1、6⇒5、13、15、4 (24点)
1、5⇒13、15、4 (18点) 1、13⇒15、4 (12点)
4⇒6、5、13⇒6、5、13、15 (9点)
海外と日本の天秤で年々手薄になる春の古馬GⅠ路線。象徴的だったのが大阪杯だった。無理やりGⅠに昇格させたことは言うまでもなく無意味となったGⅠレース。近年は強い馬ほど海外意識を高める傾向で大阪杯がGⅠの質に届いてないのが現実。今年も重賞を何度も挑戦して勝てなかった重賞未勝利馬がまさかの勝利。同日の古馬2勝よりわずか0秒8上回っただけの勝ち時計では、どうにも胸を張ることができない。過去より馬場差が速かったにもかかわらず、過去10年でブービーになるレースの上がり時計がすべてを物語っている。
同日の比較対象がないため、馬場差を計算するのは難しいが、天皇賞春も微妙になっている。昨年のレコード決着より1秒5遅い勝ち時計だが、レースの上がり時計は1秒5も速い数字。発表以上に馬場が良かったことがうかがえて、残り4ハロンから11秒台突入というサバイバルに持ち込めたことも逃げ馬有利に働いた。しかも3着馬はGⅠ、GⅡ未勝利。4、5着馬は重賞未勝利。以前のようなGⅠ馬同士のハイレベルなガチンコレースは今や昔話になっている。今年の天皇賞春はレベル低下でメンバー格差と着差が直結したレースだった。
基本的に良馬場の宝塚記念は前残りが大前提。最近の傾向は明白に流れが落ち着くということ。11~20年前のラップと過去10年のラップを比較すると以前のような驚くようなハイペースになることはないと確信できる。
良馬場(02,03,04,05,09,11,12,13,14,15,19,21年)
02~11年の5F600,594,585,599,602,575,606,590,600,587
12~21年の5F584,585,624,625,591,606,594,600,600,600
良馬場では5F58秒台以下が当然だったのも昔話。"スローペース依存症"を抱えている現代ジョッキーでは最近の流れの遅さは当然ということ。直近の良馬場だった19、21年で1~3着馬の4角番手がそれぞれ(1、2、8)と(4、1、2)がまさに象徴的。
差し追い込みというイメージの強かったクロノジェネシスが宝塚記念だけは好位やマクって4角絶好位で連覇したことからも、先行力または自在性のあるレースセンスが絶対条件として求められる。
タイトルホルダーの強さは現役最強なのかを判断するのは早計だろう。GⅠ馬がほぼ皆無だった前走は発表以上に馬場が良かったにもかかわらず、標準的なラップを離れた単騎逃げ。展開に恵まれたことが大きな勝因だったことは間違いない。
この馬の強さは二千四以上だけに発揮してきたことも懸念材料だ。しかも逃げた際に限られていること。3歳春から逃げればチャンスありと言い続けてきたが、ハナにこだわらない鞍上配置によって取りこぼしの連発で出世が遅れただけ。成績が安定してきたのはハナにこだわり始めていい方向に向いたと断言できる。
ここでも前走のように残り4ハロンから11秒台突入が絶対条件。脚をためていいタイプではなく、なし崩しに脚を使わせるサバイバルレース向きな逃げ馬。上がり33秒台以下の経験がわずか1回だけという典型的な逃げ馬を同型の出方次第のような乗り方では惨敗も覚悟だろう。ハナにこだわるしかない単調さだけに控えた時点で単から連軸向きへ降格。前走以上に行きたい馬が揃って自滅覚悟の逃げになる。
エフフォーリアの前走は明らかにGⅠを激走できるような馬体でなかったが、それ以上にレースの特徴を理解してなかった鞍上にも非がある。前走の過去10年の良馬場7回では4角で二桁番手の馬が勝ったことがなく、6番手以内が6回もあることを知らなかったか。4角で先頭まで8、9馬身差後方でもがいていては凡走も当然の結果ということ。
