4⇒9、10、14 (18点)
4、9、10、14⇒4、9、10、14⇔15 (24点)
秋華賞に限らず、最近の主流になった"ぶっつけGⅠ"にも光と影が存在する。オークス直行組の良績も目立つが、凡走も多数。また絶対的な立場になれるローズSからのステップも陰りが見え隠れ。ローズS組が秋華賞で1~3着以内に入らなかったのは全25回の中で第1回以来となる2度目の"珍事"が昨年おきた。外厩設備の充実でステップレースの変化は加速し続けて他のGⅠ同様にこのレースも例外とはならず。これまでの常識が非常識に、非常識が常識に変わりつつある。
王道路線のローズSを軽視することはないが、古馬重賞からのステップが強い馬の主流になる可能性はある。いずれにしても近年はこれらの条件にまったく当てはまらない馬が穴馬。
15年以降のオークスから直行組
(オークス/着順/人気⇒秋華賞/着順/人気)
15年
ココロノアイ(7着4人⇒14着6人)
ディアマイダーリン(11着11人⇒13着13人)
キャットコイン(12着8人⇒16着14人)
16、17年なし
18年
アーモンドアイ(1着1人⇒1着1人)
ラッキーライラック(3着2人⇒9着2人)
19年
クロノジェネシス(3着2人⇒1着4人)
シェーングランツ(7着10人⇒11着12人)
コントラチェック(9着3人⇒15着5人)
20年
デアリングタクト(1着1人⇒1着1人)
ウインマリリン(2着7人⇒15着5人)
ミヤマザクラ(7着4人⇒14着6人)
サンクチュエール(13着5人⇒16着8人)
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15年以降のローズS組5着以内
(ローズS/着順/人気⇒秋華賞/着順/人気)
15年
タッチングスピーチ(1着7人⇒6着2人)
ミッキークイーン(2着1人⇒1着1人)
トーセンビクトリー(3着2人⇒8着4人)
レッツゴードンキ(3着4人⇒17着3人)
クイーンズリンク(5着5人⇒2着5人)
16年
クロコスミア(2着11人⇒6着10人)
カイザーバル(3着6人⇒3着8人)
デンコウアンジュ(4着8人⇒9着6人)
17年
ラビットラン(1着8人⇒4着6人)
カワキタエンカ(2着6人⇒5着8人)
リスグラシュー(3着3人⇒2着4人)
ミリッサ(4着5人⇒8着7人)
メイショウオワラ(5着12人⇒16着12人)
18年
カンタービレ(1着5人⇒3着3人)
サラキア(2着2人⇒4着4人)
ラテュロス(3着13人⇒5着13人)
ゴージャスランチ(4着8人⇒8着10人)
19年
ダノンファンタジー(1着1人⇒8着1人)
ビーチサンバ(2着6人⇒5着6人)
シゲルピンクダイヤ(4着4人⇒3着10人)
メイショウショウブ(5着8人⇒取り消し)
20年
リアアメリア(1着3人⇒13着2人)
ムジカ(2着14人⇒8着11人)
オーマイダーリン(3着11人⇒6着14人)
クラヴァシュドール(5着2人⇒17着7人)
マイラーでも好走できるオークスから秋華賞で壁に当たる馬は明白にマイラーが多数。ユーバーよりサトノに距離的に黄色信号か。
大まかな傾向してはオークスでもローズSでもどちらかのレースで人気薄の好走馬は秋華賞で厳しいということ。さらに見極めるならば、オークス直行組で秋華賞でも最近、結果を残したのはアーモンドアイ(410000)、クロノジェネシス(312000)、デアリングタクト(400000)。
ユーバーレーベン(213001)、アカイトリノムスメ(310101)を比較すると格落ちが否めない。今年のオークス直行組は小粒。前走の人気薄好走馬を除けば、オークス組とローズS組の中で弾かれないのはアンドヴァラナウト、アールドヴィーヴルだけ。
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古馬重賞をステップにした馬は前例が少なく、これは過去15回まで。
06年
14着タッチザピーク(クイーンS11着8番人気)
07年
3着ウオッカ(宝塚記念8着1番人気)
08年
3着プロヴィナージュ(シリウスS16着11番人気)
13着カレイジャスミス(関東オークス7着3番人気)
17着ユキチャン(シリウスS8着3番人気)
09年
3着ブエナビスタ(札幌記念2着1番人気)
10年
3着アプリコットフィズ(クイーンS1着2番人気)
16着ショウリュウムーン(クイーンS5着5番人気)
11年
1着アヴェンチュラ(クイーンS1着1番人気)
12年
6着アイムユアーズ(クイーンS1着1番人気)
11着ミッドサマーフェア(クイーンS3着4番人気)
13年なし
14年
16着マーブルカテドラル(クイーンS9着5番人気)
15、16年なし
17年
