13⇒16、11、9、10、15⇒
16、11、9、10、15、4 (25点)
16、11、9⇒13⇒16、11、9、10、15 (12点)
16、11、9⇒16、11、9⇒16、11、9、10 (12点)
13-16、11、9-16、11、9、10、15、4 (12点)
13⇔16、11、9、10、15、4
ダノンデサイルにはダービー馬という称号以外に何の強調点があるのだろうか。ダービー馬としては久しぶりの千六デビュー、皐月賞除外明け、上がり33秒台以下の経験は1回だけなど、昭和平成へ逆戻りのようなクラシック馬が誕生したのは勝ち時計が平凡すぎたからがすべての勝因だった。
レコード決着となった22年とほぼ同じ馬場差でありながら、22年より5ハロン通過が3秒3、勝ち時計にして2秒4も遅い数字がレースレベルの低さを物語る。これだけの超スローにもかかわらず、レースの上がり時計がわずか0秒4上回っただけ。まさに昨年のデジャヴー。昨年もレコード確実な超高速馬場だったにもかかわらず、勝ち時計2分25秒台、レースの上がり時計が35秒台というダービー史上の黒歴史として刻みこまれている。案の定、その後のダービー馬タスティエーラは惨敗続き。種牡馬としての価値をこれ以上低下させないためにも早めの繁殖入りが濃厚になっている。
ダノンの前走はあくまで展開の利も大きな勝因だった。外差しが利かぬ馬場にもかかわらず、各馬が4角で外々を強く意識。ラチ沿いでじっくり仕掛けを我慢したこの馬にとって願ってもない流れになったことは言うまでもない。ラチからひたすら離れず、残り300で一瞬の脚を使い切ったが、他馬もそこから同じ脚色。GⅠ初挑戦のダービー制覇にエリート感は出るが、数字的な裏付けはまったくない。しかも昨年、たまたまうまくいったダービーから直行ローテをなぞったことが英断なのか、暴挙なのか。来年以降の傾向としても注目したい。
メイショウタバルも展開の利だけで勝ち上がった前走に価値を見出せない。ごく標準的な流れにもかかわらず、ペース音痴の集まりだったためになぜか4馬身差という楽な単騎逃げになっていた。レース前までの微妙な雨が騎手らを惑わさせたことを割り引いても時計的にまったく凄みはない。22年とほぼ同じ馬場差で時計が0秒7も劣った。22年の1~3着馬がジャスティンパレス(菊花賞3着)、ヤマニンゼスト(菊花賞6着)、ボルドグフーシュ(菊花賞2着)よりひと回り以上の格下的な数字だけに、展開がはまってもワイドラインが限界となるのが常識的な見解だろう。さらに決定的な減点材料はペース音痴の鞍上だ。皐月賞5ハロン通過57秒5は何年も語り継がれる黒歴史の逃げだったことを忘れてはならない。
ダービー出走経験済みの菊花賞出走馬
23年10頭、22年6頭、21年6頭、20年11頭、19年7頭、18年9頭。今年7頭。
若干の波はあるのの、菊花賞1~3着馬に必ずダービー出走馬が存在することが最強レベルのジンクスの証。
菊花賞1~3着だったダービー出走馬の戦績は
{4着以下がゼロのエリート}
23年タスティエーラ、ソールオリエンス
20年コントレイル
19年ヴェロックス
18年エタリオウ
{1+2着>=3+4+5+6着。(GⅠ3着以内の実績あり)または、(セントライト記念2着以内、皐月賞とダービーの出走経験済みと二千以上で勝ち鞍あり、キャリア7戦以上)}
22年ジャスティンパレス
22年アスクビクターモア
21年タイトルホルダー
20年サトノフラッグ
19年サトノルークス
これら2項目のどちらかに該当する馬は内枠から
ダノンデサイル、コスモキュランダ、アーバンシックの3頭だけ。
ダノンは長期休養明け、コスモは掲示板外3回(18年以降菊花賞3着以内なし)を嫌って注目はアーバンシック。
前任騎手が大一番での勝負弱さを連発して春のクラシックを棒に振ったが、名手を配して常識的な立ち回りで内容一変は当然の流れ。ダービー馬と互角だった京成杯当時よりもスケールアップを感じさせている。何より騎手が替われば馬が変わるという典型的な例。あれだけ折り合いに苦労していた馬が折り合った際の爆発力の凄さを目の当たりしたのが前走だった。標準的なラップでなぜか3角からマクり合い。まさに"仮想菊花賞"としては最高のステップレースになったことも大きな自信につながっている。
今年のセントライト記念は過去10年、良馬場限定の勝ち時計No3、レースの上がり時計No3は十分に胸を張れる数字。さらに皐月賞とダービーで掛かりまくってそれぞれ0秒4差、2着に0秒7差ならば勝てる下地は十分にあるだろう。母エッジースタイルは二千2勝を含むJRA3勝。母母ランズエッジはディープインパクトの異父妹、母の全姉ロカはドゥラドーレス、レガレイラの母。これ以上のない超良血は大舞台での飛躍が確約できるほど血統的な背景が素晴らしい。むしろ今まで走らな過ぎたか。名手と理想的なローテとイメージ好転の平坦がリンクして最強馬が十二分に能力を発揮する。
忘れたころに条件戦のステップ馬の大駆けだが、このタイプには確実な条件付きとなる。まずは前走で勝っていること。掲示板外は2回以下であること。二千二以上を経験していること。二千か、二千二かどちらかの持ち時計がNo1か2。これら4つすべてをクリアしなければならないが今年は該当馬ゼロ。ますます神戸新聞杯組に興味が偏っていく。
神戸新聞杯組のショウナンラプンタはとうとう乗り替わりの英断を下せずに大一番を迎えることになった。少しでもまともな立ち回りならば勝てた重賞が何度もありながら、頑なに同じ鞍上にこだわり続けるのは陣営の懐の深さなのか、内容への無関心なのか。どちらにしても引っ掛かることを嫌って恐る恐る極限の消極策で立ち回った前走がコンビ間の限界。同じ鞍上では最高の乗り方でワイドラインが限界だろう。鞍上は乗り方、陣営は英断の大胆さがない限り、この馬の不幸は終わらない。馬体の成長が感じられず、見た目からもがっかり感のあった仕上がりからフィジカル面の一変も難しいか。いずれにしても前走と同じくひたすら引っ張り込んで他力本願として相手の凡走をひたすら待つか、いきなり前走と真逆な乗り方して自滅か。どちらにしてもGⅠ無縁の鞍上にマジックは期待できない。
コスモキュランダが覚醒したのはまさに乗り替わりが転機だった。置かれすぎていた不器用さを解消させるために早めの仕掛けで大マクりが奏功。デビューしんがり負けで4戦目で初勝利。初重賞の京都2歳Sではしんがり人気だった落ちこぼれが、年明け2戦目で重賞勝ちはまさに不死鳥のような本格化だった。皐月賞はハイペースがはまった同タイム2着とはいえ、前2走の落差は流れやレースレベル云々というより左右回りが要因だった可能性も否めない。少なくても慣れている右回りはこれまで負けても0秒9差。年明けに限れば0秒3しか負けてない。常に他力本願、鞍上の仕掛けひとつで落差の出る成績だけに信頼感は最低レベルに近くても、終わってみれば紙一重がこの馬の特長。ダノン同様に引っ掛かる心配のないレース巧者。GⅠでも平場でも同じような大胆な騎乗可能の鞍上もまた魅力。
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