3⇒4、15、7、6、10、9⇒
4、15、7、6、10、9、11 (36点)
4、15、7、6、10⇒3⇔4、15、7、6、10、9 (50点)
4、15、7⇒4、15、7、6、10⇒4、15、7、6、10 (36点)
いまさらコントレイルの能力云々を語る必要はない。春のクラシック二冠の1、2着馬とそれ以外のレベル差は月とスッポン並みの違い。この2頭以外の世代レベルは現時点で牝馬を含めても相当低いとみている。
すべてはコントレイル自身の闘い。距離は能力だけでこなせる可能性は高くても、時計と瞬発力を求められると未知なる世界へ突入する。まったく問題なければ再び馬なり圧勝もあり、また特異な条件に少しでも戸惑いを見せれば崩れるイメージもわずかながらある。
誰もが疑いのない能力の高さで三冠リーチ。トライアルをほぼ馬なりで圧勝。2週前にダービーで子供扱いしたサリオスが毎日王冠を楽勝。1週前には無敗で牝馬三冠馬の誕生など、日を追うごとに勝てるイメージを膨らませていくのが逆に怖い。
92年のミホノブルボンと同じような雰囲気だからこそ、あえて死角を探りたい。
当時、圧勝に終わった皐月賞だったが、ダービーでささやかれていたのは距離の壁。結局、今では考えられないような坂路調教を積んでダービーは影を踏ませぬ圧勝で二冠達成。さらに秋初戦の京都新聞杯を無事通過したことで、三千微妙という疑いはレース前でほぼ消えた。1本被りの単勝150円がその証だろう。
確かにレースでは下手に乗ったことが災いしたが、それでも勝てる相手に取りこぼした事実に変わりなく、ここが三冠の難しさとも言える。
過去二冠馬が三冠への挑戦権がありながら菊花賞に出走できなかったのが8頭。さらに無事出走して叶わなかったのは03年ネオユニヴァース、06年メイショウサムソンが三冠の夢を絶たれた。過去30年でダービーと菊花賞を連覇したのは三冠馬だけという事実からも、いかに難しい偉業なのかが伝わるはず。
以前は鬼門だったディープ産駒の長距離戦。過去2年でフィエールマン、ワールドプレミアの勝利で完全に過去の話になりつつあることもコントレイルの人気に拍車をかけている。
過去10年のディープ産駒で馬券絡みは8頭。
11年
3着トーセンラー(436キロ)
13年
2着サトノノブレス(495キロ)
15年
2着リアルスティール(500キロ)
16年
1着サトノダイヤモンド(498キロ)
17年
3着ポポカテペトル(478キロ)
18年
1着フィエールマン(480キロ)
19年
1着ワールドプレミア(484キロ)
2着サトノルークス(470キロ)
ディープ産駒の共通点として中~大型馬。例外はトーセンラーだが、皐月賞より6キロ増、ダービーより4キロ増。結局、GⅠ制覇はマイルCSだけというスピード型でスタミナロスのない高速馬場だったことで最小限のスタミナロスだったことが奏功したか。この馬だけ特異なタイプとして割り切れば、やはりコントレイルのガサのなさは気になるところ。
さらにコントレイル自身の血統にも死角はある。母は芝千二デビュー3着後、その後はすべてダート。千二、千四、千二、千四、千二、千二を使って結局未勝利で引退した。父ゴールドアリュールの半兄バーンフライは芝経験なしでダート千四以下に良績。父ダイワメジャーの半兄アナスタシオは芝千四デビューでも結局ダート千四に固執したローテになってJRA1勝で地方行き。コントレイルが突然変異としても、血統から三千がプラスになることのない血筋ということだけは断言できる。
これだけ死角を示してもディープ産駒はいい意味で裏切り続けることに特長。今までの圧倒的な強さを示してきた二冠馬は、時計勝負も瞬発力勝負もパワー系馬場も苦にせず、ごく普通の立ち回りでこれまで以上の独走になっても驚かないことだけを付け加えておく。
コントレイル以外の人気馬はどうにも解せない。相手筆頭にブラックホールを候補に挙げたい。5回のミスより1回の成功で決断が遅れたのか。まるでルーキーのような騎乗ぶりでも同じ鞍上に固執したのは謎。言われたとおりか、工夫する余裕もなかったのか。前4走すべてが折り合いだけに専念した直線だけの競馬で終わっている。4角で大外へブン回した弥生賞と皐月賞は論外の乗り方で数字以上の記憶を残した事実。弥生賞はゴール直後に3着に浮上するような脚余し。向正面で完全ギブアップの位置取りから4角で一番大外を回って上がりNo3となった皐月賞など、着順や着差以上に中身が濃かったことで盲点になった。さらにダービーでは3角過ぎにペースダウンした際に折り合いを欠いて、大外へ出すために直線入口から残り350までも時間のかかったコース変更など、度重なる未熟さを露呈して残り150からの脚色は2着馬以上だったことにポテンシャルの高さを感じさせる。前走も3着ラッキーライラックと同じ上がり時計でラッキーに0秒6差。ほぼ成長分としても20キロ増の休み明けだったことを考慮すれば、折り合いひとつ、乗り方ひとつで大化けしても驚かない。
