12、10⇒12、10、9、2、1⇒
12、10、9、2、1、14、7、13 (48点)
12-10、9、2-10、9、2、1、14、7、13、17(18点)
12⇔10、9、2、1 10⇒9、2、1
ブラウンラチェットの評価はいまだ揺れ動く。見た目は完璧な折り合いと圧巻の末脚で見事な完封劇だったが、数字的には拍子抜けになる上がりNo4。見た目ほど切れのなかった上がり時計では今後、ハイレベルなレースとなるほど弱点になることが否めなくなった。最速上がりより0秒5も遅く、好枠を引いてラチ沿いでじっくり構えられたからこそ完勝だった可能性が否めない。過去10年でレースの上がり時計はNo1タイとはいえ、前走よりペースが上がった際、馬場が悪化した際、外々を立ち回った際など些細な条件悪化でモロさや弱さを露呈することは簡単にイメージできる。
唯一誇れるはずの勝ち時計もどれを信じるかで真逆の評価になる。22年と同タイム。22年1~3着馬ラヴェル(オークス4着)、リバティアイランド(三冠)、アリスヴェリテ(クラシック未出走)からも世代エリートの数字が表れているのに対して、同日や翌日の勝ち時計(前半5ハロン-レースの上がり時計=最速上がり)比較では
翌日の未勝利1331(590-341=340)
同日の古馬3勝1336(594-342=328)
アルテミスS1338(602-336=328)
翌日の未勝利比較では5Fで1秒2遅く、時計は0秒7遅い。これだけペースが遅ければ本来、上がり時計は1秒以上速いのが標準的な時計で、未勝利3着馬の次走が掲示板外の惨敗でさらなるイメージダウンになっている。一方、同日比較では誇らしい。この時期に古馬3勝クラスと同レベルの時計はGⅠ級に直結することは言うまでもない。
22年比較で重賞~クラシック級。翌日比較で2歳1勝~オープン級。同日比較でGⅠ級。
さらにもうひとつの大きな懸念材料はフィジカル面。ギリギリまで引っ張った再入厩は自信の表れとみていたが、直前の馬体重10キロ減から回復に手間取ったか。この状態から長距離輸送で前走からの馬体減が避けられない状態となれば数字的にも状態的にも圧勝、惨敗の両極端の結果を覚悟しての狙いになる。
アルマヴェローチェは前走後に世代の主役になると確信した。とにかく内容がいい。4角前に直線外へコース変更しようとするも断念して馬場の悪い内目に切り込んで底力を感じさせる伸び。内目はパワーが要する状態で完全なる外差し馬場だったにもかかわらず、上がり36秒台がわずか3頭。その中で勝ち馬より0秒3も速い数字は価値ある最速上がりということ。
札幌2歳S3着ファイアンクランツが次走東スポ杯0秒4差の4着、5着レーヴドロペラが次走芙蓉S0秒1差の2着。8着ショウナンマクベスが出世レースの百日草特別を完勝でメンバーレベルに太鼓判。2着馬がGⅠとはいえ、牝馬限定戦で無様なレースになることはない。
さらに決定的な強調点は札幌2歳Sで3着以内の牝馬に"ハズレ"が少ないからだ。過去10年で札幌2歳S3着以内の牝馬は
14年3着レッツゴードンキ(ジュベナイルF2着、チューリップ賞3着、桜花賞1着、オークス10着)
15年3着クロコスミア(ジュベナイルF8着、チューリップ賞7着、フローラS14着)
16年2着ブラックオニキス(ジュベナイルF12着、オークス7着)
17年1着ロックディスタウン(ジュベナイルF9着、フラワーC13着、NHKマイルC18着)
20年1着ソダシ(ジュベナイルF1着、桜花賞1着、オークス8着)
2着ユーバーレーベン(ジュベナイルF3着、フラワーC3着、フローラS3着、オークス1着)
22年1着ドゥーラ(ジュベナイルF6着、チューリップ賞15着、桜花賞14着、オークス3着)
2着ドゥアイズ(ジュベナイルF3着、クイーンC2着、桜花賞5着、オークス9着)
計8頭。3歳春までのGⅠで3着以内の実績ありは実に5頭。ジュベナイルFは全馬8頭出走で2、8、12、9、1、3、6、3着。馬券圏外となったのは3頭。クロコスミアは今では考えられないキャリア8戦目。札幌2歳から3戦目というハードローテ。ブラックオニキスは4戦してようやく初勝利で札幌2歳Sが10人気という人気薄。ロックディスタウンとドゥーラは前走の札幌2歳Sが前々走より時計悪化の勝利だった事実。そしてロック18番、ドゥーラ16番枠という不利な枠順が追い打ちとなった。
同日比較からもレベル高さがうかがえる。
勝ち時計((前半3F)-5F-レースの上がり-最速上がり)
今年
重1503(610-372=363)、古馬2勝12で1105(347-588-358=349)
23年
稍1505(621-365=365)、古馬2勝12で1101(341-576-360=345)
22年
1500(615-363=357)、古馬2勝12で1093(338-575-355=350)
少なくても今年は22、23年より時計のかかる馬場で勝ち時計はほぼ同等ならば、22年よりひと回り以上、23年とは雲泥の差で高いレベルことが確定している。
22年1~3着ドゥーラ(主な戦績はオークス3着)、ドゥアイズ(ジュベナイルF3着、クイーンC2着、桜花賞5着)、ダイヤモンドハンズ(なし)。23年1~3着セットアップ(朝日杯7着)、パワーホール(共同通信杯3着)、ギャンブルルーム(共同通信杯8着)。
母のきょうだいに京王杯2歳S勝ち、朝日杯2着モンドキャンノ、オープンまで出世したカリボールで典型的なスピード血統。アルマは千八デビューと千八重賞の好走がむしろ驚きで、千六に距離短縮はイメージどおりの条件好転となって今回が一番の妙味。
|