9−4、11、8、5 9→4、11、8、5 4→9→11、8、5 ラチ沿いの魔術師ヴィクトワールピサが外枠を引いても、この程度の相手に負ける姿はまったく浮かばない。ひと皮むけた王者のムード。3戦3勝の中山、天敵のブエナ不在、58キロではあまりにも恵まれた条件だろう。日本馬に負けたのはローズキングダム、エイシンフラッシュ、ブエナビスタだけ。外国遠征を除けば通算(6120)、負けても0秒3差に格の違うGT馬の象徴的な数字が表れている。千八を使って新境地を見出せるかどうか。始動がいくらか早いことだけが気になる唯一の材料。 リーチザクラウンはどう乗るかに興味がわく。一貫性のないローテーションで破滅していった典型的な例だが、鞍上が差しにこだわりすぎたことも否めない。控える競馬ではすでにはっきり底がみえている単調な気性。前走も最速上がりの33秒台の末脚とはいえ、周りも同じような脚を使って見た目には目立たない瞬発力だった事実。スランプ脱出のきっかけは間違いなくデビュー当初の暴走気味の逃げにかかっている。不振の鞍上はある意味今年が正念場だが、重賞で必要以上に控える競馬連発の近況では大きな期待は望めないか。ハナが切れなくてもとにかく積極策が絶対条件。 リルダヴァルは2歳時と一変してジリなイメージが定着しつつある。ハードなローテーションで使えるレースはとことん使ってきたが、走るたびに評価を下げている。前走も4角の手ごたえは抜群。勝てる感触がありながら、サンライズペガサス程度に競り負けるのが現状の力関係。確かに直線入口で前が壁になって仕掛けの遅れはあったが、最後まで交わせる勢いはなかった。再び坂のあるコース替わりでますます窮地に立たされる。 キャプテントゥーレは展開の利だけが強調点になる。これだけ波のある戦績は強さとモロさ同居というより、展開に左右されやすい単調な気性ということ。昨年の重賞勝ちはあくまで手薄なGV。行きたいマルカ、掛かるリーチに自在型のヴィクトワールなど、ハナを切っても楽な流れにならない相手関係では強気になれない。 マルカボルトは前走の重賞経験を生かすチャンスが回ってきた。伸びそうで伸びなかった前走は残り100で力尽きてゴール前の急失速。着差以上の完敗だが、二千までの距離経験だったことや初重賞などを考慮すれば、価値ある一戦になったことは間違いない。乗り替わりはひとつの刺激でさらなる飛躍を期待。 意外性のキョウエイストームは走っても走っても人気にならなければ妙味十分。スローの上がり勝負に強い混戦要員だが、前走は勝負どころで前が壁になって仕掛け遅れなければ勝機も浮かぶ瞬発力だった。この時期に調子を上げている実績は侮れない。
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