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東京裏読み
関東
1R2R
3R8R
9R10R
11R12R
関西
1R3R10R11R12R
ローカル
1R2R
3R10R
11R
JRAホームページ

東京11R

3連単フォーメーション8⇒9、7、5、6、4、1⇒9、7、5、6、4、1 (30点)

7、5、6⇒8⇒9 (3点)

特定GⅠの賞金増し増しによってひと昔までは考えらないぶっつけ本番の馬が多数存在するようになった。以前の黄金ローテなど今や昔話。天皇賞秋は"踏み台"に近いGⅠとして定着しつつある。
昨年は1着シャフリヤールによって成功したダービーから直行のローテがまさに典型的な例。昨年は3歳世代レベルの高さとそれ以外が低レベルという落差で成功したとはいえ、3歳馬が天皇賞秋を古馬初対戦のレースに選ぶこと自体が無謀と言っていいだろう。
数字的にも昨年のレースレベルの低さは示されている。超高速決着が連発している近年の過去4年で一番遅い勝ち時計。今年のメンバーが昨年よりレベルが高いという保証は一切なく、近年にない極限決着となったダービー直行組が3頭もいることから難しい計算、取捨になることは避けられない。

極限のスピードと瞬発力が求められることはこれまでどおり。まず瞬発力の優越から。過去10年の1~3着馬はすべて上がり33秒台以下を経験していた。経験のないパンサラッサノースブリッジにとって最凶ジンクス。まずこの2頭は真っ先に見限れるか。

天皇賞秋が叩き台となれば、必然的に毎日王冠はさらなるレベル低下。以前はGⅠと同レベルのメンバーが集中していたが、いまやGⅢ程度の馬がGⅡのタイトルほしさに集まっている。今年も単なる直線だけの競馬。圧倒的な瞬発力で勝ち上がった1着馬とそれ以外に決定的な差のあることを示す数字が物語っている。2着馬以下はまさにGⅡ以下レベル。

16年12着エイシンヒカリ(前2走が海外、6月6着以来)、17年13着ネオリアリズム(4月1着以来)。海外帰りのローテに良績はないが、絶対的に例が少ないと割り切ればシャフリヤールに減点は必要ない。むしろ古馬相手にわずか3戦だけでジャパンC3着、ドバイシーマC1着は見事。前走は勝ち時計が示すようにディープ産駒に合わない馬場だったと納得できる。
いずれにしても血統的には二千ベストのダービー馬。時計の極限勝負にも瞬発力勝負にも対応可能なディープ産駒が輝く舞台は日本の良馬場が一番ということ。まさに東京二千の高速馬場となる天皇賞秋はこの馬にとってリミッター外しのパフォーマンスが期待できる。
もとより現役屈指の絶対スピード馬が前2走で底力をアップグレード。この馬に合わせて来日してくる鞍上のためにも無様な競馬になることはないだろう。少なくても古馬と未対戦な3歳馬より断然の経験値。同じ休み明けならば負けられない。

キャリア4戦目のダービーで同タイム2着は驚きだが、キャリア5戦目の天皇賞で馬券圏内に入ればさらなる驚きだろう。イクイノックスにとって前例なしの未知なる挑戦。惨敗覚悟のハードルを乗り越えなければならない。
96年1着バブルガムフェロー(キャリア6戦4勝、朝日杯1着)、21年1着エフフォーリア(キャリア5戦4勝、皐月賞1着)。キャリアの少ない"勝ち馬"に限れば、4勝以上、GⅠ馬が必須となっている。さすがに3歳未勝利のイクイは一枚どころか、二枚三枚落ちが否めない。
さらにダービーの時計はそもそも数字ほど価値のないことが示されている。ダービーも菊花賞も引退勧告並みにレベルダウンしている騎手が単騎逃げにもかかわらず、目立ちたいだけの大暴走ラップで時計が速くなった事実。体内時計などはるか昔に失っていることを改めて示した2戦はいずれも前々総崩れとなった。どちらのレースでも唯一前々で踏ん張ったアスクビクターモアの強さだけが際立ったということ。
ダービーの過去10年で2分22秒台が2回、23秒台が3回。前2年の5ハロン通過が61秒7、60秒3で今年が58秒9。いかに今年が大暴走だったか。超高速馬場でなるべくしてレコード決着になったことがわかるだろう。
今年の皐月賞のレベルは少なくても馬場差から近年で一番のレベルの高さが唯一の救い。まずは理想的な馬体だった前々走並みの馬体と前々走でいくらか行きたがっていた折り合い良化がひとまずクリアしなければならない課題。キャリアも実績も低すぎる3歳馬は掲示板確保だけでも十分に胸を張れる。