上がり34秒前後を求められると無抵抗に終わることがあっても、今の馬場ならダノングロワールのパワーが活きてくる。"走る走る詐欺"とまで言われてきたソーメニーウェイズの仔。この馬はセレクトセール2億円、全兄サトノエターナルは1億1500万円で未勝利引退、全妹ジェニーアムレットは9400万円。GⅠどころか、重賞も未勝利でこの馬がようやく初の特別勝ちならば、揶揄されても仕方なかっただろう。
重厚な血統の晩成タイプ。3歳秋に速い決着の求められない菊花賞は願ってもない条件ということ。前2走は4着馬にそれぞれ0秒8、1秒5差でいずれも最速上がり。完全なる本格化のシグナルの出たハーツ産駒をこれ以上ないタイミングで出走するツキの良さも強調できる。前々走は残り5ハロンで11秒台突入、前走は残り6ハロンから残り2ハロンまで12秒台半ばを減速なしのラップ。イメージどおりの"仮想菊花賞"を経験した逃げ差し自在型の底力を信じる。
ヴェルトライゼンデは人が替わって馬がマイナスに変わった。デビュー3戦までごく普通の好位差しで3戦連続の最速上がりだったが、乗り替わった4走前で質もイメージも一変した。出遅れてある程度の脚を使って上がりNo3が鞍上にとって気にくわなかったのだろう。3走前からは鞍上の十八番となるどんな馬にも当てはめる徹底待機に脚質を変えてしまった。ダービーは超スローで当然の積極策としても、前走は脚を測るのに絶好のレースにもかかわらず、まさかの必要以上の待機策。本番へ向けて何の収穫も経験値もなく、単に終いの脚を伸ばした内容では新鮮味に乏しい。打倒コントレイルのために、マンマークやマクり競馬など色々試せたが、本番でイレギュラーな乗り方をするほど勇気も度胸もない鞍上配置のままならば、同じ乗り方が濃厚だ。前走同様にひたすら漁夫の利を待つしかない。
血統は短距離、見た目はダート馬と言われても違和感のないゴツさ。ガロアクリークが三千をクリアする姿はヴェルトライ以上にまったくイメージできない。もとよりダービーではっきり距離の壁を感じさせている。3角過ぎに窮屈になって急ブレーキをかけてリズムを崩したことは間違いないが、超スローの上がり勝負で上がりNo5はいかにも物足りない。スプリングSでダービー2着馬を軽く上回った最速上がりで直線一気差し。皐月賞では上位2頭が別格とすれば、上がりNo3は十分に胸を張れる。瞬発力には絶対的な自信のあった瞬発力型がダービーで1、2、4、6、7、10、15着馬より劣った上がり時計がスタミナ切れを物語っている。さらに前走で逃げ馬と同じ上がり時計が決定的な証。春の時点で距離は二千まで。ひと夏を越して血統が色濃く出れば、限界の距離はもっと短くなりそう。
サトノフラッグは上がり34秒半ばが限界。ディープ産駒としてあり得ない特徴だが、パンパンの瞬発力勝負に弱い反面、パワー系馬場では自信を深めている。馬体の緩かったデビュー戦こそ取りこぼしたが、稍重(000010)、重(100001)は額面どおりに受け取れる確かな道悪巧者。パワーを求められた弥生賞とセントライト記念で最速上がりが象徴的なレースで、ひたすら時計のかかることを待つしかない。道悪続きで良馬場になっても時計のかかる馬場。各馬が外々を意識する中で、ラチ沿いを選択する博打的な乗り方が理想でひと泡吹かすか。
前走で期待したサトノインプレッサが予想外の凡走。ゲート難はますます深刻となって、後方待機ながらまったく反応しなかったことで最悪な休養だった可能性が出てきた。一気の距離延長と短縮を繰り返した末路。いずれにしても短い期間での変わり身は望めない。
自ら厳しい流れを打破するような決め手はなく、常に相手なりに捌いて賞金を稼いできたディープボンドは前走でも成長がうかがえなかった。1番人気をマンマークしていたら相手が勝手にバテて偶然勝てた程度の平凡な内容だった京都新聞杯に強調点なし。母は芝千六以下に良績集中。距離の壁も近い。
アリストテレスは評価が揺れる。前走は当週にレコードが出た超高速馬場。2分11秒台はある程度、妥協できるがラストのレースラップが12秒台は納得しづらい。道中、行きたがって仕方のないマクり競馬になったことも減点材料だろう。すべては鞍上頼り。この馬が逃げ馬を突けば波乱、控えれば流れが落ち着いて順当な結果が待っている。
基本的に今年のセントライト記念は歴史に残るレースレベルの低さだったと頭に入れとくべき。過去10年で2分14秒台が皆無の中で初の15秒台。上がり時計が特筆となれば別の話になるが、ラスト2ハロンが連続12秒台ではどうにもいいわけができない。典型的な逃げ気性のバビットは大逃げで他馬を惑わすような隊列なら面白い存在になるが、ごく標準的なラップを刻めば怖さはない。
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