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東京裏読み
関東
1R3R10R11R12R
関西
2R3R11R12R
ローカル
1R2R
5R10R
11R
JRAホームページ

東京11R

3連単フォーメーション7、11⇒7、11、12⇒7、11、12、1、6、14 (16点)

馬単7⇒11、12、1、6  11⇒7、12、1、6

賞金の大幅な一気の上昇によって引き起こされた異変。ひと昔前ならGⅠ中のGⅠであった天皇秋が今やジャパンCや有馬記念より間違いなく格下の扱いとなってしまった。天皇賞秋の前にひと叩き、秋から年末にかけて4戦して賞金総取りのような野望よりも、5億のレースひとつで十分という考えになるのは当然の流れ。エリートになるほど多くても3戦。ジャパンCか、有馬記念のどちらかをピークになるようなローテが組まれている。
近年の天皇賞秋から始動(悪く言えば叩き台)するローテが主流。今年も休み明けが半数以上の8頭となった。

(2カ月以上の休養明けの天皇賞秋3着以内)

23年11頭中7頭(1~3着独占)
22年15頭中9頭(1~3着独占)
21年16頭中8頭(1~3着独占)
20年12頭中8頭(1~3着独占)
19年16頭中6頭(1、2着)

1~3着馬(30頭)休み明けは
14~23年21頭
04~13年13頭
94~03年6頭

賞金の大幅な改革によって昔の非常識が今の常識になっていることは20年前を物差しにすれば一目瞭然。毎日王冠、京都大賞典から始動する超エリート馬は皆無に近くなって両レースはメンバー的にみてもすでに廃れたムードが漂っている。
1着賞金2.2億円の天皇賞秋と5億円のジャパンCや有馬記念。1億円の春GⅠと5000万円のGⅡとほぼ同じ比率。これからますます主流になって天皇賞秋はひと叩きされて挑んだ3着以内となる馬が珍しくなるだろう。休み明け云々が関係なしとなれば、ごく普通に実績馬のぶつかり合い。GⅠ実績や距離実績、持ち時計と並外れた瞬発力がそのまま結果に直結することになる。

リバティアイランドは強気になれない理由が多々ある。休み明けは納得できても年明けわずか1戦だけの海外帰り。現役屈指の瞬発力型が秋華賞から上がり時計に微妙な異変が現れていることも否めないからだ。まず海外帰りからの直行ローテは過去の歴史上、苦戦が強いられている。

23年ドウデュース(取り消し、前々走は京都記念1着)

22年シャフリヤール(前々走はドバイシーマ1着)

17年ネオリアリズム(クイーン&エリザベス1着)

16年エイシンヒカリ(前々走はフランスGⅠでぶっち切りの1着)

ほぼ超エリート馬だから現実味ある結果ということ。すべて今回が休み明け(ドウデュースは前走海外の取り消し)だが、少なくても前走か、前々走で絶好調を示していたにもかかわらず、天皇賞秋での凡走にこのローテの難しさが示されている。

牝馬の瞬発力型は上がり時計の浮き沈みがその馬の好不調を表す。桜花賞、オークスで最速上がりだったのが、秋華賞で一瞬交わされることを覚悟した2着馬の猛追。2着馬に最速上がりを譲り、自身はまさかの上がりNo2になったことで若干イメージが変わってきた。
さらなる追い打ちが前々走だ。4角では勝ちを意識できた絶好の手応えだったにもかかわらず、まさかの追って案外。屈辱的な上がりNo5は調子云々、流れ云々というより成長の天井に達したことの象徴的なシグナルとなった可能性は極めて高まっている。
前走はペース音痴ぶりを露呈した完全なる展開負けだが、鞍上の非を責めるより馬の体たらくさが気がかり。5ハロン通過時点で勝ち馬より4、5馬身後方の位置取りが3角でさらに広がったことが致命傷。なぜか直線まで仕掛けなかったことが追い打ちとなって届かなかったとはいえ、いい脚が一瞬で終わったことはさらなるイメージダウンとなっている。4着ジャスティンパレスを直線で一時置き去りにしたにもかかわらず、最後に差し返されて差を縮められる失態。少なくても距離の限界をちらつかせて、中距離以下ベストの血統が徐々に全面に出てきたことを示したか。勢いだけで距離をクリアできるオークスからしばらくして血統の呪縛でデビュー当初のマイラーイメージに戻りつつある例年の傾向どおりとみていい。二千四以上では不発に終わっても中距離で持ち前の瞬発力が復活することは否めないが、それでも東京で負けた2戦を加味すれば主役としては心細く、胸を張れる数字も勢いもないのが現実。

