。前走は過去20年で比較しても断然の超ハイペース。５ハロン通過で平均59秒半ば～60秒前半が平均の中、58秒０は次元の違うペースだったことがうかがえる。高速馬場を割り引いても大暴走。スタート後、必要以上に絡まれたこと、ハミがかかって抑えが利かなかったことなど、数々の想定外のことが重なって13着なら仕方ない。一気の距離延長、直線半ばで完全にあきらめたにもかかわらず、それでも着差は１秒５。２分を切る時計がケタ違いの底力を物語る。頭の高い走法でとにかくハナを切って完全燃焼の逃げ馬。超スローだから完全に引っ掛かりながらも勝てた前々走だが、上がりレースラップに10秒台が含まれる極限の瞬発力勝負に対応可能を証明できたのはうれしい誤算だった。いずれにしても追えば追うほど伸びた３走前こそがこの馬の真骨頂。距離短縮、高速馬場、内枠に同型不在でハナ確定メンバーなら勝てる条件は揃っている。１分33秒前後で駆ければ抵抗できる馬はいない。

コパノが勝つような流れならエーシントップの出番はない。本質はこの馬も同じ逃げ気性。前走も逃げれば楽にレースを運べたが、あえて控える競馬がここへの布石。ハナ切ることにこだわりを捨てた逃げ馬に怖さがなくなるのも当然だろう、超スローだからこそ凌げたジリ脚。レベルが高くなればもがいていた朝日杯の姿に逆戻りとなる。極限のスピードとある程度のスタミナに加えて瞬発力が求められる決着で控える競馬では胸を張れる武器がない。間違いなく５ハロン58秒前半より速くなるメンバー構成。過去10年でワーストタイムとなった前走時より２秒も速いラップを刻まれて34秒台の脚が使えるとは到底思えない。ハナにこだわりを捨てた逃げ馬は見限る。

過去10年で最遅時計という超低レベルなニュージーランドＴで前残りとなった馬に強調点はないが、断然前々有利の中、終い脚を伸ばしてきた差し追い込み馬は価値を見出せる。中でもレッドアリオンは東京コース替わりで色気が出る。前走は直線でいくらかフラつき気味。ゴールまで加速するような伸びだった前々走と違って、ゴール直前になって勢いが鈍るような末脚ならば、左回りが輝ける舞台とも考えられる。何より自在に捌いて常に完全燃焼が強調点。飛ばすコパノ、エーシンの直後から虎視眈々。

ゴットフリートの前走は意外に人気が集中した。数字ほど切れ味を感じない末脚で、以前からスタート不安定。マクり合いの中、内々で我慢できた枠順の利を活かした朝日杯３着ならば、自ら動いて勝負に行った上位２頭とは明らかに地力の差がうかがえる。前々走も４角前から手が動き始める平凡な行きっぷり。半数が33秒台の上がり時計でこのレースを使ったメンバーがその後の不振からも、数字ほどのインパクトを感じられない。東京コース替わりとハイペース頼り。

ガイヤースヴェルトは前走で予想以上の芝適性の高さを示した。直線追い比べとなってモタれ気味でラチ頼りになったとはいえ、芝初戦でいきなり千八１分46秒７の快時計がスケールの大きさそのものだろう。逆に弱点が早くもみつかった。勝ち馬より１秒７も劣る上がり時計。相手はダービー候補とはいえ、この数字はいただけない。最後は苦しがって逆手前になる仕草からも、極端な瞬発力勝負になった時点でレースが終わるか。乱ペースを待つだけ。

マイネルホウオウはとにかくスタミナが求められるような流れにならないと策がない。ゴットフリートの２着時は32秒台の上がり時計でも、本質は切れずバテずのジリ脚でスロー競馬には限界がある。それでも東スポ杯、スプリングＳなど随所にみせる存在感。前走も苦手の瞬発力勝負を自らいい感じでマクって０秒５差なら悪くない。今度は直線まで内々で我慢。

インパルスヒーローは恵まれた３連勝でまったく色気を感じない。３走前は直線抜け出した時点で勢いが止まってギリギリ凌ぐ辛勝。前々走は極限の瞬発力勝負となって道中ラチ沿いを立ち回った馬が上位独占の展開の利。前走は５ハロン通過が翌日の未勝利より速かったにもかかわらず、結局勝ち時計が同じになるという決定的なレベルの低さが示されれば、一気の相手強化で強調点が浮かばない。いかに内々で脚をためるかがカギとなる高速馬場。外枠を引いてギブアップ状態。

ストーミングスターは道営馬らしい完成度の高さ。前々有利の流れを割り引いも初芝で千六１分34秒８は立派。重賞馬相手に並ばれて最後まで抵抗を続けたレースぶりはけっしてフロックではない。再び好枠、魅力の鞍上に乗り替わりなら軽視できない。