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東京裏10R
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東京10R

3連単1着BOX18⇒15、10、4、1、11、12、13、7

3連単フォーメーション15、10⇒18⇒

15、10、4、1、11、12、13、7、6 (16点)

馬複18-15、10、4、1、11、12、13、7

まず皐月賞を振り返りたい。
スタート直後に10秒台を刻みながら、直後のラップは12秒台。再び11秒台に突入するなど変則ラップは、とにかく先行馬の中で中山素人とのコンビの逃げ馬だけが戸惑っていただけ。本来ならば5ハロン通過59秒0はハイペースだが、当日は超高速馬場である程度速くても前が止まらないレースが続いていた。案の定、皐月賞も実質前残り。外差しが利かず、ロスなく前々を立ち回った馬で上位を独占している。上位馬は4角先頭の馬から3馬身差以内の決着。置かれたレイデオロカデナ、外を回ったスワーヴリチャードなどは無抵抗に終わったこともうなずける。
圧倒的な時計となったレースレコードでも10着まで0秒5差の大接戦が時計そのものに価値を見出せない証。高速決着が当然の馬場なら標準的な勝ち時計ということ。前の止まらなかった流れと馬場で最後の最後に後方からいい脚を使ってきたレイデオロが一番中身は濃いか。

皐月賞の結果はいかにもマイラー同士の決着。極限の時計勝負でレースレコードを更新した09年、13年に似ている。
09年皐月賞
1着アンライバルト
2着トライアンフマーチ
3着セイウンワンダー

13年皐月賞
1着ロゴタイプ
2着エピファネイア
3着コディーノ

上記6頭の中でエピファ以外は古馬になってマイル路線を歩んだスピード型だった。前々走で千六だった馬が6頭中4頭。今年はレースレコード更新で前々走が千六だった馬が1、2着ならば、皐月賞はスピードだけに特化して前々で立ち回れた器用なマイラー決着だったと断定してもいいだろう。

ダービー前哨戦の3レースでレースレコードとなったが皐月賞、青葉賞、プリンシパルS。その中で一番レースレベルの高いのが青葉賞だ。同日1000万より5ハロン通過が2秒も速くて上がり時計は0秒7上回り、極め付けは勝ち時計が2秒3も速かったこと。低く見積もっても古馬オープン予備軍レベル。クラシックが1600万級で通用することからも出色の内容だったことがうかがえる。やはり後続をち切ってこそ、価値を見出せるレコードタイム。皐月賞とは質そのもが違う。
青葉賞は2着に0秒4、5着に0秒9差。
皐月賞は2着同タイム、10着が0秒5差。
プリンシパルSは2着に0秒4、4着に0秒6差ならば、青葉賞⇒プリンシパルS⇒皐月賞が時計だけのレースレベルとして評価したい。

 

主役は当然のアドミラブル。まさかの大外枠でも鞍上は自信をもって立ち回れる。典型的なディープ産駒の超エリート馬。デビュー戦はノドの疾患でまったく競馬にならなかったが、手術後は別馬のように存在感を示し始めた。
デビュー2戦目は鞍上が手探りという感覚だったか。直線入口から2着馬とマッチレースとなったが、直線半ばで軽く突き放して着差以上の楽勝。未勝利では破格の1分45秒台をあっさりと叩き出して一気にクラシックが鮮明にみえた。続く前々走も次元の違うパフォーマンス。向正面から動き出して逃げ馬を徹底マーク。ムチはわずか2発にもかかわらず、残り300で早くも先頭。残り150から後ろを確認しながら流し始めて最速上がりの圧勝劇はさらなる進化の証そのものだった。

クラシック当確を確信されたのが前走だった。確かに高速馬場だったことは間違いない。それでも3角過ぎから動いて最後まで加速し続けるような瞬発力はGⅠ級というほか言葉がない。残り7ハロンから残り1ハロンまで加速ラップの中を3角過ぎから動いて最後まで勢い持続の瞬発力で、とにかく息の長い末脚。血統的にもクラシックディスタンスで花開く。母はリンカーンヴィクトリーなどGⅠ馬の半妹。確かな血統的な下地を武器に大仕事の期待はますます強まってくる。

枠順発表前まで不動の本命だったアドミラブルがまさかの大外枠。フルゲート36頭時代の半分とはいえ、さすがに近年の高速競馬ではマイナス材料になる。青葉賞の呪縛を解くより難解な問題で、少なくても前走と同じ乗り方では勝てない。
外を立ち回ることがどれだけ不利なのか。ダービーの過去10年で1番枠が馬券に並んだ年は3年連続勝ちを含めて実に10回中7回も絡んでいることからもうかがえる。
1番枠の馬が5番人気以下でも
7番人気⇒1着
10番人気⇒2着
5番人気⇒2着
が示すとおりに絶対的有利な枠順。

