1、O→1、O、3、8→
1、O、3、8、4、9、I (30点)
羽田盃と東京プリンセス賞を単純に時計で比べられない。C1千四を基準すれば、羽田盃の日が1秒以上もかかっている。馬場差から単純計算でがっぷり四つだが、パワーが要求された状態で厳しい流れを克服したナイキの方が中身が濃いのは一目瞭然だろう。暴走ギリギリの折り合いで飛ばしたネフェルは、さらなる距離延長と逃げ馬不利の馬場状態でますますハードルが高くなる。
ナイキハイグレードにとってネフェルの参戦でレースがしやすくなった。確実に掛かり気味の逃げになる牝馬を見据えて内々で折り合い重視。前走のモマれた経験が大一番で生きることは間違いない。 加えて血統比較からもナイキ優位を示している。母ダイヤモンドコアは川崎デビュー、浦和桜花賞馬の良血馬。二千百の関東オークス、ロジータ記念をそれぞれ3着で十分すぎるスタミナの証明。交流重賞マリーンC4、3着が底力の裏付け。牡馬混合の南部杯4着はキョウエイマーチと接戦でスピード兼備の証ならば、非の打ち所がない。 前走は勝負どころから行きっぷりの悪さが目立ったが、デビュー以来初となる内々の競馬に戸惑っただけ。終わってみれば最後おつりを残して一気の差し切り勝ち。完璧な乗り方で抜け出したシャレーストーンの勝ちパターンをゴール直前で打ち砕く内容は、着差以上の力量差を感じさせた。スローにないメンバー構成で前走よりもバラけた展開なら最内枠に不安なし。少なくても勝負付けが終わっている牡馬には負けない。
ネフェルメモリーは羽田盃時より1秒近く速い馬場状態を考慮しても、レベルの高い1分53秒5だった。確かに同世代の牝馬で負けが許されないほど完成されているが、牡馬相手の二千で立場は弱くなる。 まずは前走を分析。前半61秒6のペースは直前のレース、B3千四とほぼ同ラップ。馬まかせの逃げで4角も十分な手応えはあったが、上がりのレースラップは13秒2−12秒5−13秒5。ラストは完全に脚が上がっていた。後続馬も同じようにバテたということ。 ちなみに過去5年の上がりレースラップは 昨年 13秒6−12秒8−13秒3 2年前 13秒4−12秒0−12秒3 3年前 13秒4−12秒9−13秒2 4年前 12秒8−12秒1−12秒6 5年前 13秒3−12秒6−13秒3 昨年の低レベルな1戦を除けば13秒5以上かかることのない上がりのレースラップ。最強世代の2年前と同じぐらいのレベルと仮定すれば、ますます瞬発力は重要になってくる。東京プリンセス賞よりさらに距離延長で、上がり時計を1秒近く縮めなくてはならないのは相当厳しいだろう。奥の手を使って内田博騎手を配したことで惨敗はなくなったが、それでも例年に比べてレベルの高い牡馬相手に二千で勝機が浮かばない。
同じ牝馬でもモエレエターナルの方が魅力だ。相手は1頭に絞っても勝てなかった前走は着差以上の完敗だが、それでも好位差しを完全にマスターして、馬体減りもなくなった体質強化が心強い好材料。2歳暮れの全日本2歳優駿と前々走の羽田盃でワンダフルクエストにいずれも先着。ニューイヤーCではシャレーストーン、チームドラゴン、サイレントスタメンを圧倒すれば、連対突入は夢でもない。調整走りのような乗り方だった羽田盃とは力の入り方が違っている。
父が同じで近親関係のブルーラッド、ブルーヒーローは、いよいよ裏街道から表舞台に登場だが、サイレントスタメンを基準にすると強調点に乏しい。ナイキハイグレード、ネフェルメモリー比較の前にモエレエターナルにも相手にならない単純計算が成り立っている。どちらも止まらない馬体減で前走以上の上積みも微妙になった。
クラウンC組は同日C1が1分42秒1で物足りない。豪快に差し切ったサイレントスタメンは、コーナーワークのうまさから直線短めのコースが合っている。大井コース替わりで前々走より驚くほどの成長が期待できない。どうやらクラシックシーズンは拍子抜けで終わりそうなワンダフルクエスト、ワタリシンセイキは典型的なパンチ不足。