1⇒4、8⇔4、8、10、3、2 (16点)
キタサンブラックの前走は負けて強し。これまで前残り競馬で凌いできたレースが多かったが、初となる厳しい流れを経験。最後まで抵抗して同タイムの3着は予想以上にしぶとい粘り腰だった。スローの粘り腰だけで良績集中の先行馬にとってひと皮むけたことを示す好内容だった。上がり33秒台はわずか1度だけ。それでも器用さと底力でGⅠ2勝、3着3回は、この馬が長い間歴史に残る実績まであと一歩というレベルまで完成されている数字で十分に胸を張れる。いまでもステイヤーというイメージはまったくなく、乗り方を変えれば中距離ベストの評価にブレはない。とにかく先行してしぶとい二の足に特長。自分の形にこだわれば別定戦の58キロはむしろ恵まれている。
1強他弱。1頭だけ別次元のレベルで突き抜けていてどうにも相手探しは悩ませる。いずれも夢をみすぎた海外遠征でスランプ入りと紙一重となっているラブリーデイ、ラストインパクトは復活しても惨敗しても驚かないローテーションだろう。遠征疲れが軽減される香港でラブリーを重視だが、適性距離は二千(321302)がベスト。クラシックディスタンスではどうにも詰めの甘さだけが目立って、直線はどこかモタつき気味になった前歴がどうしても残像として残っている。前走もある程度パワーが求められた馬場状態だからこそのメンバーNo3の上がり時計の可能性。半信半疑の狙い。
ラストは二千~二千四まで実績を残しているが、強さとモロさ同居でラブリー以上に信頼性は低くなっている。2年前のこのレースの覇者でも1番人気がマイルCS勝ちのトーセンラーからもうかがえるメンバーレベルの低さ。すでに6歳のディープ産駒。1度ピークを迎えるとV字回復のない傾向だけに、上がり目というより下降線がごく普通の見解になる。絶好調時でも本質が相手なりまで。斤量差と器用さをどこまで活かせるか。鞍上の腕試し。
アドマイヤゼウスは休み明け初戦がいきなり正念場か。ひとまずGⅠの壁に当たったとはいえ、丸1年も連対がないのが現実。GⅡ2連勝も今や昔話状態で、瞬発力勝負の弱さがそのまま結果に直結して実績ほど凄みを感じなくなっている。キャリアを積み重ねても、どこかいまだに手探り感が否めないイメージも強まってきた。新境地を見出すのは先行か、差しかの好走パターンを固める課題も抱えるが、まずは京都(113002)の苦手意識の解消が先。 |