1⇔5、10、13、16⇒5、10、13、16 (24点)
1⇔5、10、13⇔2 (9点) 1⇔5、10、13⇒4 (6点)
1⇔5、10、13
過去10年で6枠より外枠の馬が3着以内になったのは13、14、15、16、18、20年。14年以外の5回にはラスト5ハロン、または4ハロンから11秒台突入というロングスパートになる特徴があった。
ラスト5ハロンのレースラップ
20年118-123-121-119-126
18年稍重116-118-118-122-129
16年118-117-121-117-121
15年120-119-115-113-122
14年123-124-115-112-119
13年118-123-126-118-123
今年はまさにロングスパートのみに好走パターンを固めてきたタイトルホルダーの存在で外枠の馬に何の減点もなくなったことを頭に入れとくべきだろう。
だからと言ってタイトルホルダーが優位というわけでない。むしろ苦戦覚悟の単調さ。逃げ馬と有馬記念が結びつかないのは今や常識となりつつある。過去40年で逃げ馬が3着以内になったレースの少なさがすべてを物語っている。
逃げ馬が3着以内だったのは
84年2着カツラギエース(3人気)
92年1着メジロパーマー(15人気)
95年1着マヤノトップガン(6人気)
01年3着トゥザヴィクトリー(6人気)
02年2着タップダンスシチー(13人気)
04年2着タップダンスシチー(4人気)
08年1着ダイワスカーレット(1人気)
15年3着キタサンブラック(4人気)
17年1着キタサンブラック(1人気)
人気薄で展開の利も後押ししたメジロ、02年タップ。予想外の逃げ選択で盲点となったマヤノ、トゥザ、ダイワ。逃げることがわかっていて振り切ったキタサンだけが本物の強い逃げ馬だったということ。
いずれにしてもこの10年で逃げ馬にとって逆風が吹いている。40~11年前まで7回逃げ馬が馬券圏内となったが、この10年はわずか1頭だけ。ますます強烈になるスローペース依存症で各馬が早めスパートになる傾向が大きな一因か。タイトルは過去2年の有馬記念5、9着。中山(420112)ならば考えられない低調さだが、中山4勝中2勝が良馬場以外。他2勝も新馬と平凡な勝ち時計の弥生賞で、とにかく時計のかかる決着が絶対条件となっていることが透けて見えてくる。
意外性はすでに薄れて全馬にこの馬を意識される実績と立場。時計も上がりもかかった昨年の惨敗ですでに有馬記念との相性の悪さが決定的となったことも追い打ちになっている。
そもそも過去10年で唯一逃げ馬で結果を残したキタサンブラックとは似て非なり。実績こそがっぷり四つも個々の数字には明らかな格差がある。同じ5歳時17年のキタサンと比較すれば一目瞭然。
キタサン{最速上がり経験2回(前々走で最速上がり)、上がり33秒台以下2回、二千五(011000)、二千四(201001)、17年戦績大阪杯1着⇒天皇賞春1着⇒宝塚記念9着⇒天皇賞秋1着⇒ジャパンC3着}
タイトル{最速上がり経験2回(4走前に最速上がり)、上がり33秒台以下1回、二千五(200011)、二千四(000012)、23年戦績日経賞1着⇒天皇賞春中止⇒オールカマー2着⇒ジャパンC5着}
今年はわずか1勝2着1回だけ。しかもGⅠ馬と思えぬ裏街道。二千五の2勝は稍重か、不良。二千五の良と二千四が未勝利となっている5歳馬はある程度の人気になること自体が驚き。惨敗当然の数字が並ぶ逃げ馬はあくまで大波乱となった際。
ジャパンC3着だけで人気を押し上げたのがスターズオンアースだろう。本質はまだ見極めきれてない5歳牝馬ということは前々走でマイルを選択したことからもうかがえる。仮にジャパンCで勝ち負けを早々に意識すれば、間違いなく千六を回避していたはず。過去10年の3着以内の馬に前2走以内で千六を使った馬はゼロが現実だ。
過去40年に広げても稀な例だが、前2走以内で千六を使っていたのは存在する。
88年3人3着サッカーボーイ(前走)
91年14人1着ダイユウサク(前走、前々走)
92年2人3着ナイスネイチャ(前走)
06年3人3着ダイワメジャー(前走)
07年6人3着ダイワメジャー(前走)
10年14人3着トゥザグローリー(前々走)
ここ10年ちょいでぱったりと途絶えたのはひと昔前のような天皇賞秋⇒ジャパンC⇒有馬記念という黄金ローテの図式は完全に崩れたから。各レースが異常なほどの賞金アップでまさに一撃必殺、一戦入魂。マイラー寄りのタイプは天皇賞秋、瞬発力勝負型でワールドクラスのタイプはジャパンC、その他が有馬記念をロックオンして目指せば、条件に当てはまらない馬が苦戦続きも当然の流れということ。
今やジャパンCを制覇した馬を筆頭にジャパンCを使った馬でさえ、有馬記念を使うことが珍しくなってきている中、スターズのジンクス的な弱点を挙げればさらに出てくる。
1・絶対的な不利の大外枠。近年は5ハロン通過が同日、同週の古馬2、3勝より遅いペースになる年もあるほど後半勝負に偏っている。そのため内々で脚をためる馬が絶対的に有利。15、16番枠が3着以内だったのは過去40年でたった3頭。83年1着15番枠リードホーユー、89年1着15番枠イナリワン、18年3着15番枠シュヴァルグラン。
2・ひと昔前のジンクスを持ち寄れば、"ジャパンC激走馬は有馬記念で凡走"。有馬記念1~3着で前走ジャパンCからのローテがゼロとなったのは40~31年前1回、30~21年前は2回、20~11年前は1回。2年連続もなかったにもかかわらず、過去10年では最近4年連続。異常事態として捉えていいだろう。
過去40年でも稀な枠順不利と完全に廃れた以前の黄金ローテを覆すのが、牡馬相手には重賞未勝利どころか、連対なしの5歳牝馬に打ち破れる計算もイメージも浮かばないのは仕方ないところか。狙うにして2、3着固定が正解。
スルーセブンシーズは改めて指摘するまでもない。ベストの上がり時計は馬券圏内のボーダーラインを超えた33秒7。上がり33秒台以下がわずか1回だけしか経験のない差し馬が大外枠という最強レベルの高いハードルを同じ乗り方では机上の計算で不可能に近い。そもそも重賞はGⅢ1勝のみという明らかな格下馬。二千四までの距離経験で二千四(000101)という距離適性も微妙な5歳牝馬は二けた人気になって初めて妙味が出る。
タスティエーラはやはり自慢できるような瞬発力型でなかった。最速上がり経験ゼロ。これまで上がり時計ランキングNo2、3、4、5、9、2。じっくり構えた前走こそNo2となったが、この馬のごく普通のスタイルの立ち回りではレースレベルが上がるほど鋭さ負けという結果に出ている。中山向きの立ち回りのうまさだけが頼り。
同じ鞍上にこだわったための悲劇。ソールオリエンスはもっと早く英断を下すべきだっただろう。じっくり構えすぎたダービーが悔やみきれない金星逃し。前2走の4角大外ブン回しなどを含めて鞍上がうまく乗れてないことは明らかだった。好位差し可能だった自在性を封印して徹底待機に構えたのは問題だったのが馬なのか、人なのか。鞍上のスタイルにねじ込まれただけならば、ここでイメージ以上の変わり身があっても驚かない。前3走以内でベストの上がり時計ランキングはNo2。クラシック三冠1、2、3着馬の逆襲はここから始まるか。
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