逆に大外枠はどうか。フルゲート18頭になった92年から8枠が勝ったレースは
94年ナリタブライアン
97年サニーブライアン
01年ジャングルポケット

大外枠が勝ったレースは97年と01年だけだが、97年は除外ありで17頭立て、勝ち馬は逃げ馬だった。01年は重馬場で追い込みの利いた特異な馬場。18頭立てで17番枠だったナリタブライアンは先行~中団の位置取りから4角前にマクって突き抜けている。
さすがに直線だけの競馬では届かない枠順。前々走のような乗り方に戻せば、まずナリタと同じような勝ち方ができる。

レイデオロの前走は馬場も流れもまったく合わなかった。終わってみれば前々決着の中で、4角はほぼブービーの位置取り。直線は捌きやすい内目だったとはいえ、坂を上がってからの伸びは少なくても上位馬より上回っていたことが唯一の価値だろう。これまで直線だけの競馬、素質だけで勝ち上がってきたエリート馬にとって初めての試練がGⅠとはいかにも厩舎特有。いい経験、教訓となって、いかに本番で修正できるか。数字的な比較では瞬発力不足に加えて、さらに血統的な距離不安は二千圧勝経験でも拭えない。
ラドラータは千六が限界のマイラーだった。追い打ちで血統的な勝負弱さも否定できない。母は現役当時、楽に重賞を勝てる3連勝で挑んだ重賞2戦がいずれも惨敗。そこから調子を落として引退の末路。
ティソーナは千四~千六ベストのスピード型。現役当時は2連勝で挑んだNHKマイルCで人気を裏切って大惨敗。母母レディブロンドも連戦連勝で挑んだスプリンターズSで取りこぼしている実績からはほぼ決定的な弱点の可能性が否めない。いずれにしても器用さを捨てて徹底的に直線勝負型に固めてきたしわ寄せは、大舞台になるほど厳しくなっていく典型的な例か。
レースぶりは豪快でクラシック級をにおわせても、上がり33秒台の経験なしが現実。スロー前提になると評価が揺れ始める。過去10年に限れば、馬券に絡んだすべての馬が前走4着以下か、前走4番人気以下。前々走が昨年だった馬は過去30年で2頭。いずれも3着止まりとなっていることも嫌な材料。

サトノアーサーは鞍上と心中の道を選んだ。あきれるほどへぐり連発中の鞍上とコンビを解消することもなかったのは、能力的に狙える位置づけだっただけに残念だろう。掛かりやすい馬を好位~中団で折り合うことを避けて徹底した後方待機はまさにルーキーレベルの単純さ。ペースを無視して単なる相手、位置取りなりに動くという乗り方はさすがに相手が上がると取りこぼしが多くなるのも当然の流れだった。
振り返ればデビュー戦から怪しかった。必要以上の消極策で鞍上が足を引っ張ってギリギリの同タイム勝ち。前々走は道悪を考えればワンテンポ以上の仕掛けの遅さ、位置取りの悪さから4角の時点でギブアップ状態はあきれるへぐりだった。前々走後は皐月賞直行の予定がダービーで賞金不足の恐れから急遽皐月賞を断念して前走を使った経緯からも、皐月賞断念の英断よりもまずコンビ解消の英断が先決だったか。
結局ダービーへのステップが過去30年で5着以内も不在となる毎日杯からのローテーション。青葉賞組より強烈なジンクスが重賞未勝利馬によって打ち破るイメージが浮かばないのも仕方ない。
過去に3月からのステップでダービー5着以内だったのが32年前のシリウスシンボリ、21年前のフサイチコンコルドだけ。どちらもダービー勝ちを決めたが、2頭ともに二千二を経験していた事実は見逃せない。
32年×5頭=160頭中わずか2頭だけの掲示板確保という超確率の低い最悪なローテーションではどうにも手が出ない。前3走がすべて千八が決定的。

アルアインは意外性の塊。良馬場で最速上がり、道悪を難なくこなして千六~二千まで幅広い距離を制してきたのは脱帽ほかない。それでもさらなる距離延長のダービーでは前走以上に評価を下げたい。見た目のマイラー体型に映る馬体がどうしてもイメージを悪くしているからだ。確かに前走は前々走以上に良く映ったがいぜんとして絞れる馬体。良化余地を残す馬体であれだけのパフォーマンスなのだから、能力そのものは世代トップレベルに異論はないが、さすがに超高速馬場で時計も瞬発力も求められる条件では分が悪い。
デビュー戦の勝利は鞍上のうまさに救われたと思っていた。ハイペースに近い平均の流れにもかかわらず、早仕掛けの2着馬を目標に残り100できっちり差し切り勝ち。4走前は道悪の巧拙だけと思った。直線早々に一瞬にして先頭に立ってそのまま押し切る力技。3走前は直線で大きくヨレた馬にぶつけられてことが致命傷で度外視。前々走はチームオーダーとも思える同厩舎1番人気サトノアーサーが引っ張り殺し。同日の未勝利並みのラップながら、10馬身も以上後方待機ならば早仕掛けで押し切れたのも納得できる。アーサーが勝ってこの馬が2着ならば皐月賞は賞金不足になっただけに、調教師としては最高の結果だったことは間違いない。
前走はマイラーが上位を占める皐月賞独特の決着。超高速馬場である程度の速い流れでも前が止まらない。レースレコードを更新した09年アンライバルト、13年ロゴタイプの勝った皐月賞と酷似している。古馬になってマイル路線を歩んだ馬が掲示板多数で、皐月賞までマイル主体の馬が多いのもある意味納得。母は千六以下がベスト距離で、異父姉ゴールドエッセンス(父キンカメ)は瞬発力勝負に若干の弱さある中距離型。上がり33秒台の経験がない馬が父ディープに変わってどこまで変身するか。金曜日までの雨で馬場は超高速馬場から少し変化が見られるようになったのは好材料。
右ムチ連発で前走最後の直線は鞍上のバランスが崩れるほど大ヨレの失態。人馬ともに前走よりさらなる成長が求められる。

