17⇒13、14、1、4、7、12⇒
13、14、1、4、7、12、16、10、3、11 (54点)
13⇒17⇒14、1、4、7、12、16、10、3、11 (9点)
13、14⇒13、14⇔1、4、7、12 (16点)
17-13、14、1-
13、14、1、4、7、12、16、10 (18点)
17⇔13、14、1、4、7、12、16、10
1~3着馬に必ず神戸新聞杯組が最低でも1頭絡んだのが05年から2年前まで。その記録が昨年で途絶えたが、神戸新聞杯は不良馬場だったことが色々な意味で影響したか。ここ30年以上も良馬場で行われていたレースとしては異例の馬場に人馬ともに惑わされたと割り切れるだろう。
過去10年の神戸新聞杯で中京、良馬場は2年前だけ。同日の時計比較で20年より1秒以上速い馬場差で20年神戸新聞杯より1秒4速い勝ち時計ならば、20年1~3着(コントレイル、ヴェルトライゼンデ、ロバートソンキー)と互角以上の評価が可能だ。3頭の菊花賞はそれぞれ1、7、6着。
セントライト記念は過去10年比較で勝ち時計No4、レース上がりNo4。2つのレースともに残り4ハロンから11秒台突入でどちらも仮想菊花賞として理想的なステップとなっている。
条件戦からのステップで菊花賞に3着以内だった馬には明確な共通項がある。
21年菊花賞3着ディヴァインラヴは前走1着の古馬2勝二千二(残り5F119-119-113-115-118)
20年2着アリストテレスは前走1着の古馬2勝二千二(残り5F119-124-116-110-120)
18年3着ユーキャンスマイルは前走1着の1000万二千二(残り4F118-117-115-115)
17年3着ポポカテペトルは前走1着の1000万二千二(残り4F117-119-116-118)
14年3着ゴールドアクターは前々走1着の500万二千六(残り5F115-113-115-117-122)
13年3着バンデは前々走6着のセントライト記念(残り4F118-119-119-121)
これら全5頭の前走が条件戦だったこと。前2走のどちらかで距離は二千二以上。残り5Fか、4Fで11秒台突入のレースラップでしかも4角の番手が5、6番手以内から勝ち上がったこと。過去10年では例外なく、この傾向が裏付けられている。
この条件にはまるのはディナースタ、シホノスペランツァ。シホノが過去30年以上で古馬1勝からステップ馬の菊花賞3着以内なしならば無条件で見限れる。
神戸新聞杯で例年以上に勝ち馬に注目できるのは残り4ハロンから11秒台突入の厳しいラップを好位で突き抜けたこと。ロングスパートのサバイバル戦で後方から脚を伸ばす馬は当然としても、ジャスティンパレスの内容は20年と時計比較からもGⅠ級をにおわせた。
とにかくイメージ一新。変わり身、成長力には驚きしかなかった。これぞディープ産駒の変身シグナル、本格化というほか言葉がみつからない。
中京の神戸新聞杯は前2年だが、昨年は不良馬場。20年だけの比較になるが他のレース比較で1秒以上も速い馬場差となって神戸新聞杯の時計差は今年が1秒4速い。単純比較ならば20年よりメンバーレベルが同等か、少し今年の方が高い可能性まである。
さらに今年の勝ち馬の凄さは残り4ハロンから11秒台突入で好位から振り切ったことはもちろん、残り300まで右へ左へフラフラの若さを露呈。残り1ハロンで先頭と同時に逆手前になるという二重苦でも圧勝劇だったこと。本来ならここから惰性となって流れ込みとなるが、この馬はそこからターボエンジンのような加速力。とにかく残り100からの瞬発力は他馬が止まって映るほど。まさに世代王者誕生を示す切れ味だった。
兄アイアンバローズは阪神大賞典、ステイヤーズSをいずれも2着のマラソンランナー。血統的に確かなスタミナが裏付けられて、世代トップレベルの切れ味が加わったディープ産駒。人馬ともに若さを出すことなく、立ち回るだけで勝機が浮かんでくる。
現代競馬でキャリア不足は懸念材料にならないとしても、ぼってりした馬体に三千をクリアできるイメージは浮かばないのが本音。ガイアフォースは前走でいくら本格化して世代トップレベルを示しても三千では不安先行になる。昨年のようなスタミナ勝負にも例年どおりの瞬発力勝負にも太刀打ちできるような数字のなさは本来致命傷になる。
5戦して前走で3回目の最速上がりとはいえ、デビュー戦の上がり時計が自身の上がり時計ベストになるのが現実。上がり34秒台半ばが限界の瞬発力はさすがに重賞級と言いづらい。前々走のレコード勝ちからも中距離ベストが否めないキタサンブラック産駒。過去10年で標準より上回った前走時計でも個々の数字に驚くようなインパクトがなく、いきなりGⅠで通用するかどうかは微妙な立場。好走するには鞍上マジックが確実に必要となる。
正直、ボルドグフーシュの前走は鞍上に失望した。権利を取らなければ菊花賞に出走できない可能性があったにもかかわらず、決め打ちの最後方待機に鞍上の特徴が表れただろう。鞍上のGⅠ戦績は馬の能力が頭ひとつ以上も抜けてないと勝てない傾向。本番より気楽に乗れるはずのトライアルでこの失態は前途多難のシグナルでもある。