レーベンスティールにこれだけの人気が集まるのは驚きだった。3走前に低調なローカルGⅢで惨敗。今でもGⅠで勝ち負けできるような数字的を叩き出せてないJRAのGⅠ初挑戦の馬がなぜか人気だけはV字回復。重賞で無双状態となっている鞍上だけの人気で祭り上げられたことが最大の要因だろう。そもそも高速馬場で勝ち上がったセントライト記念、エプソムCはそれぞれの同日で古馬2勝二千1分59秒6、新馬芝千八1分46秒7ならば当然の高速決着。馬場差からは物足りなさを感じさせるのが本音だ。オールカマーはさらなる低調ぶり。同日の古馬1勝千六1分32秒6で軽く2分10秒台が標準レベルにもかかわらず、最速上がりにならず。2、3着馬が二桁人気馬というメンバーレベルの低さからも強調点を見出すことは皆無に等しい。予想外の雨が降るのをひたすら待つしかない。

ソールオリエンスはどうやらこれまでもこれからも極悪馬場だけの出番になる道悪巧者ということで評価が落ち着きそう。前走も1、2着馬が群を抜く道悪巧者だったことは飛びぬけた瞬発力、最速上がりに表れている。外ラチに近いコース取りが奏功して久しぶりの連対を果たしたが、やはり上がり33秒台の経験が2回だけの少なさがネック。デビュー戦とダービーでいずれにも超スローの上がり競馬だけで叩き出した数字では極限の瞬発力勝負に弱さを抱えているのが本当の姿としてレッテルを張られても仕方ない。今や完全に癖馬として固められて常識的な立ち回りができなくなっただけに予想外の雨だけがこの馬にとっての生命線。

狙いはドウデュース。海外遠征によって賞金加算を犠牲にしている典型的な悪例だが、JRAのレースはとにかくツキがなかったのも事実。急遽乗り替わった昨年の天皇賞秋は折り合い難で自爆。続くジャパンCも折り合い難。大マクりで振り切れた有馬記念はこの馬にとってすべての面が恵まれただけ。前々走は出遅れで最悪な位置取りからひたすらラチ沿いが開くのを待っていたが、結局追えたのは正味残り100だけ。切れ味ない瞬発力で0秒3差ほど中身は濃くない。前走はこの馬の真外だった勝ち馬が2角から動いたのに対して、この馬は掛かることを恐れて終始引っ張り込みに専念したことが勝負の分かれ目になっている。しかも3角過ぎから上位馬が選択しなかったラチ沿いの立ち回りがすべての元凶。キャリア3度目の掲示板外は最悪なコース取りによって引き起こされたと納得するしかない。主戦でも乗り替わりでも折り合いに苦労するようになった悪癖持ち。いい意味の枯れ具合を待つより、やはり距離短縮に刺激を求めたのは正解だろう。千八~二千ベストは以前からのイメージどおり。ジャパンC上がりNo2、有馬記念上がりNo1、宝塚記念上がりNo3。スムーズさを欠きながらも現役最強レベルとなる瞬発力型の復活劇はこれまでよりわずかな条件一致、または些細なきっかけひとつ。