3⇒4、8、9⇒4、8、9、12、7、5 (15点)
4⇒3⇒8、9、12、7、5 (5点)
牡馬と牝馬。究極の時計と極限の上がりが求められる近代競馬では斤量差では埋められない格差、落差があることは言うまでもない。泥んこ馬場だった京都記念はまさに特異な結果だったということ。もとより京都記念の過大評価が間違いの始まり。メンバー的にはGⅠに直結するレースでないことがうかがえる。
1、2着馬が牝馬。勝ち馬は前々走で牝馬限定でも勝てなかった馬で、2着カレンブーケドールはジャパンC2着とはいえ、明らかに道悪巧拙の差で好走しただけ。いぜん重賞未勝利が現実で、3着ステイフーリッシュが古馬重賞未勝利ならば、GⅡどころか、GⅢレベルさえ微妙なレースだったと見限るべき。
ほぼ重賞未勝利という京都記念メンバーを軽視すれば、むろん常に折り合い難の悪癖を抱えるラッキーライラックの評価も上げれない。牡馬のGⅠ戦士を中心は注目していくのは当然の流れだろう。ブラストワンピース、ワグネリアン。さらなる成長を見込んで上がり馬ダノンキングリーの争いに絞る。
やはり呪縛から逃れたブラストワンピースは強かった。直線でスムーズに捌けなかったダービー、勝負どころでわざわざ大回りした菊花賞など、まともに立ち回れば少なくてもクラシックの1冠は勝てた内容だっただけに、有馬記念の完勝にも驚きはなかった。乗り替わりで別馬のように変身した前走も当然の結果として受け取っている。とにかくまともに立ち回ることだけでGⅠの勝ち負けが計算できるスケールの大きさ。まったく適性のない海外競馬に見向きもしなけば、まだまだGⅠ勝ちを増やしていく存在になる。
外厩頼りの厩舎らしく休み明け(500011)がベストローテ。3走前と前走は勝負どころで外を回らずに3角過ぎから馬群を縫って追い上げるという好走パターンが固まりつつある。いずれにしても距離短縮に何ら不安もない。以前より脚質、位置取りに融通性が出て、早仕掛けでも確かな反応を示しているのも心強い。早仕掛けだった3走前と前走でも最速上がり。好枠を引いた時点でさらなる自信度が増してくる。最近は未経験の上がり33秒台だけに極端な上がり勝負は避けたい。ある程度流れてスピード、スタミナ、瞬発力の3つを求められるような流れと馬場が理想。1分59秒台以下の決着ならば、この馬より勝る馬はいない。
デビュー当初の豪快なイメージがなくなったとはいえ、ワグネリアンの実績は侮れない。超エリート路線で常に展開ひとつのレベル。ほぼ牝馬限定戦でのし上がってきたクロノとは雲泥の差。ディープ産駒としては致命的な瞬発力不足に陥っていても、最高レベルのレースで接戦の連続がこの馬の底力を示している。自在に立ち回れる器用さだけに不気味さが漂う。
以前ほど反応が良くなく、爆発力の陰りが見え隠れしている現状は否めないが、少なくても右回りで唯一の走っている阪神(201000)に怖さ。叩き2戦目(001001)、叩き3戦目(100000)に対して休み明け(311110)。春の番組からも年齢的にもここが最後のGⅠ勝ちのチャンスの可能性。大きく崩れないための乗り方ならば中団待機が安全策だが、勝ち負けを意識するならば前々競馬で勝負すべき。
随所に掛かり癖を露呈しているクロノジェネシスが大外枠。馬群に入れてこその馬が久しぶりの外々回りを覚悟しなければならないことに嫌気。スローに控えた桜花賞、ハイペースで積極的に動いたオークス、桜花賞のデジャヴーを見ているようなスローで控えたエリ女。ごく普通に立ち回ることができない鞍上は昨年GⅠの3勝で株を上げたが、まだまだポカを覚悟の未熟さが見え隠れしていることは否めない。古馬の牡馬相手に通用するような時計が一切なく、二千もようやく2戦目というキャリアの浅さが追い打ちとなりそう。スタート直後に内へ内へ切れ込んで馬群にすんなり入るような鞍上マジックがない限り、直線半ばを待たずして脱落か。
牝馬のレベルにも騙されやすいが、中山記念のレースレベルにも騙される可能性が否めない。とにかく時計差が測りにくい。同日の3歳1勝クラス千六1分33秒8の馬場と中山記念の1分46秒台。どんなに高く見積もってもさすがにレースの上がり35秒台は平凡すぎるだろう。さらにラストのレースラップが12秒台。最速上がりが33秒台に届かなかったのもある意味驚いた。1、2、4、5着馬の上がり差がわずか0秒2差ならば、勝ち馬ダノンキングリーと2、4、5着馬の能力はそれほど変わらないことの裏付けでもあるか。2着馬は牝馬、4、5着馬はマイラーとなると実際のレースレベルは古馬3勝クラス程度のレベル。勝ち鞍のない距離と一気の強敵相手でもがく姿だけがイメージを強めていく。
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