7、9⇒7、9、3⇒7、9、3、6、2 (12点)
スピード、スタミナ、瞬発力の総合力を求められる極限のレースでいまだに通用すると思ってないが、スローの競馬はとにかく強い。キタサンブラックは同型どころか、先行馬不在のレースでまたも展開に恵まれる。前残り競馬の最高峰レースがここ最近の有馬記念だろう。同日の1000万より同等か、ペースが落ち着くのは稀なことではなく、昨年も5ハロン通過でわずか0秒3速いだけ。前残り競馬の強さがそのまま上位になったことは先週の日経賞で如実に示された。有馬記念1、2、4着馬でワンツースリー。有馬大敗のアルバートを含めば、1~4着まで有馬記念出走組で独占している。58キロ、久しぶりの中距離など数々の減点材料より、恵まれすぎた展開の利を重視。
前走はワールドクラスのドゥラメンテ、リアルスティール相手に脚を余した2着。両馬に0秒5も上回った上がり時計で少なくても日本GⅠ級の鋭さを証明した。4角ギブアップの位置取りや手応えになると即レースを捨てる鞍上でなければ、アンビシャスは自信の本命だったということ。それでも完全に引っ掛かって自滅気味だった前々走を除くと、ここ5戦で4度の最速上がりの瞬発力はますます磨きがかかっている。必要以上に控えて自ら展開負けに陥る乗り方を覚悟でも主役級の評価をしなければならない。
わずかな歯車の違いでヌーヴォレコルトは負け癖がついた。最大の原因はヴィクトリアMを使ったからだろう。それまで中距離型として完成されていた馬を突然の距離短縮。確かにデビュー5戦連続で千六を使ったとしても、すでに中距離なら牝馬トップレベルまで上り詰めていただけにリズムが狂ったことも納得できる。ロゴタイプ相手に貫禄の差し切り勝ちとなった中山記念から約1年。歯がゆい競馬が続いていたが、前走の海外遠征はいい意味で刺激を受けたはず。超縦長の隊列を離れた後方待機で4角ギブアップの位置取りだったにもかかわらず、ラチ沿いを鬼脚で0秒1差なら吹っ切れたとみていい。千八~二千ベスト、休み明け(220001)、ショウナンパンドラより2キロ減の斤量など数々の好条件が揃えば、あっさり勝っても驚かない
2分24秒台の決着では上がり34秒台が及第点のジャパンCで上がり35秒3。レースレベルの低さに恵まれたショウナンパンドラは牡馬混合ではGⅡに届くか、届かないかまでのレベルの評価に変わりない。同日500万より5ハロン通過が0秒1差だけ速く、0秒4だけ上回った勝ち時計の宝塚記念で3着に凄みも威厳も感じないのは当然ということ。56キロで2戦0勝が決定的。
タッチングスピードは先を見据えるより、ここで全力のタイプだ。京都(012001)よりも良績を残す阪神(200002)。何より距離ベストをにおわせる持ち時計ベストが強調材料。ミッキークイーンを封じ込めた1分45秒2はフロックで出せない好時計だった。4走前のフレッシュな記録を兼ね備える4歳馬の反撃はここから。
宝塚記念、天皇賞秋はいずれも記録的な超スロー。一瞬の脚でも勝ち切れたラブリーデイは少しでもスピード、スタミナが求められると厳しくなるモロさが同居している。前走は見え見えの超スローで理解に苦しむ消極策。鞍上のへぐりがひとつの敗因としても、直線坂コースに課題を残す瞬発力だった。二千限定の上がり時計はメンバーNo5で、58キロを背負ってさらに鈍る可能性が強まっている。阪神(300012)ほど強気になれない。 |