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東京裏読み
関東
1R3R
5R8R
9R10R
11R12R
関西
3R5R
7R8R
9R10R
12R
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東京11R

3連単フォーメーション5⇒2、11、14⇒2、11、14 (6点)

2、11、14⇒2、11、14⇒

2、11、14、18、12、1、10、7、15、6 (48点)

オークスでキャリア4戦以内の馬が苦戦を強いられていたジンクスをあっさり打破。キャリア4戦以内の馬が11頭中2頭でワンツー。その1、2着馬はキャリアが少ないながらも前走GⅠで好走歴という注釈付きとはいえ、オークスで今後のスタンダードのローテになる可能性は極めて高まった。
ダービーでもすでに2、3年前から浅いキャリアの好走が始まっている。キャリア2戦でダービー制覇のフサイチコンコルドは別格としても、21年1着シャフリヤール、22年2着イクイノックスらのキャリア3戦での挑戦は無謀と思えたが、極限の時計決着を難なくクリアしたから驚く。すべての条件に恵まれたと納得していたシャフリから2年連続でキャリア3戦の馬が馬券圏内となれば、完全なる王道路線への布石となったか。
キャリアが少なすぎる馬は前走GⅠで好走か、圧倒的な時計で重賞を勝ち上がっていれば何の問題もない。能力云々は別にしてソールオリエンスをキャリアの少なさで割り引く必要はない。

ソールオリエンスの強さは着順だけに表れてない。瞬発力も歴史的な名馬と比べて遜色ない。3戦すべてが減速なしの上がりレースラップで3戦3勝。とりわけ前2走は加速ラップでいずれも最速上がりのおまけ付き。2戦連続の重賞で前走がGⅠだから恐れ入る。これまでも瞬発力型は多数存在したが、このようなラップを刻んだ戦績は過去に記憶がなく、歴史的にも豪快なレース内容となっていることには太鼓判を押せる。
とにかく前走は良くも悪くも歴史的なレースとなった。逃げた騎手はこれからGⅠで依頼なしが確定レベルの大暴走。当日の皐月賞前のレースだった古馬2勝二千は5ハロン通過59秒3。完全なる追い込み競馬になったにもかかわらず、さらに雨が降って馬場悪化の皐月賞が驚愕の58秒5。例年の皐月賞が古馬3勝前後のレベルからも5ハロン通過の時点で追い込み競馬を確定させる大暴走だったことが明確に示されている。しかもこの超ハイペースを3角から動き始めるという早仕掛け組も存在したことにさらなる驚き。GⅠに乗る資格のない騎手の暴走をペース音痴の騎手が早めに追いかけるという考えられない"二重事故"。はるか後方待機で直線まで仕掛けを我慢したソールにとって理想的な流れになったことは言うまでもなく、他馬が止まって見えたのは他馬が無意味な先行、早仕掛けがアダになったことが最大の要因だったことだけははっきり言えるだろう。
馬場不問のオールラウンダーは多彩な条件で結果を残したきたが、本質は極限のスピードと瞬発力が活きる高速馬場でさらなるパフォーマンスアップが見込める。鞍上の性格上、瞬発力頼りになりやすい傾向が若干の不安点だが、ごく普通の位置取り、立ち回りだけで上位が確定するほど能力、完成度はズバ抜けている。
GⅠ、特にGⅠ中のGⅠで大へぐりを犯した騎手は必ずその後もGⅠで繰り返すのが持論。1番人気での取りこぼしはもちろん、騎乗停止も繰り返されているのは過去の歴史からも示されている。
この鞍上は19年ダービーで歴史的な黒歴史を犯している。5ハロン60秒台以上が当然のダービーにもかわわらず、逃げ馬で57秒8の大暴走は今後50年後でも最速になるラップだろう。
21年ダービーは残り50まで完全なる勝ちパターンでゴール寸前に交わされた。強いて言えば若干の早仕掛けだったことからも、鞍上とダービーの相性は最悪に近く、自身もダービーには嫌なイメージしか残ってないか。19年より成長したとはいえ、21年にGⅠを勝ちまくったが、昨年はGⅠ未勝利。今年も重賞勝ちがなかなか増えない現状で負のループを断ち切れるかどうか。いずれにしても今年で勝てなければ今後もダービー制覇はますます困難な道のりになる。馬は超一流で鞍上が足を引っ張るか、うまく導くか。鞍上が超一流に上り詰めるかのターニングポイントになるレース。

