2⇔5⇔9、16、4 (9点)
2、5-9、16、4 2⇔5、9、16、4
牝馬と外国馬とJRA4歳牡馬。牝馬の強さと外国馬の凋落ぶりは周知のとおりだが、フレッシュな3歳に目移りしやすくなっているのが最近の傾向か。それでも経験豊富な4歳牡馬は底力も意地もある。昨年はワールドプレミア、トーラスジェミニの2頭だけで拍子抜けとはいえ、活きのいい4歳牡馬が主役となるのが本来のジャパンCの姿。
第1回から牝馬の台頭は目立っていた。1~3着以内となった牝馬(複数回は古い年)は
第1~10回メアジードーツ(外国馬)、オールアロング(外国馬)、エイプリルラン(外国馬)、スタネーラ(外国馬)、ダイナアクトレス、ホーリックス(外国馬)、オード(外国馬)。
第11~20回
マジックナイト(外国馬)、ヒシアマゾン、エアグルーヴ、ファビラスラフイン、エアグルーヴ。
第21~30回
ウィジャボード(外国馬)、ウオッカ、レッドディザイア、ブエナビスタ
第31~40回
ジェンティルドンナ、ショウナンパンドラ、アーモンドアイ、カレンブーケドール。
重賞未勝利(GⅠ2着2回)のカレンブーケドールは微妙だが、馬券圏内となった日本の牝馬は名牝中の名牝がずらりと揃っている。GⅠ勝ちか、少なくても牡馬相手に接戦の連続した実績のある馬。今年のメンバーは正直、1枚落ちどころか、2枚落ち以上の低調と言わざるを得ない。
すでにかなり昔に"国際競走"としての役目は終わっているジャパンC。日本人オーナーか、日本での古馬3勝クラス程度の馬しかこなくなったのもすべては"コンクリート馬場"だからだろう。
第1回~20回まで外国馬は、1~5着の総頭数100頭中62頭という脅威の6割越えで掲示板確保。当時はレースの上がりが34秒後半~35秒前半でも鬼脚と言われていた時代だからこその好走連発だった。極限の時計と異次元の上がりを求められるようになった平成初期頃から外国馬の好走が遠ざかり、賞金アップで金の力だけでおびき寄せようとしてもビッグネームには完全無視をされている状態が続いている。
過去20年で1~3着になった外国馬は02年1着ファルブラウ、2着サラファン。06年3着ウィジャボードのみ。どちらも良馬場だったが、02年は中山開催でレースの上がり時計が36秒0。06年ウィジャは前年のジャパンC5着で確かな馬場適性があり、何より小雨降る中のレースで前年と比べて3秒も遅い勝ち時計2分25秒台だったことが奏功した。
中山開催の2頭はレースの上がりが36秒台で特例のため論外だが、ウィジャはいい物差しになる。ウィジャが初来日時の持ち時計は二千四で2分25秒3(04年凱旋門賞3着時)、二千で2分2秒5(稍重)。来日2回目時は二千2分2秒0に短縮、二千二2分14秒5の持ち時計があった。
サンタアニタとデルマーでコースの違いがあるとはいえ、ブルームと同じブリーダーズCターフ制覇で2分23秒4の持ち時計があった09年コンデュイットでジャパンC4着だったことからも今年の来日馬の時計不足が際立つ。アメリカ二千四の持ち時計の場合は2分24秒台が最低ラインか。
今年はグランドグローリーが論外。ブルームは二千四2分26秒0、二千で2分5秒0。ジャパンが二千四2分26秒5。いずれにも時計の出やすいアメリカの数字だけに物足りない。日本人オーナー2頭は顔みせと判断するのが常識的。
強力なライバル不在を鞍上が一番安堵したか。とにかくコントレイルの鞍上は不思議なぐらい勝負弱い。前走もスローを見極めきれなかったのか、そもそも決め打ちで勝ち馬をマンマークなのか、よほどこの馬の瞬発力を信じられなかったのか。いずれにしても勝ち馬より終始、後手後手が敗因となった。2年前より5ハロン通過が1秒5も遅いのにもかかわらず、直線入口で勝ち馬より1馬身後ろ。追い出すタイミングがまったく同じでは届くはずがない。
過去10年でレースの上がり時計No1となる納得の上がり勝負。数字的に勝ち馬より0秒2上回った最速上がりでも見た目は勝ち馬とまったく同じ脚色だった。数字的にも見た目にも仕掛けのタイミングの遅さが致命傷になったことが示されている。
