13⇒6、5⇔6、5、10、9、16、7 (18点)
6、5⇒6、5⇔10、9、16、7 (16点)
賞金の大幅アップによって高いレベルになるはずが、賞金が高すぎるために昔の王道路線、天皇賞秋⇒ジャパンC⇒有馬記念のようにダメージが蓄積されやすいローテを避けて、この中のひとつを確実に取りに行くような傾向が強まっている。
とりわけ有馬記念はレースレベルとして誇れるような数字はない。年によっては同日の同週、同距離の古馬2勝クラスより時計が遅くなったこともあった。前走で高いレースレベルを消化するより、極めて少ないダメージで挑めるローテが理想になったことは過去の歴史からも数字に表れている。
有馬記念1~3着馬で前走がジャパンCだったのは各30頭中で
12~21年9頭
02~11年12頭
92~01年12頭
82~91年15頭
有馬記念1~3着馬のすべてが前走ジャパンC以外だったのは随所にあったが、それでもここ40年間で2年連続はなかった事実。それがここ3年連続で前走ジャパンC以外だったことに"1戦必殺"傾向の強まりが表れているだろう。
ひと昔前まで王道だったジャパンC上位組の挑戦が少なくなり、今年のジャパンC馬参戦は極めて稀な例と言える。
直前のジャパンCを勝って有馬記念というローテだったのは
11年ブエナビスタ(有馬記念7着)
12年不在
13年不在
14年エフフォーリア(有馬記念5着)
15年不在
16年キタサンブラック(有馬記念2着)
17年シュヴァルグラン(有馬記念3着)
18年不在
19年スワーヴリチャード(有馬記念12着)
20年不在
21年不在
能力云々というより、ダメージ残りのため取りこぼしの連続ということ。ジャパンC馬が牝馬なら有馬記念を即回避が主流となっていることからも裏付けられている。
オグリキャップの時代から言われてきた有馬記念凡走馬の"前走の反動説"。派手な時計や豪快な着差など関係なく、大差でも接戦でもジャパンC同様の状態で挑むことはほぼ不可能。良くて平行線が限界とみていいだろう。数ある勇者が壁を乗り越えられず、有馬記念不在の多さからも基本的に見限るのが正解なのは間違いない。
次世代のスターか。すでに完全なる世代交代の証か。いずれにしてもヴェラアズールの前走は衝撃的な強さだった。昨年のジャパンCと比べて今年の方が少し速い馬場差だったが、時計は昨年より1秒も速かったこと。さらにこの馬自身、初のGⅠ挑戦で直線はガツンガツンと他馬に接触しながらGⅠ実績を積み上げてきた猛者たちを一蹴。最速上がりの好時計勝ちを加味すれば21年ジャパンC1~3着コントレイル、オーソリティ、シャフリヤールより計算上もイメージもスケールの大きさを感じさせている。展開のアヤや巡り合わせの悪さといういいわけをできなくなるほどGⅠで負け続けている鞍上配置がどう転ぶか。馬のスケールの大きさから圧勝があっていい力関係だが、結果の出ないローテと呪縛に包まれている鞍上など、負のオーラもまた強力。前半の折り合いがすべてのガキを握る。大一番の中山で掛かり始めて引っ張り込んだら終わり。
トリッキーなコース体形で最近は特にスローペース依存症になりやすい有馬記念。わずか5戦のキャリアで挑むイクイノックスを常識的な判断で見限るのが正解なのか、不正解なのか。競馬を長くやっているほど早々に見限りたくなるジンクスを抱える。
15年ルージュバック(キャリア6戦)10着
17年ブレスジャーニー(キャリア6戦)12着
18年ブラストワンピース(キャリア6戦)1着
19年ワールドプレミア(キャリア6戦)3着
20年オーソリティ(キャリア6戦)14着
21年エフフォーリア(キャリア6戦)1着
15年キタサンブラック(キャリア7戦)3着
16年サトノダイヤモンド(キャリア7戦)1着
17年スワーヴリチャード(キャリア7戦)4着
20年バビット(キャリア6戦)13着
3着以内だった15年キタサン、16年サトノ、18年ブラスト、19年ワールドは菊花賞から。唯一の例外が天皇賞秋からのエフだけだが、昨年の有馬記念は過去10年で2回しかない5ハロン通過が59秒台以下のひとつ。それでいて平凡な時計で終わったことからも特殊な年だったことは間違いない。
ジンクスもイクイに厳しさを与えているが、それ以上に前走内容だけでも評価を下げなければならない。今年の天皇賞秋は昨年より5ハロン通過で3秒以上も速い超ハイペース。5F57秒台は12年以来となった。その12年より馬場差は楽に1秒は速い高速馬場にもかかわらず、時計が劣ったことが決定的な低レベルの証。加えて過去10年で良馬場9回中、勝ち時計はNo4の標準でも、レースの上がり時計ワーストでレースレベルが低いと結論づけた。大逃げに翻弄された未熟な鞍上もいる中で、仕掛けを我慢する余裕で鞍上の手綱捌きの差が結果にも直結。ペースと馬場考慮をすれば1分56秒台の決着が確実だった条件で57秒半ばの決着にもかかわらず、圧勝となったレースは大幅な割り引きが必要。
休養中の仕上げ過程の悪さか、ローテの悪さか、血統からくる尻すぼみ期間に入ったか。エフフォーリアの転落ぶりに驚きさえあるが、ここまで徹底した休み明けのローテにこだわるならば、V字回復はさらに遠のくだろう。とにかく昨年とは別馬。必要以上に控える選択をする鞍上も最悪なコンビの可能性があるとして再考慮すべき時期に入っている。
別な要因があれば血統的なもの。以前から比べると不発に近い鋭さ負けの連続がディープ産駒と似ているエピファ産駒の枯れ始めの前兆。ディープ産駒同様にV字回復が難しいレベルまでの落ち込みで浮上の見込みなしの低空飛行が続いている。
一番のパフォーマンス場所だった東京をスキップして、新鮮味のない鞍上と器用さを失いかけている馬に1周半の中山。スランプ脱出のきっかけをつかむのも難しいか。いずれにしても見せ場があってからの狙い。
今年の凱旋門賞は日本馬にとって不運だった。突然の大雨によってレース直前で日本馬惨敗が確定するほど馬場が悪化した事実。
タイトルホルダーにとって鬼門の中山だが、絶対的な展開の利を活かす時がきた。スタート直後に少しだけ強気に行けば簡単に自分の形に持ち込めるメンバー構成。外枠はむしろ好都合だろう。何より絶対的な好感を持てるのが昨年の有馬記念でも自分のスタイルを崩される最大の要因となった宿敵パンサラッサの不在。控える競馬の宝塚記念で結果が出たとはいえ、ハナを切って完全燃焼の単調な脚質であることはこれまでもこれからも変わりない。早めのスパートから後続馬をなし崩しがこの馬の勝ちパターンで3、4走前の再現確率は非常に高まっている。
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