青葉賞のレース前に決めていたとおり、どんな勝ち方をしてもステルヴィングの主役は考えられなかったが、振り返ると数字的には過去と同じような数字が並ぶ。鬼門の青葉賞ステップからならもうワンランク上の数字がほしかった。

勝ち時計(5F通過-レースの上がり時計=最速上がり)

今年の青葉賞2239(604-348=341)。
同日の3歳未勝利牝千六で1336(593-343=337)、3歳未勝利千八で1471(607-346=346)、3歳1勝千六で1323(578-345=337)、古馬3勝二千で1578(608-337=333)。

21年の青葉賞2252(605-348=336)。
同日の3歳未勝利牝千六で1343(595-348=340)、3歳未勝利二千で2005(621-345=341)、古馬1勝二千で1596(612-345=341)、古馬2勝千六で1327(590-337=331)。

馬場差で今年は21年より約0.8~1.5秒速い。ゆえに21年(1~3着ワンダフルタウンキングストンボーイレッドヴェロシティ)より少し上回る可能性も下回る可能性もある。ほぼ同レベルとしても21年で青葉賞組から唯一ダービー出走したワンダフル(5人10着)の結果から、今回の人気的には妙味がなくなっている。
では、同じようなタイプの馬との比較ではどうか。キャリア4戦のみでGⅠ未経験、キャリア4戦、青葉賞で3連勝を決めてダービーに挑んで3着となったアドミラブルを物差しにすればしっくりくる。
アドミラブルは青葉賞でレースレコード。青葉賞で2戦連続の最速上がりを決めた500キロを超す大型馬。年明け4戦目だった。
アドミラブルと馬格もローテも似て数字も遜色なく、唯一アドミラブルとの違いはステルが年明け3戦目ということ。もちろん、ダメージの少ない年明け4戦より3戦がベター。"キャリア4戦以内は苦戦"という最強クラスのジンクスが2、3年前に覆されたならば、同じく最強クラスのジンクスといえる青葉賞ステップが覆るのもそれほど遠い未来の話ではないだろう。ソールも"キャリア3戦"というジンクス持ち。お互いが負のジンクス持ちならば逆転があっても驚かない。いずれにしても余裕のない馬体だった前走からの馬体減は避けるのが大前提。

皐月賞で一番中身が濃かったのはタスティエーラだった。超ハイペースを強気に早めの仕掛けで残り250先頭。残り50であっさり勝ち馬に交わされたものの、流れが向いたはずの3着ファントムにはきっちり先着。最後は3着以下とはほぼ同じ脚色だけに価値を見出せる。ネックは最速上がりの経験なし。直線入口でファントムを射程圏に入れながら追い負けた3走前など、良馬場で極限の瞬発力勝負になった際の不安は解消されてない。産駒の特長が不透明だけに二千四で化けることを期待するしかない。

そのタスティに1勝1敗。ファントムシーフタスティと似たり寄ったりでどうにも差別をつけにくい。デビュー2戦連続で最速上がりでもここ3戦は瞬発力強化の課題を抱えたままになっている。前々走はあくまで展開の利。他馬の消極性が味方して逃げ馬のチョイ差しで勝ちが転がり込んできた。少なくても2歳時の切れ切れのイメージが完全に消えて、今や相手なりしかいい脚を使えない差し馬としてレースぶりもイメージも固まっている。マイラーでも勢いでこなせるダービーとしても、瞬発力か、スピードに特化している馬がクリアできるというのが大前提。前走は展開がはまったにもかかわらず、2着馬を交わせなかったことがすべてを物語っている可能性が強い。

デビュー2戦が超スローで前走が超ハイペース。両極端のペースを経験してきたとはいえ、キャリア3戦だけの発展途上馬シャザーンがさらなるパフォーマンス向上は難しいだろう。必要以上の4角ブン回しから上がりNo2の前走でも、最後は完全に止まった脚色で最速上がりより0秒9も遅い数字に何の強調点もない。本来ならば勝ち負け可能だった理想的な位置取りだったからこそ、着差以上の完敗。時計勝負には何の裏付けもなく、何より前走までに少頭数や超スローのみで経験値の低さがひとつ越えられない壁を感じさせる。もう1戦のキャリアがほしかったのが本音。最後に付け加えれば高馬はダービーを勝てないという最強、最凶のジンクスが健在。