5⇒12、17、1、2⇒12、17、1、2、7 (16点)
12、17⇒12、17、1、2⇒12、17、1、2 (12点)
過去40年で1~5着となった計200頭中、牝馬はゼロ。いくら"牝高牡低"とはいえ、このジンクスを打ち破るのは年明け初戦で桜花賞、皐月賞を勝つというジンクスよりも各段にハードルは高い。たかが2勝馬、たった350キロ、単なる軽量馬。GⅠ勝ちのない脆弱な牝馬3頭がJRAのGⅠの中で一番条件の厳しい長距離戦の好走は奇跡以上の奇跡がないと厳しいだろう。
牝馬が挑戦した頭数が絶対的に少ないとはいえ、ここは完全に牝馬を見限って組み立てたい。
それでもGⅠと思えぬ超低レベルなメンバーとなったことは間違いない。時代に逆行した長距離戦を嫌って昭和、平成初期と比べると明らかに一流馬がいなくなっている。長距離戦で輝ける馬か、入着賞金目当てという馬しか使わないのが現実。同時期に行われる外国競馬にタレントをごっそり持っていかれて古馬の牡馬混合GⅠ馬が不在ならば、実質GⅡ程度のメンバーレベルというイメージでいい。
菊花賞馬で有馬記念3、5着でもワールドプレミアが絶対的な中心馬になれないどころか、1番人気にならない可能性も出てきた。極限の瞬発力勝負に裏付けがなく、ごく普通の上がり勝負だけに良績集中。加えて直線坂コース(013011)という頼りない実績からも人気集中しない主な要因か。ある程度流れてスタミナが求められて案外だった前走からも京都から阪神へコース替わりはこの馬にとってかなりの打撃と言えそうだ。
いずれにしても前走は道中、引っ掛かっていたことを割り引いても2着カレンブーケドール程度と同じ最速上がりがすべてを物語る。ジリっぽい牝馬と同じ上がり時計だからこそ、3勝したレースのすべてが1馬身差以内の決着だったことが決定的な証だろう。絶好位で絶好の手応えだった前々走の不発こそが現状の能力基準。何のロスも不利もなく、むしろ位置取りも流れもこの馬向きだったにもかかわらず上がりNo4。菊花賞馬という威厳より、ブロンズコレクターという負のイメージがお似合いになってきた。勝っても馬券圏外でも驚かないような人気馬。
GⅡ程度のメンバーレベルならばディープボンドの圧勝があっていい。それほど前走の勝ちっぷりは強烈だった。仮想天皇賞春としては理想的なステップレース。残り6ハロンから12秒1~2を連発。一気にペースが上がって道悪とは思えないラップを刻んで圧勝した。まさに16年天皇賞馬レインボーラインの前走阪神大賞典とイメージがダブる。
16年阪神大賞典(良)
残り6F
123-120-118-119-120-125
今年の阪神大賞典(重)
121-122-121-122-123-129
馬場差云々よりもロングスパートで制したことが重要。今年は阪神開催で例年以上にスタミナが求められることも後押しするだろう。死角は父からの呪縛と鞍上の勝負弱さという2つに絞っていい。父キズナは天皇賞春を2年連続1番人気で挑戦して0秒1、0秒5差だが、いずれも馬券圏外。三千と三千二との戦績の落差は強烈に印象に残っている。
鞍上はテイエムオペラオーだけに生涯の運を使い果たしたようなイメージが強く、現実にテイエムのGⅠ制覇から17年後にようやく久しぶりに宝塚記念を制覇した程度しか、GⅠで活躍してない。
馬の能力は鞍上と反比例。前々走は直線まったく捌けなかったための惨敗で完全なる度外視。ダービー5着、菊花賞4着からさらなるレベルアップが計算できて、現時点での能力は圧勝しても驚かないレベルまで到達している可能性もある。血統、鞍上の呪縛が勝つか、馬の能力が勝つか。両極端の結果を覚悟の狙い。
牝馬が通用しないのと同じく強烈なジンクスが前走条件戦からの挑戦。絶対数が少ないとはいえ、ことごとく退けられて過去40年で1~5着の200頭中、わずか2頭だけ。3着以内はたった1頭だけとなっている。
87年2着アサヒエンペラー(前走二千1400万2着1番人気)
08年4着ホクトスルタン(前走二千五1600万1着1番人気)
桜花賞、皐月賞でも強力なジンクスが破られただけに、天皇賞春で破られるならこのジンクスか。とにかく今年は例年と条件そのものが違っていることは大きい。京都から阪神へ。距離は同じでも異質な違いとみている。
天皇賞春は上がりレースラップに11秒台が含まれることなど通例で、とりわけ2年前は11秒0も含まれた全11秒台という異次元的な上がりだった。長距離らしく十分なスタミナが求められるより強烈な瞬発力が求められるというどこか矛盾した結果が近年の傾向だった。しかし、今年は阪神替わりで長距離らしいラップが刻まれることは間違いなし。
前走のディアスティマも仮想天皇賞として理想的なラップ。高速馬場を割り引いてもハイペース。なし崩しに脚を使わせて着差以上の圧勝劇はまさにスタミナ型逃げ馬としての完成形を示したものだった。
前走は残り6ハロンから
119-119-119-120-115-126
三千の阪神大賞典と比較しても十分に太刀打ちできる計算が成り立つことがわかる。長距離の逃げ馬らしい勝ちっぷり。スタート直後に11秒1を連発してハナを切った強引さが奏功。道中は単騎だったとはいえ、十分な手応えから直線でジワジワと引き離して残り100で勝利を確信させた横綱相撲には驚きしかなかった。上がり33秒台以下の経験がない異色のディープ産駒は瞬発力よりスタミナに特化。4走前からのブリンカー効果もリンクして一気に本格化したということ。今年のような低調メンバーでは格下感どころか、主役として扱える。
ユーキャンスマイルは大一番に勝負弱さを露呈して古馬GⅠで3着以内なしが現実。天皇賞春は3年連続の挑戦で過去2年は5、4着。昨年の0秒4差から主役級の評価でも驚かないが、瞬発力に陰りが見え隠れしてジリ貧状態が見抜かれて低調な人気となったか。5走前まで良馬場では最速上がり連発していたが、4~2走前まで上がりNo7、11、5が年齢的な曲がり角というシグナル。瞬発力だけが頼りの6歳馬にとってわかりやすい衰え方だろう。これまでのGⅠ戦績と今年の低調メンバーを天秤にかけてもワイドラインが大きな壁。
アリストテレスには嫌なイメージしか残らなくなった。これぞマンマーク。一流の騎乗をみせつけた菊花賞と別馬のような醜い内容となった前走があまりにも落差がある。いくらか行きたがったことは今までもあるが、あの掛かり具合はこれまでになかったほど強烈だった。悪癖として固まりそうなレベルだっただけに取捨を悩ませる。京都(120000)と阪神(030001)のコース適性の差なのか。単なる二走ボケなのか。いずれにしても二千四以上の直線坂コースの経験が前走だけというキャリアの少なさも不安にさせる。鞍上にすべてを託す。
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