16、8⇒16、8、6、13、12⇒
16、8、6、13、12、2、17、3 (48点)
16-8、6、13-
8、6、13、12、2、17、3、11 (18点)
16⇔8、6、13、12、2、17、3、11
オークスに続いてまたもイレギュラーな使い方をしてきたラヴスオンリーユーの取捨がすべてのカギを握る。この馬自身の能力云々は別にして、このレースは休養明けに良績がない事実。とりわけ3歳馬は秋華賞からのステップが常識で、百戦錬磨の古馬相手にキャリア5戦目で栄冠を目指すにはかなりのハードルの高さになることは間違いない。
古馬混合となった96年からに絞って、8月以前からのローテとなった3着以内の馬は
98年
3着エアグルーヴ(5歳) 8月札幌記念以来
00年
1着ファレノプシス(6歳) 8月札幌記念以来
01年
1着トゥザヴィクトリー(5歳) 3月ドバイ以来
16年
3着ミッキークイーン(4歳) 5月ヴィクトリアM以来
17年
3着ミッキークイーン(5歳) 6月宝塚記念以来
18年
3着モズカッチャン(4歳) 8月札幌記念以来
近年は3年連続で傾向が変わりつつあるとはいえ、過去23年でわずか5頭だけ。それもすべて古馬で勝ち鞍は18年間も出ていないのが現実。すべての馬が前走で牡馬と走っていたことからも、牝馬限定を歩んできた3歳馬の挑戦がいかに難しいことがうかがえるだろう。ラヴズがすでにファレノプシス、トゥザヴィクトリー級の歴史に残る名牝だが、現時点で3歳馬にとって前人未踏のローテはもちろん、キャリア不足を補えるかどうかは疑問が残る。
過去23年で馬券圏内の3歳馬は16頭。10年1着スノーフェアリー(外国馬)、13年2着ラキシス(古馬2勝クラス)らの例外を除くとすべては秋華賞からのステップだった。
少ないキャリアも心細くなる。5戦5勝から挑んだ3歳ファインモーションでさえ、夏から使い込んで秋華賞をステップに万全の態勢で挑んだものの、平凡な時計の勝利だった。
結論から言えばラヴズオンリーユーの主役はない。惨敗があっても驚かないステップの悪さとキャリア不足。たとえ、過去一番のスピード、瞬発力を兼ね備えていても能力だけでは超えられないハードルの高さだろう。
これまで4戦連続の最速上がり。デビュー2戦連続で唯一の上がり33秒台。桜花賞スキップのローテにもかかわらず、オークスではレースレコード勝ち。同世代で一枚も二枚もレベルが違うことを証明してすでに歴史に残る名牝として確立している。スピード感ない大跳びの走りで終わってみると驚愕の数字になっているのがこの馬の特長。
ひと叩きでもすれば間違いなくこの馬が絶対的な主役だったが、前2走は同世代相手にいずれもラストのレースラップが12秒台。古馬相手でラスト11秒台になった際が大きな試練であることは言うまでもない。もう一段階上のギアが入るかどうか。二千以上で上がり33秒台の経験なしのディープ産駒という事実もどこか引っ掛かる。
牝馬の重賞なら実績より状態の良さ。ひと叩きでピークに持ってこられるかだが、前走ですでにピークに近いスカーレットカラーがバイオリズム的にもこのレースにしっくりくる。前走で今までのイメージを覆して一気に本格化した上がり馬。どこかジリっぽく、勝ち味の遅さがネックになっていたが、馬の成長とコンビ復活がいい方向でリンクして完全に以前とは馬が違っている。これまでのキャリアで上がり33秒台以下はわずか5回、最速上がりは4回だが、33秒台以下は前4走で3回、最速は前2走で連発している。とりわけ前走は驚異的な数字を残した。上がり33秒台がわずか2頭だけの中、33秒2という最速上がり。直線入口でブービー位置から前が詰まって追えたのは実質残り350だけだから恐れ入る。ハイペースで展開がいくらかはまったとはいえ、稍重で時計も上がりも出色ならば、牝馬限定のGⅠに直結する結果だったことは確実だろう。突然現れる意外性のピサ産駒。距離延長に何ら違和感はない。
クロノジェネシスはようやく"普通に"立ち回れた。GⅠになるとイップス全開の鞍上は普通に立ち回ることも稀でクロノの戦績がムラだが、本来は前走ぐらい走って当然であることを改めて証明しただろう。桜花賞では必要以上に控えすぎて、オークスでは理解不能なハイペースを積極策。前走は名手らがオーバーペースの中で、じっくり好位待機が奏功して着差以上の完勝だった。残り1ハロンでダノンファンタジーを競り落として、迫ってきた2着馬も残り100で突き放す。乗り役がペースさえ見極めればこれだけ強さ。とにかく同じコンビが続く限り、今後もポカを覚悟しなければならないが、古馬を一蹴できる能力は備わっている。
ラッキーライラックの乗り替わりはあまりも遅い。すでに悪癖を固められた。瞬発力不足にもかかわらず、徹底して控える矛盾が大一番に弱い鞍上の象徴的な判断の悪さだ。古馬相手となった前4走の上がり時計はメンバーNo8、4、5、4でこの馬の瞬発力レベルがごく標準的なのがわかるはず。たった1回の成功(ジュベナイル制覇)が5回の失敗(1、2番人気で勝てなかった桜花賞、オークス、阪神牝馬S、ヴィクトリアM、府中牝馬S)を繰り返した鞍上にこだわりすぎて手遅れになった可能性が高まっている。千八以上は未勝利、勝ち鞍はすべてじっくり立ち回れる直線の長いコースに限られているのが現実。名手に乗り替わりで折り合い難は解消されても、スタミナそのものが通用するかどうかも未知数だ。ハナを切るような斬新な乗り方に期待するしかない。
過去9年こそ、逃げ馬の馬券絡みはないが、以前は頻繁に絡んでいた。96年シーズグレイス、97年エイシンサンサン、05年オースミハルカ、07年ダイワスカーレット、09年クィーンスプマンテ。13年間で5回の連絡みなら以前は逃げ馬有利のレースということだろう。いずれにしても今年は逃げ馬どころか、確たる先行馬不在。クロコスミアの大駆けがあっていい。二千二(020001)は2着2回のエリ女と道悪の京都記念。数字以上に距離適性は高い。休み明け(010106)、叩き2戦目(000034)から叩き3戦目(111000)。昨年のまったく同じローテで再現を狙う。
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