イクイ基準でダノンベルーガはほぼ同等の評価でいいだろう。イクイを見切ればこの馬も見切るのがセオリー。キャリアは同じ4戦だけで3歳未勝利、GⅠ馬でもなく、ひと昔前までの天皇賞秋のレベルならば即切りも可能だった数字の頼りなさだ。2歳時の切れ者というイメージは完全に薄らいでいる事実も見逃せない。前々走は上がりNo8で完全なる鋭さ負け。前走は上がりNo3だが、最速上がりだったイクイより0秒7も劣る上がり時計に瞬発力型としての復権はありえなくなっている。時計の裏付けもなく、何より瞬発力不足を露呈している3歳馬に何の強調点もないということ。人気になるほど妙味なし。

ジオグリフが前走で伸びかけていたのが残り300まで。恐らく2度と挑戦しない距離だったとはいえ、平凡な瞬発力で振り切れた皐月賞だけの実績では高く見積もってもここでは脇役までになる。皐月賞で少し行きたがって4角、必要以上に外を回って軽いブン回しから押し切れたのは、仕掛けのタイミングと位置取りが絶妙だったということ。確かに馬場差と時計比較でレースレベルの高さは認めても、3走前と前走の負け方があまりにも淡泊すぎて古馬初対戦で驚くような変わり身のイメージはできなくなっている。喉の持病が追い打ちにならないことを願うだけ。

脚質的に最も苦戦しているのが逃げ馬だ。過去40年に広げてもハナを切って勝ったのは87年ニッポーテイオー、90年プレクラスニーまで遡る。プレクラスニーは1番人気メジロマックイーンがスタート直後の大斜行で多くの馬が不利、悪影響を受けたことを考えれば、実質35年以上も逃げ切り勝ちはない。
逃げ馬の良績を3着以内に広げても過去40年で86年2着ウインザーノット、88年3着レジェンドテイオー、01年3着メイショウドトウ、08年2着ダイワスカーレット、18年3着キセキ、19年アエロリット。 
1分58秒3がレコードだった86、88年は今や論外。01、08年は1分58秒0がレコードにも時代を感じさせる。11年前のレコード1分56秒1がいまだ破られないのが不思議ぐらいに現代は超高速馬場で目標になりやすい逃げ馬にとって鬼門のレースが続いていることは間違いない。
5ハロン通過は18、19年でそれぞれ59秒4、59秒0。ここ2年がどちらも60秒5からいかに速めのラップだったことがわかる。しかも共通項は道中11秒台以下を連発したこと。
18年は2~9ハロン、19年は2~10ハロンの最後まで11秒台以下を連発でラストのラップはそれぞれ12秒0、11秒9。前2年が11秒6、11秒4からもラストでかかったことがうかがえる。
5ハロン60秒台で逃げ馬の残り目は皆無に近くなり、ため逃げは御法度。どうにかしてなし崩しで後続馬に脚を使わせるかが逃げ馬にとってカギを握る。

結論から言えば有力逃げ馬にこのような芸当ができる数字は何ひとつない。パンサラッサの前走はいくらか渋り気味だったとはいえ、5ハロン59秒5のスローに近い流れでラスト2ハロンは12秒6-12秒7。単純な上がり時計でしんがりランキングがすべてを物語っている。
そもそも札幌記念のレベルは低すぎる。
今年2012(595-377=366)、同日の古馬牝1勝で2022(607-372=364)
21年1595(599-354=351)、同日の古馬牝1勝で2023(639-349=343)
古馬1勝との比較でラップと上がりを差し引けばほぼ同等で今年の低調ぶりは明らかだろう。過去10年の良馬場は7回あるが、2分1秒台以上の勝ち時計が今年初からも今年の平凡な時計は浮き彫りになる。

平凡な時計に加えて上がり37秒3で差し切れたこと自体がさらなる驚き。ジャックドールが控える競馬にメドを立てるどころか、ますます不安材料が加わっただけ。前々走でGⅠレベルの達してない勝ち馬に完敗からも、モーリス産駒にはまだまだ課題が山積みということ。コースは違うとはいえ、大阪杯で道中12秒台連発でラスト12秒5でも踏ん張れなかった事実。3走前のレコード勝ちはフロック駆けに近く、標準的なスピードは1分58秒半ばとみるのが常識的だろう。番手OKなど早計。ハナ以外の立ち回りで怖さはない。