タンビュライトは1番枠を引けば無視できない。10年で7度も馬券絡みする絶好枠。
逆に絡まなかった1番枠

07年タスカータソルテ
12年スピルバーグ
14年サウンズオブアース

重賞馬でも絡めない例があるとはいえ、GⅠ、GⅡ、GⅢで3戦連続の3着はそれなりの価値を見出せる。ルーラー産駒はどうにも切れ不足と勝負弱さがネックだが、ここでも遜色ない好馬体。前走は勝負どころで1、2着馬より3頭分ほど外を回ったことが響いたと納得すれば、最後の脚色から少なくても1、2着馬の逆転可能な感触。決勝戦手前で勝ち馬の斜行がなくても着差そのものは大きな変化はなかったが、いずれにしても二千の直線坂コースで上がり時計を縮めてきたことは心強い。

この馬自身もレースレコード。ダービー1番人気馬を一瞬でも本気にさせたのに人気の落差。ベストアプローチは例年のダービー勝ち時計レベルの数字を叩き出しても人気の低さに違和感がある。確かに勝ち馬とは絶対的な差だが、4角ひとマクりで反応の良さと瞬発力で横綱相撲だった勝ち馬とはタイプが違うということ。この馬は常に勝負どころで置かれ気味になるズブさ。前走も同様に4角前で仕掛けるが、追っ付どおしで流れについて行く反応の鈍さ。3角前までアドミラブルの前の位置取りが、3角過ぎには位置取り逆転。4角では2馬身差後方でムチを連打という行きっぷりの悪さと位置取りからほぼ4角の差がそのまま着差ならば褒めていい。皐月賞は同日1000万より1秒速い勝ち時計。青葉賞は翌日1000万より2秒3も速い勝ち時計。2着馬でも別格の数字が並ぶ。

スワーヴリチャードの前走は右回り云々など関係ない。単なる鞍上のへぐり。1、2角まで3着タンビュライトの真内の位置取りだったが、行きたがるのを無理やり抑えて位置取り悪化していく悪循環。鞍上得意な勝負どころで外へ外へ。勝ち馬より3頭分以上も外を回れば手も足も出ないということ。3角過ぎで外を回れば差しの利かない馬場、超高速馬場で速いラップを刻んでも終わってみれば前々決着が多数していた馬場状態の中では悪手の乗り方だったことは間違いない。結局ほとんどの馬は4角の差がそのまま結果に直結。直線、馬群を割れない鞍上に連戦でうまく立ち回るなどもとより期待薄ならば、前走より気楽に乗れて内枠を引いた大本番で前々走の内容が光ってくる。いずれにしても相手なりにしか動けない鞍上はワイド馬として面白い。

皐月賞の前走千六だった馬が馬券に並んだのは過去30年でわずか1回だけ。2度目の珍事がペルシアンナイトとは意外だが、デビュー3戦連続の最速上がり。3走前は道悪で瞬発力が殺されて不完全燃焼に終わったが、前々走で再び最速上がりの差し切り勝ちで重賞制覇。前走も最速上がりに0秒2差の上がり時計は、向正面で一気に仕掛けた数字だけに価値がある。東京経験済み、上がり33秒台は2度も経験済み。
ガーネットチャーム(千六~千八)父ファルブラウ
ファシーノ(千八~二千二)父シンボリクリスエス
クィーンチャーム(千四~二千二)父キングカメハメハ
という血統的な背景も加味すると二千四で大幅な減点はない。各馬が勝負どころで外々意識ならば、気楽に乗れる立場で前走のインズルを再現か。

ハナにこだわりがなければダイワキャグニーはむしろ外枠でレースがしやすくなる。母はJRA4勝。コンスタントに走る仔を出していても大物らしい大物は出てないのが現状だが、過去10年でダントツのワーストNo1の弥生賞惨敗直後に前走でレースレコードが素質開花のシグナルとなっても驚かない。直線坂を上がってからエンジン点火。ジリっぽい、子供っぽいイメージのあった馬としては大変身を遂げている。スローペース依存症を連発中のGⅠでは頼りになる先行馬。