圧倒的な瞬発力を誇っていたナイキでも、JRAの怪物スーニにはかなわなかった。それでもB1級の時計が出れば優秀な2歳暮れの時期に、同日B1を0秒9も上回った数字でクラシック勝ちは確約されただろう。2歳優駿で掲示板なら、ここではごく普通に圧勝可能な力関係。どう勝つかだ。
ナイキハイグレードの前走は歴史の残る競馬だった。同日B1を2秒以上も上回る快時計。この馬自身も0秒9上回れば、負けて強しの好内容ということ。スーニを負かしにいって最後失速。じっくり折り合い重視で挑んだ2着馬とは明らかに質が違っている。南関東限定戦では同世代で敵なしの存在。距離も千七までならパフォーマンスが落ちることはない。先を見据えた折り合い重視の乗り方で十分に届く。
千六よりもスタミナが求められる千七となってガイアボルトが躍進する。圧倒的な力の違いで楽勝した前々走が堂々たるオープン馬の証。前走はそれほど速くないペースで大逃げの形になった逃げ馬を追いかけて2着に踏ん張れば時計勝負にもメドは立った。キャリアが浅いだけに、一戦ごとの成長力は重賞経験馬よりも期待できる。豊富なスタミナに磨かれたスピード。スケールの大きさはここでも遜色ない。
ワタリシンセイキはあれだけ雑な乗り方をすれば、勝てるレースでとりこぼすのも当然だろう。ダートで初黒星となったが、前が止まらなかった流れを強引な大マクりで0秒2差。改めて能力の高さを認識できたレースならば、叩き2戦目で色気は出る。芝千七4着で距離に問題なし。大井ダートも無難にこなしてコース適性はクリア済みなら、じっくり折り合い重視で挑める外コースは前走より期待が高まってくる。2歳にして東北の年度代表馬に選ばれたことがそのまま絶対能力の高さ。
シュバレスクは人気になって鞍上のプレッシャー負けが続いている。あまりにもじっくり乗りすぎて、3角すぎからあせって一気の仕掛け。ペースがつかめてないのが明らかに伝わってくる。振り返れば平和賞も同じようなミスでとりこぼし。体型的に距離の壁が確実に近づいているマイラーで、ここ凡走ならクラシックの好走はますます厳しくなってくる。好走パターンを固めたい。
見せ場もなく終わったワンダフルクエストは、早くも正念場を迎えている。デビュー5連勝の期待馬が前2走で思わぬ苦戦。2歳優駿4着のメトロノースには2戦2敗。これまで完成度の高さだけで振り切っていたようなレースぶりで、失速した勢いは距離延びて変身するイメージが浮かんでこない。
サザンクロスラリーの前走はフロックではない。前日のB3よりも速い流れ。それでも大逃げになるような流れでなかったことは事実だが、38秒8でまとめた瞬発力など、全体の時計を含めてもそれなりの評価ができる。とにかくハナが大前提の単調な逃げ馬。雨量によってさらに逃げ馬有利の馬場に変われば面白い存在になれる。
シャレーストーンは見事に南関東トレードが当たった。デビュー5戦連続で千を使ってきたスピード馬が、転入初戦の大井千四でイメージ一新の好位差し。続く地元では大マクりで差し切れば、前走の1番人気も納得できる。前走の勝ち馬はレベルの高い桜花賞2着馬。3着とは5馬身差だから価値が高い。大井は大歓迎。。
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