前走は3角過ぎから仕掛け始めて勝負どころでラチから7、8頭分も大回り。1、2着馬がラチピタの立ち回りからも、鞍上のセンスの悪さが浮き彫りになっている。逆手に取ればそれでも3着。馬の能力比較だけなら少なくても1、2着馬と互角以上を証明したが、前走以上に鞍上の技量が求められる長距離クラシックの好走は大博打に近い。これまで鞍上が牡馬クラシック無縁だった理由も前走の騎乗内容で改めて納得できれば、本番の好騎乗を期待する方が無謀ということ。いずれにしても勝つためには中団でスムーズに立ち回る技量と度胸があるかどうか。
ヴェローナシチーはここで名手配置は遅すぎた。同じ鞍上にこだわり続けて取りこぼしの多かった馬を本番で変更なら、ひと足先に前走で英断を下すべきだった。すでに悪癖を固められた行きっぷりや反応の悪さ。テン乗りの鞍上も大一番で強気の好位差しを選択する可能性は極めて低いだろう。結局、これまでどおりに置かれて直線勝負が濃厚。5走前は掛かり気味、前々走は行きたがる仕草など、折り合い上手な馬でないだけに距離延長にプラスはない。勝ちパターンが固まらないままの乗り替わりに何の魅力も感じない。
ドゥラドーレスはここが大きなターニングポイントになる。血統的な人気先行型へまっしぐらか、血統を打ち破って名馬として完成形へ向かうか。振り返ればデビュー戦の強烈なインパクトから走るたびに評価が揺れ出して乗り方も難しくなってきた。
キャリア2戦目で平凡な上がり時計だったことを鞍上が気が付いていれば、仕掛けもエンジンのかかりも遅くて取りこぼした毎日杯の悪夢はなかったはず。1発勝負でダービー出走を賭けたが見事に失敗。そのまま早々にダービー見送りを決定した陣営にはクラブ会員にとって納得できなかったはず。悪夢の始まりは血統的なものだったか。母ロカも同じような戦績で走るたびに人気を落としていった前歴を持つ。鮮やかなデビュー勝ちからジュベナイルF1番人気⇒8着、クイーンC1番人気⇒3着、チューリップ賞3番人気⇒4着。結局、その後も勝てずに6戦1勝で引退。生き写しのような戦績を大一番のGⅠで修正するのは至難の業と言える。
5戦すべてで最速上がりだが、鞍上が思っているほど切れないために届かないのがこの馬の負けパターン。鞍上とのイメージの誤差で取りこぼしに加えて、前々走の掛かって折り合い難など気性面の課題も抱えたまま。前走は内目を強引に馬群を割って抜け出せたがごく普通に外を回っていたならば届かない可能性もあった瞬発力だった。
デビュー当初のボテッとした馬体からかなりすっきりしたことが唯一の救いだが、血統的にも気性的にも見た目的にも二千ベストが否めない。いきなり未知なる長距離出走はクラシックだからこその挑戦だろう。狙っても両極端な結果を覚悟するしかない。
アスクビクターモアは鞍上と心中覚悟でコンビ継続がどう転ぶか。3回の失敗(皐月賞、ダービー、セントライト記念)より1回の成功(弥生賞)だけを重視しての乗り替わりなしということか。勝った弥生賞でも完全に引っ掛かって本来なら惨敗しても驚かないほど鞍上との折り合いは最悪だったことを忘れてはならない。皐月賞は自身掛かったことはもろちん、スローに落としすぎてこの馬が良績のない瞬発力勝負に自ら持ち込んだことがすべて。ダービーはハイペースの逃げ馬をなぜか4角前から追いかけ始めるというペース音痴ぶり。前走は距離延長で確実に引っ掛かるような行きたがりと再び早仕掛けで差し馬の目標になるなど、課題をクリアするというより場当たり的な乗り方によって悪い意味での不完全燃焼が続いている。標準的な馬場と流れで上がり34秒台が限界の先行馬。早すぎず、遅すぎずでハナを切った際だけが唯一の勝ちパターンだが、鞍上の逃げ先行下手は周知のとおり。八方ふさがりで実績ほど怖さはない。
人気と実力の落差が一番あるのはディナースタか。春のクラシック有力馬が次々に回避。まさに上がり馬の出番になりやすい今年の菊花賞だろう。
中でも一歩ずつ階段を昇りつめてようやく重賞挑戦までたどり着いた理想的な成長過程がいい。前々走は残り4ハロンから11秒台でそこから3ハロン連続で11秒7。ラスト12秒4だが、5ハロン通過61秒6というそれほど遅くない流れをマクり競馬で制したことが大きな自信と財産。終わってみれば3着に0秒9差がスタミナ強化の表れとなっている。
さらなる成長をうかがえたのが前走だ。馬場差の判断が難しいが重に近かった稍重で5ハロン通過が61秒7。平均~ハイペースの流れでここでもまさかの早仕掛け。それでも5着に1秒差で着差以上の強さが示されたことが結果的にここへ向けてのいいステップレースになった。
一気の斤量増や直線坂コース1勝だけなど、数々の試練や課題を抱えるが、スタミナと乗りやすさでは絶対的な自信。兄ジャックドール。
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