3、11、13
3、11、13⇒3、11、13⇒
10、7、8、1、6、5、14 (42点)
3⇒10、7、8、1、6、5、14、16⇒13 (8点)
3-11、13-
11、13、10、7、8、1、6、5、14、16 (17点)
3、11、13
絶対王者の取り消しによって一気に混戦、乱戦ムードへ。ドウデュースの脚質的に1頭いなくなっても本来は大きく変わることはないが、本命不在でほぼすべての馬に回ってきたチャンス。各馬のジョッキーに過度な期待と気負いを背負うことは間違いない。目の前にニンジン(高額賞金)がちらつけばそれだけ大事に大事に立ち回る=超スローは確定的か。
1着賞金5億。2、3着でもそれぞれ2億、1.3億。各馬に上位可能の意識が高まれば、再び14年の悪夢が再現となる。この年は同日1000万(古馬2勝)より有馬記念の勝ち時計が劣るという結末。ペースの遅すぎが最大の要因だが、それにしても1000万級程度に1秒5も勝ち時計が劣ることはあってはならないことだった。
その年の1~3着が5歳牝馬ジェンティルドンナ(宝塚記念9着⇒天皇賞秋2着⇒ジャパンC4着)、3歳牡馬トゥザワールド(ダービー5着⇒セントライト記念2着⇒菊花賞16着)、5歳牡馬ゴールドシップ(宝塚記念1着⇒札幌記念2着⇒凱旋門賞14着)。
レース前の時点で3頭はいずれもベスト上がり時計は33秒台だった。
今年のメンバー構成はまさに逃げ馬不在、さらにドウデュースの取り消しによって主役不在。ほとんどの馬に1億円以上の賞金獲得のチャンスが回ってくれば、立ち回りで"無謀な攻め"はなくなるのが常識的。早仕掛けは非難されても、JRA特有の遅仕掛けはなぜか非難されないことを加味すればスローは避けられない。"超"がつくかどうかの二択でいいだろう。
14年3着以内の3頭はいずれも先行~自在か、マクる飛び道具があった脚質。今年のメンバーに当てはめるとまさにアーバンシックはイメージどおり。トゥザワールドとまったく同じローテでマクった際の破壊力はゴールドシップ級。最速上がり3回、上がり33秒台以下4回。馬場差はあるとはいえ、ダービー、セントライト記念、菊花賞までの前3走すべてがトゥザを上回る時計だったことも自信につながっていく。
とにかく単独でみてもアーバンの成長力は目を見張る。京成杯やダービーの取りこぼしはペース音痴のマーク屋という鞍上の性格、性質が裏目に出ただけ。京成杯は5着以内に4角5番手以内が集中した前残りの中で唯一、4角二桁番手だったのがこの馬。皐月賞とダービーは引っ掛かった自滅で、しかも折り合い難を恐れてさらに引っ張り込むという悪循環。自ら窮地に追い込んで展開負けとなってビッグタイトルが遠のいた。
前々走は若干行きたがったが、前走のスムーズな折り合いこそが鞍上の技量の差そのもの。超一流騎手との比較すると大人と子供の差ぐらいの大差を感じさせたな内容でもあっただろう。前々走は好時計で最速上がり、4着と0秒7差が世代レベルでの絶対的な差。最近の菊花賞は上がりレースラップだけが極端に速かったが、今年は残り4ハロンから11秒台突入。例年以上、数字以上にレースレベルが高いといえる。中山コースの適性の高さを示して瞬発力だけでなく、スタミナを十分に求められた菊花賞で胸を張れる結果を残して鞍上続投ならば鬼に金棒状態。
11~20年前の3着以内3歳馬は1着3回、2着3回、3着1回。
1~10年前の3着以内3歳馬は1着4回、2着3回、3着2回。
昨年の3歳馬は世代レベルが低すぎて途切れたが、今年は古馬のレベルが下がってなおかつ海外志向が強まってまさに3歳馬にとってチャンスが回ってきた年だろう。少なくてもジャパンCでドウデュースに子供扱いされた馬よりは頼りになる。
今や有馬記念は"牝馬狙い"が定説。牝馬の3着以内は2、30年前とここ10年では飛躍的に牝馬の好走が目立っている。
21~30年前
94年3着ヒシアマゾン
97年3着エアグルーヴ
01年3着トゥザヴィクトリー
11~20年前
07年2着ダイワスカーレット
08年1着ダイワスカーレット
09年2着ブエナビスタ
10年2着ブエナビスタ
1~10年前
14年1着ジェンティルドンナ(年内5戦)
17年2着クイーンズリング(年内4戦)