仕上げも乗り方も最悪だったと割り切ってリフレッシュ後に改めて見直せる流れだったが、まさかのブリンカー着用には驚きしかない。たかが1戦の凡走での英断。これが6、7歳なら納得できる話だが、前々走でGⅠを連勝した5歳馬がいきなり大一番での着用に陣営のあせりが見え隠れして深刻さがうかがえる。それだけエリート馬にとって初ブリンカーは難しい決断。見違えるほど良化するか、最悪のスランプに陥るかの二択になる可能性もあるほどここが現役で最大のターニングポイントになるだろう。人馬ともに神通力を失いかけている中の大英断をどう判断するか。スピードで押し切った天皇賞秋、パワーでねじ伏せた有馬記念から本来ここで圧勝すべき能力を備えていることは間違いないが、引っ掛かる馬とは最悪な相性になる鞍上がうまく捌けるとも思えない。スタート直後の折り合いがカギになる。
ディープボンドは懸念されていた鞍上不安が前走で如実に表れただけの敗因と納得するしかない。あれだけいい馬に巡り合いながら、ここ20年でGⅠがわずか1勝という鞍上の勝負弱さを露呈。前走は相手が勝ち馬しかいないにもかかわらず、3角で勝ち馬より4馬身差後ろがすべてを物語っている。何を目標に乗っているのか。客観的に見ても理解できない立ち回り。ハイペースと思い込んだのか、この馬より後ろの馬を警戒しすぎたのか。どちらにしても判断ミスから勝ち馬のマークが甘くなったことは言うまでもない。11秒台突入してから慌てて追って最後脚を失くすという無様な競馬。乗り替わりの英断ができないならば、ここでも人気倒れになる確率は高いまま。徹底先行するような鞍上配置までGⅠでは怖さがないだろう。あくまでワイドライン。
ポタジェの前走はまさに棚からぼた餅。同日の古馬2勝よりわずか0秒8上回っただけの勝ち時計で重賞を負け続けてきた重賞未勝利がGⅠを制することができた。古馬2勝の5ハロンより1秒7速いが、レースの上がりが1秒も遅いことにレベルの低さが示されている。単純計算で古馬2勝のラップがもう少し速ければさらに時計が短縮できただけに大阪杯は実質、古馬3勝以下の数字という評価で落ち着いた。
ビックネームが海外流失で大阪杯は"谷間のGⅠ"。大阪杯の勝ち馬が宝塚記念であっさり負けている最近の傾向からGⅠ馬として評価するのも違和感がある。上がり33秒台以下の経験がわずか1回だけという非エリートのディープ産駒。ここでもひたすら混戦を待つだけ。
大阪杯は過去10年の良馬場限定でブービーとなるレースの上がり。勝ち時計が過去10年でNo2ならば納得の数字と捉えられるが、それでも同日古馬2勝より0秒8しか上回らなかったレースには強調点がない。大阪杯組の中では勢いづいているアリーヴォでも越えなければならないハードルが高すぎる。4歳馬らしい成長力や勢いだけで太刀打ちできないのがグランプリレース。時計と瞬発力を同時に求められるレースはまったくの未知数で何の裏付けもない発展途上の馬。キャリアと重賞経験の少なさがネックだった4歳馬が理想的な成長曲線を描いているとはいえ、通算5勝はすべて小倉。直線坂コースで連対なし、二千二以上で連対なし、57キロ以上で連対なし。常識的には入着目標レベル。
ハナにこだわり始めたオーソリティには大駆けも惨敗もイメージできる。上がり33秒台以下が2回だけ、最速上がりはわずか1回だけなど、瞬発力に課題を残していたが、それでも差し馬として完成を目指したことが出世を遅らせた一因だった。3歳秋でGⅡを完勝しながらGⅠでは惨敗続き。超スローで集団先頭という恵まれた展開の利でも鋭さ負けとなった3走前は上がり差の出にくい流れにもかかわらず、勝ち馬より0秒7も遅い上がり時計。どう転んでも追い比べで逆転不可能な致命的な数字で鞍上が瞬発力不足を確信したか。それがある意味、いい転機。一転して強気の先行策となった前2走で結果を残した。とりわけ前走の0秒1差が自信となって勝ち負けを意識するならば迷いなくハナを切る選択。幸運な枠順、休み明け(401011)というベストの条件を活かしたい。
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