鞍上のGⅠは牝馬か、短距離しか勝てないという大昔のレッテルが引退まではがれることもなくなったことを前走で改めて痛感した。現実にあれだけいい馬に巡り合いながらも牝馬限定戦ではない古馬の二千以上のGⅠはわずか2勝(13年天皇賞秋ジャスタウェイ、天皇賞春ワールドプレミア)しか勝ってない。
前走でデビュー2戦目以来となる上がり33秒台が7回目の最速上がり。昨年のアーモンドアイが1分57秒8(上がり33秒1)と今年のコントレイルが1分58秒9(33秒0)。昨年の1、3~5着が不在で数字的にもアーモンドアイ級の走りを確約できるが、とにかく鞍上はGⅠでイップス連発という過去の傾向がどうにも引っかかる。鞍上の自信と過信は紙一重。単よりも連軸がセオリーか。
シャフリヤールの好走は正直浮かばない。全兄アルアインとまったく同じ運命が避けられないだろう。とにかく距離二千四は致命的な距離の壁。前2走の掛かり具合から前走が道悪のための一過性のポカと思えなくなっている。
皐月賞馬アルアインはダービー5着、セントライト記念2着、菊花賞7着、京都記念5着、オールカマー2着、宝塚記念4着、有馬記念11着。二千二以上の戦績がこれだけ揃えば、偶然ではなく、必然的な完敗だったということ。この馬より折り合いがスムーズだったアルアインでも崩せなかった距離ならば、キャリア不足ですでに距離の壁をにおわせているシャフリにとって簡単に超えられる壁ではないだろう。毎日杯、ダービーは異色の馬場状態で時計比較など無意味な机上論。
過去20年で1~3着の3歳牡馬にははっきりした傾向がある。前走が1、2着か、またはGⅠの1、2番人気、または古馬GⅠで3着以内。例外は海外遠征の10年ヴィクトワールピサだけ。
01年1着ジャングルポケット(菊花賞1人気4着)
02年3着シンボリクリスエス(天皇賞秋3人1着)
03年2着ザッツザプレンティ(菊花賞5人気1着)
04年2着コスモバルク(菊花賞2人4着)
3着デルタブルース(菊花賞8人1着)
06年2着ドリームパスポート(菊花賞2人2着)
08年2着ディープスカイ(天皇賞秋3人3着)
10年1着ローズキングダム(菊花賞1人2着)
3着ヴィクトワールピサ(凱旋門賞7着)
17年2着レイデオロ(神戸新聞杯1人1着)
20年2着コントレイル(菊花賞1人1着)
昨年のコントレイルでもキャリア7戦あったことからもキャリア6戦目でGⅠ中のGⅠに挑戦もどこか頼りなさを感じさせる。モロさ同居の人気馬。勝ちパターンどころか、心身ともにまだまだ未完成だけに惨敗も覚悟。
過去10年、1~3着以内の日本馬でGⅠ3着以内の経験なしは15年ラストインパクト(GⅠ4着2回)のみ。ウインドジャマー、サンレイポケット、シャドウディーヴァ、ムイトオブリガード、ロードマイウェイの脱落は納得できるが、ここにオーソリティーが引っ掛かってきた。なるほどGⅠとGⅡの極端な結果と前走の平凡な勝ち時計。過去10年で2分30秒台以下が4回もあったが、それよりかけ離れた2分32秒台の決着はまさに底辺レベル。超スローの上がり勝負とはいえ、過去10年でワースト3の勝ち時計に何の強調点も見出せない。超スローでもギリギリの上がり33秒台突入の前走で瞬発力の限界も見え隠れ。時計と上がりを同時に求められた時点でレースが終わる。
牝馬も外国馬もよほどの展開の利がないと厳しい数字が並べば、残るはGⅠ馬の復活が例年の盲点。11年3着ジャガーメイルは14番人気だったが、1年半前の天皇賞春1着から初の馬券圏内がジャパンCだった。13年3着トーセンジョーダンは11番人気だったが、天皇賞秋でGⅠ勝ち実績。ジャガー同様に1年半前の天皇賞春2着から久しぶりの馬券圏内がジャパンCだった。
GⅠ馬で天皇賞春に連対馬が今年不在。似たような実績馬はGⅠでないが、天皇賞春に好走歴のあるアリストテレス、ユーキャンスマイルが大穴候補か。
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