11、4、3⇒11、4、3、14、18⇒
11、4、3、14、18 (36点)
11⇒4、3、14、18⇒5、13、12 (12点)
前走で酷評したシュネルマイスターが驚きの復活劇だったが、好走の理由はひとつしかないだろう。メンバーレベル、レースレベルの低さそのもの。
2着ガイアフォースは千六経験なし。しかも1度の千八経験はデビュ戦だけ。ほぼ二千以上のみの経験だった。3着ソウルラッシュは昨年のマイラーズC覇者だが、重賞はこれ1勝のみ。0秒1差の4着に衰え顕著の7歳馬シャイニーロック、5着に古馬重賞でワイド圏内未経験のマテンロウオリオンなど、とにかくGⅡと思えぬ低調なメンバーが揃う。さらに決定的なのが過去との比較だ。
勝ち時計(5ハロン通過-レースの上がり時計=最速上がり)
今年1315(574-341=329)
同日3歳未勝利牝千八で1468(591-354=345)、3歳未勝利内千六で1327(578-349=347)、古馬1勝外千四で1202(568-346=338)、古馬2勝千二で2138(631-344=336)、古馬3勝千八で1454(588-346=341)。
20年1324(586-338=327)
同日3歳未勝利牝内二千で2011(607-355=351)、3歳未勝利千二で1082(565-337=333)、3歳未勝利千八で1482(609-346=343)、古馬1勝外千四で1227(604-339=336)、古馬2勝二千二で2122(592-348=341)
20年と比較で今年は約15~20速い馬場差。単純の時計比較では20年より0秒9速いものの、馬場差から計算すると明らかに20年より劣る。20年1~3着馬(インディチャンプ、ベステンダンク、ヴァンドギャルド)よりひと回り以上の低レベルとなる見立て。
シュネルは昨年2着とはいえ、昨年の勝ち時計は過去10年でブービー。超高速馬場にもかかわらず、各馬が引っ張り込んで超スローの極限瞬発力勝負になったこともこの馬にとって有利に働いた。前走が1年半ぶりの勝ち鞍で昨年よりスケールダウンのイメージが強まり、極限の上がり勝負が望めない馬場が追い打ちとなって少なくても単固定にできるほど信頼度は高くない。あくまで連軸まで。
千六未経験で安田記念3着以内は18年3着スワーヴリチャード(重賞千八1着あり)以来いない。過去10年に広げても13年2着ショウナンマイティ(重賞千八2着あり、7戦連続で3着以内からのステップ)。
千六未経験は百歩譲って納得できても、千八も未経験となるジャックドールがいまさらマイル挑戦には驚きしかない。キャリア14戦はすべて二千。もちろん、モーリス産駒の二千から距離短縮はイメージどおりだが、マイルのスペシャリストが集まるGⅠでは話が別。二千の立ち回りより単調さは解消される可能性があっても、致命的な欠点である瞬発力不足はどうにもならないだろう。久しぶりの上がり33秒台となった3走前でも完全なる鋭さ負けで上がりNo8。馬場が回復するほど信頼度を失っていく。
すでにソダシの限界ははっきり示されている。もとより悩みの種だった瞬発力不足がいよいよ表面化して結果に直結。スローペース依存症、高速馬場がリンクしたGⅠ続きの幸運に加えて立ち回りのうまさで弱点をカバーしてきたものの、最近は展開の利でも勝ち切れなくなったのが現実。昨年のヴィクトリアMで上がりNo6で今年の上がりNo8。牡馬相手の前々走は上がりNo7を含めると牝馬限定で勝てなくなった武器を失いかけている牝馬を牡馬相手にV字回復は計算もイメージもできない。道中掛かったことを割り引いても完全なる勝ちパターンで最後失速した前走はごく普通に完全燃焼しての力負けと判断するのが常識的。驚くような変わり身を期待する方が無理な話か。休み明け(311010)と叩き2戦目(010002)。
ソングラインは前走ですべてのツキを使ったのも同然。雨の降る中で各馬が雨を意識しすぎて引っ張り込み。4角では必要以上に外を回る馬もいたが、実際は高速馬場のままで内も外も変わらない状態だった。典型的な内目有利の前残り。内目で我慢し続けていたこの馬にとってすべての展開が向いたということ。過去のレースと比べると20年よりわずかに遅い馬場差で勝ち時計は1秒6も遅い数字が象徴的なレベルの低さ。高いレベルに覆すような他の数字もまったく見当たらないにもかかわらず、前走と真逆な大外枠で完全ギブアップ状態。スローの瞬発力勝負に良績集中の馬にとって馬場も含めて試練しかない。
改めてイルージウパンサーを狙う。昨年のこのレースは好位差し可能な馬を超スローにもかかわらず、ひたすら引っ張り込むという鞍上のスタイルに無理やりはめ込められたという最悪な結果だった。さらに前走はマイルのスペシャリストにとって違和感だらけの千八挑戦であくまで番組の都合上の試し乗りと納得するべき。直線入口で一瞬コース取りを迷ったために行くべきコースを取れず、残り150から行き場を失って鞍上が立つほどのブレーキをかけていたという惨敗レベルの立ち回りの下手さもあった事実。スムーズならば勝っていた可能性もある0秒5差はむしろ、改めてこの馬の秘めた能力を知らしめた中身の濃い一戦になったということ。重賞経験の浅い馬が一戦ごとのスケールアップ。1分32秒台以下を5回のシュネルに対してこの馬は4回。さらに千六限定の上がり時計No1と休み明け(410002)が加わればシュネル以上に期待が高まる。
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