7着アエロリット(クイーンS1着2番人気)
18年
7着プリモシーン(関屋記念1着1番人気)
19、20年なし
ダート重賞を除くと前走1、2着か、1、2番人気だった馬は07年ウオッカ、09年ブエナビスタ、10年アプリコットフィズ、11年アヴェンチュラが秋華賞3着以内。12年アイムユアーズ、17年アエロリット、18年プリモシーンの3頭が馬券圏外となっている。
アイムユアーズは千二デビュー、アエロリットは千四デビュー、プリモシーンはデビューから前走まで一貫して千六だけだった。共通項は先を見据えてデビュー当初から中距離への経験値か。今年のソダシは千八デビューでオークス経験済み。例年どおりなら鉄板レベル。
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正直、今年の札幌記念はレベルが低い。過去10年では良馬場7回で今年の勝ち時計はNo5、レースの上がり時計はNo4だけに数字的にも標準以下と言っていいだろう。昨年のノームコアよりほとんどの数字で下回ったものの、2年前のブラストワンピースより時計も上がりも上回れば3歳牝馬としては上々だったということ。前日の3歳未勝利より5ハロン通過が遅いラップで残り4ハロンから11秒台突入。3角過ぎからのマクり合いになったことがこの馬にとって好転したことは間違いない。瞬発力勝負に課題を抱えているクロフネ産駒。とにかく桜花賞のようにハイペースか、前走のようなロングスパートか。どちらかの展開で本領。
今年のメンバーは例年以上にハイレベル。強い馬が勝ち、強い馬が好走しそうなことはトライアルの上位馬が大挙出走することからもうかがえる。古馬重賞勝ち馬はもちろん、ローズS勝ち馬と1番人気馬。さらに紫苑S1着馬の4頭は例年ならば1番人気になっても驚かない実力がある。
アンドヴァラナウトはエアグルーヴ一族らしい底力、成長力に特長。暮れから春まで休養入りが奏功して一戦ごとに想定外のパフォーマンスを示してきた。時計勝負の課題はすべてに4走前でクリア。3走前は驚きのハナを切れる先行力で、前々走は極限の時計勝負の強さを示している。前走は大事なレースでデビュー以来となる最速上がり。いくらか行きたがっていた折り合いでこの数字を叩き出せたのだから恐れ入る。課題はやはり馬体重。激走の反動だけが唯一の懸念材料で、馬体増が理想で最低でも馬体維持が絶対条件となる。
アールドヴィーヴルの前走は大へぐりだったことは間違いない。見た目以上に馬場が回復していることを見極めきれなかったこと。さらにペースを読めない鞍上が無意味な引っ張り込みで3角ギブアップの位置取りでは見せ場まで作られたことが驚き。ダート稍重、芝が良馬場だった前週の古馬1勝クラスより5ハロン通過が遅かったことが確かな裏付け。隊列から位置取りを決めたことが裏目に出たと割り切るしかないが、上がり時計に若干の異変が出てきたことも事実。コンパクトな馬体でも瞬発力だけで上り詰めた良血馬が、前3走の上がり時計はそれぞれNo6、6、2。前走は6着馬と同じ上がり時計だったことからも以前ほど凄みを感じなくなっている。とにかく大幅な馬体増が理想なほど馬体にひ弱さ。アンド同様に気配優先。
ローズS組の有力2頭が小柄ゆえの悩みを抱えるならば、ファインルージュの強みは使い減りしない逞しい馬体だろう。京都開催ならば間違いなく不動の主役。前走はまさに例年の秋華賞のようなラップで完勝した。残り5ハロンから11秒台突入してライト2ハロンまでほぼ加速ラップ。それでも3角から徐々に前へ進出して残り1ハロンで一瞬にして突き抜けた内容は厳しいラップだったことも忘れさせた迫力十分の勝ちっぷりだった。パワーを兼ね備えた差し馬で阪神はイメージどおりだが、休み明け(301000)と叩き2戦目(000001)に落差。休み明けのローテだけに良績集中の実績がどう転ぶか。
穴候補にアナザーリリック。キャリアの少なさ、外枠、GⅡ以上を勝てない鞍上など、数々の条件で盲点になりやすいが、馬の能力そのものはトップレベルでも通用可能な手応えを感じさせている。前走は一瞬にして残り1ハロン先頭、その後残り50で手前を替えてさらなる加速が凄かった。まるでターボエンジンのような二段加速で最速上がり。翌日の古馬1勝二千より5ハロン通過で1秒以上も遅かったにもかかわらず、直一気を決めたことはピークというほか言葉がない。夏場をじっくり休養に充てて体調万全で見違えるほどの成長。少なくても過去15年で1頭もいなかった古馬3勝クラス勝ちからの挑戦には不気味さしかない。数字的にも内容的にも古馬牝馬重賞で太刀打ちできるレベル。距離克服なら驚かせる結果があっていい。
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