サンカルロの鞍上はようやく好走パターンを把握したか。暮れのスプリンターSはほぼ最後方からラチ沿い選択が奏功した3着で差し競馬にこだわりをみせていたが、ようやく前2走で理想的な積極的な競馬が好結果につながった。前々走は徹底した待機策から4角大外のワンバターンを止めて、大出遅れから3角前からジワリジワリの追い上げがいつもと違うところ。馬なりで直線先頭に立つ破壊力なら、さすがに鞍上も目覚めたということだろう。前走も同じように置かれたが、バラけた展開で捌きやすく、内々を回れたことが最大の要因になっている。3戦連続の最速上がりでますます切れ味に磨きがかかっても、外を回ると必ず止まる一瞬の切れ味。直線ラチに近いコース取りにこだわってこそ本領発揮となる。外に回せば以前の姿に逆戻り。 ジョーカプチーノの前走は3角前の不利がなくても上位食い込みは難しかったはず。立て直して直線に入ったが、不発に終わったことが逃げ気性の表れ。流れが遅かった前々走のようなほぼ直線だけの瞬発力勝負ではいい脚を使えても、前走のように底力を求められると不発に終わる典型的な例。ハナを切ればある程度のハイペースを凌げるのが真骨頂の逃げ馬はスタート勝負。 前2走の千六で掛かったショウワモダンは59キロを背負っても無視できない。酷量でさすがに切れ味という点でひと息だが、連続33秒台の瞬発力が底力。前2走はスタート直後から掛かる気性難の難しさで、距離短縮は理想的な条件となった。徹底した千六以上のローテーションから、芝千四以下はデビュー以来という久しぶりの条件で化学反応の期待。 エーシンフォワードは苦手な東京コースで強調点が浮かばない。昨年高松宮記念3着から6戦して馬券に絡んだのが勝ったマイルCSだけというのも気がかり。衰えを気にしなければならない6歳馬で、59キロの大外枠では、常識的に本番前の無理な走りはない。まずは次につながるレース。 1年のブランクからわずか1戦だけで完全復調になると思えぬが、フィフスペトルの前走は予想以上の走りだった。直線半ばで苦しがって逆手前になるものの、長期休養明けとしては上々の試運転。好位で折り合える差し馬が絶好の枠順を引いて気楽に乗って大駆けか。 上がりレースラップで10秒台が含まれたマイラーズCは単純に逃げ馬絶対有利。前々だったシルポート、クレバートウショウは大幅な減点で妙味なし。行くしかないコスモセンサーが絡めば、フラガラッハは前走のように不発に終わることはない。
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