19年1着リスグラシュー(年内4戦)
20年1着クロノジェネシス(年内4戦)2着サラキア(年内6戦)
21年3着クロノジェネシス(年内3戦)
22年3着ジェラルディーナ(年内6戦)
23年2着スターズオンアース(年内2戦)
牡馬と比べて段違いに低い出走数からすれば、牝馬の躍進の凄さは数字が物語る。とりわけ近年は毎年のように勝ち負けレベル。17年以降はすべての馬が最速上がり4回以上の経験があった。今年の牝馬3頭すべてが最速上がり4回以上の経験ありも心強い数字となった。
中でもスタニングローズは前走で覚醒したムードがある。秋華賞勝ち直後から極度のスランプ入り。GⅠ1勝、オークス2着を含めた重賞3勝馬が、6戦して掲示板確保がわずか1戦だけに深刻ぶりがうかがえた。前走はこの馬自身2回目の外国人騎手配置でようやく軌道修正できたが、むしろなぜ微妙な鞍上にこだわり続けたのが理解できなかった。
いずれにしても前々走まで3戦連続で上がりランキング二桁。最速上がり4回も経験ある瞬発力型が前10戦から前々走まですべて上がりNo5以下だったが、前走の上がりNo3。最速上がりよりわずか0秒1差の上がり時計でスランプ脱出のシグナルと捉えていい。さらに前走が自身の最高体重での変わり身にさらなる期待を膨らませる。休み明け(310023)から叩き2戦目(201001)で減点なし。中山(200010)で最大の懸念点は3走前が千六ということだけ。過去10年の3着以内の馬で該当するのは同じ牝馬で17年2着クイーンズリング。
クイーンズリング
3走前
ヴィクトリアM(6着、着差0秒4差、上がり34秒1、上がりランキングNo10)
前々走
府中牝馬S(4着、着差0秒3差、上がり33秒3、上がりランキングNo4)
前走
エリ女(7着、着差0秒3差、上がり33秒9、上がりランキングNo4)
スタニングローズ
3走前
ヴィクトリアM(9着、着差0秒8差、上がり35秒5、上がりランキングNo11)
前々走
クイーンS(6着、着差0秒2差、上がり35秒3、上がりランキングNo11)
前走
エリ女(1着、着差0秒4差、上がり34秒0、上がりランキングNo3)
走るごとに着差を詰めて、なおかつ上がり時計ランキングが下降なしに共通点。年明け5戦だけのフレッシュさで走るムードがますます漂っている。
スターズオンアースはすでにV字回復が計算も期待もできないほど低空飛行が続いている。キャリアは少なめの14戦にしては老け込んだ印象が強まっている。休養の連続で順調に使えない弱みがスランプの要因なのか、前走の上がりNo11が引退決意の落ちぶれ方だろう。これまで最速上がり4回の誇らしい記録がすべて吹き飛ぶような屈辱的な前走の上がり二桁ランキング。鞍上の相性の悪さが出た可能性はあるとしても、大阪杯で最速上がりを叩き出した頃と比較すれば一目瞭然の陰り。初の500キロ台となった前走でももうひと回りの馬体成長が欲しかったことから、6歳寸前の牝馬に高望みはできなくなったのが本音。
ダノンデサイルは前走同様に評価を上げられない。昨年同様の超高速馬場だったことを考慮すれば、今年のダービーの勝ち時計はあまりにも平凡すぎる。馬場考慮で2分23秒台が標準的な勝ち時計だったが1秒以上も遅い数字。内々で直線までじっくり構えていたら前が自然と開けてまったくロスなく立ち回れたことが最大の勝因。展開の利とレースレベルの低さがリンクしたことは間違いない。初の上がり33秒台以下で走れたもの、メンバー中8頭が33秒台。上がりNo4ならば驚きもせず、褒めることもできずが本音だった。これまでダービーの上がりNo4以外はすべて上がりNo1、2で数字的には切れ味タイプだが、見た目の印象に切れ者というイメージがなく、あくまでパワー先行型で時計か、瞬発力かのどちらを求められても厳しさが見え隠れ。前走は数字以上の太目で完全なる仕上げの失敗だったことを割り引いても、年明けたった3戦の3歳馬がひと叩きだけで通用するとは到底思えない。ここもラチ沿いの立ち回りでひたすら展開の利を待ち続ける。
