J、4→3、I、5、8 (24点)
前開催より時計は速くなったが、差し追い込み馬の台頭も目立つ難解な馬場状態。前々有利は変わりなく、人気薄の差し追い込み型が穴馬という図式。
バグパイプウィンドはすでに南関東限定ならば無敵に近い存在になった。それでも気になるのが58`という酷量だろう。すっきりした見た目で、これまで57`の経験もない上がり馬。秘めた能力比較では断然でも、激走直後のローテーションもあってポカが十分にありえる。重賞でも通用するようなメンバーが揃ったことも不安を倍増させている。別定重賞で活躍するためにはここでとりこぼすことは許されない。力が入る一戦であることは間違いない。
ジルグリッターは個性派の追い込み馬として完成された。はまれば強烈な大マクりの離れ業は、戸塚記念圧勝からも重賞級の破格力があることがわかるが、仕掛けるタイミングを間違えば、勝てるレースでもとりこぼす前2走の結果も覚悟しなければならない。それでもバグパイプと似たような脚質で、こちらは反応抜群の気のいいタイプ。大井外千八ならこれまでよりレースがしやすくなることは確か。今の馬場状態で1分53秒前後が計算できれば、2`減の恩恵で金星がみえる。
軽量馬にも上がり馬が揃って侮れなくなった。タケノショウリュウは叩き3戦目で変身した前走が本来の姿。マッチレースで強烈な瞬発力のイーグルショウを競り落としたことは大きな自信につながる。3着馬と実に2秒8差のぶっち切り。破格の勝ち時計が一流を裏付けている。もとより出世は確約済みの期待馬に覇気が戻って新境地。いきなりオープン相手にぶつけてもヒケはとらない。
ロングウェーブは3走前にバグパイプに1秒3もち切られたが、6`の斤量差があれば色気が出る。休み休みでキャリア19戦の5歳馬はいぜんフレッシュボディー。戸塚記念勝ちから勝利が遠ざかっているが、高いレベルのレースでモマれてきた経験から格下感はない。一撃必殺の瞬発力で仕留めるにはじっくり仕掛けを我慢。
パワーを求められると分が悪くなるマルカシリウス。スピードを求められると打つ手のないサウンドサンデーは評価を下げた。