ベラジオオペラがグランプリレースで人気上位になること自体が驚き。そもそもビッグネームが海外流出中に成し得たGⅠ制覇。2着ローシャムパークは次走の宝塚記念5着で一応の評価だが、3~5着馬の次走はすべて掲示板外にメンバーレベルの低さが決定づけられている。二千二以上の未勝利がカナロア産駒の典型的な特徴。瞬発力勝負に弱さを露呈した前走の上がりNo11が本来の姿。
レガレイラの歯車はどこから狂ったかを考えれば取捨が手っ取り早く決まる。レースレコードとはいえ、でたらめなラップだったからこそ直線一気を決められたホープフルSで陣営は目を覚ますべきだった。結局、勝ちパターンを固める前に未熟な鞍上となった皐月賞で完全なる癖馬の誕生。スタートミスによって客観的にみても鞍上がパニックになる姿がわかるほど無様なレース内容だったことは言うまでもない。3角からマクろうとするも馬群によって阻まれて軽ブレーキ。4角前から同じように仕掛けようとするも再び行き場なしでしっかりしたブレーキをかけたことが致命傷になった。そこから慌ててムチ連打。直線前半は外ラチに近くなるほど大きくコース変更というルーキーレベルの立ち回りで改めて鞍上の衰えを世間に知らしめた内容となっている。皐月賞完敗でも引くに引けなくなった牡馬路線。ダービーは主戦に乗り替わっても馬の性格はそのままでペースは未勝利並み。結局、皐月賞と同じような位置取りの悪さで不完全燃焼に終わった。秋に牝馬路線に戻しても結果が出なかったのは直線でタイトな馬群を割ることの経験不足が重なった結果。前々走まですべて最速上がりだった超瞬発力型が、前走の常識的な立ち回りとなると上がりNo5に落ち込んだことで牝馬限定でも古馬との格差が表れてしまっている。上がり時計が6、7着馬より劣ったことで一気に評価の急降下。母はデビュー2戦目でジュベナイルF1人気ながらその後も人気になりながら重賞を勝てなかったという遺伝をそのまま受け継がれたと納得するしかないか。そろそろ"単"というイメージを断ち切る時期がきた。
過去10年の3着以内で二千二以上が未経験の馬の好走はなかった。二千二までの経験馬(20年3着サラキア、22年1着ジェンティルドンナでいずれも牝馬)でも稀なこと。さらにトリッキーな中山も未経験なプログノーシスがいきなり二千五の有馬記念で好走する姿は計算もイメージもできないのが現実だ。もとよりGⅠで結果を残してないにもかかわらず海外進出。JRAで勝てないと判断したからこそ、意識的に出て行ったのだろう。重賞勝ちは金鯱賞2勝と札幌記念だけ。JRAのGⅠはわずか1回だけの経験で未連対となっている。決まって置かれるズブさが中山で一変する可能性は極めて低く、ほぼ不発なしの瞬発力でも未知なる距離延長で不発に終わることが考えられる。とにかくほとんどの条件で初物づくし。もっと早くからJRAのGⅠを経験させるべきだった。そもそも過去10年の3着以内に6歳以上の馬は18年3着のシュヴァルグランだけ。過去20~11年は04年2着タップダンスシチー。07年3着ダイワメジャー。08年2、3着アドマイヤモナーク、エアシェイディ。09年3着エアシェイディ。10年前からピタりと止まって確実に時代が変わったことがわかる。6歳ディープ産駒がようやく初の有馬記念は遅すぎで、これまでのマネジメントを悔やむしかない。
天皇賞秋⇒ジャパンCからの有馬記念挑戦の王道路線となるジャスティンパレスは虎視眈々と狙っている。まさに人気になりすぎず、盲点になりやすい実力馬。ドウデュース不在の中でメンバー唯一、前2走で連続上がり33秒台以下を叩き出している。しかもGⅠでそれぞれの上がりランキングはNo2、3。前々走は直線でスムーズに捌ければ余裕の3着浮上。前走はテン乗りに戸惑ったのか、この馬にしては珍しく引っ掛かってリズムの悪さがあった。前2走ともに何らかの不具合があってレベルの高い数字を残してきた。前々走は持ち時計と自身の上がり時計を同時更新で体調に狂いなし。異次元レベルの時計で走りすぎの天皇賞秋から参戦した昨年とは雲泥の差の期待感がある。二千五持ち時計No4、二千五限定のベスト上がり時計比較No3。GⅠ中のGⅠ未勝利の鞍上が前々走を教訓にスムーズな立ち回りができるかどうかがすべてのカギを握る。
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