7→10、14、4、12
10→7→14、4、12
7、10-14、4、12、8、2、5、15
王者トランセンドが完全復活する。ステップレースの前走でハナさえ切れば本番は上位を外さないと確信した。それぐらい規格外の内容だったことは言うまでもない。逃げ馬の大暴走を徹底マークするという強気の乗り方。ハナにこだわりたかったのか、執拗に追いかけて千百の通過は今年1月に不良馬場でレコード勝ちとなった川崎記念より0秒5も速いラップを刻んでいる。同日C2の千四比較で0秒8、千六比較で0秒5遅い時計がJBC当日の馬場状態。少なくても0秒5~1秒ほど時計のかかる馬場にもかかわらず、レコード決着を上回るラップなら大バテしても驚かなかった。それでも徹底待機から流れはまって追い込んだ2着馬に0秒6差に踏ん張ったことが王者の底力。苦手意識のある番手からの競馬だからなおさら価値がある。ハナを切ればある程度のハイペースも我慢できる典型的な逃げ気性。先行さえできずに惨敗したレースを除けば、千八ですべて掲示板のベスト距離。さらに3戦3勝のベストコースが加われば、ハナを切った時点で勝ち負け。
6連勝で重賞連勝したローマンレジェンドは天井知らずの成長力が魅力。自在に捌けるレースセンスで、追えば追うほど伸びる末脚はますます磨きがかかってきた。3走前は直線だけでぶっち切り。前々走は斤量差があったとはいえ、一騎打ちからレコードに0秒5まで迫る時計で振り切った。前走は12秒5-12秒5-12秒5という減速なしの上がりレースラップを直線前が壁になるロスも関係なしの鋭さで差し切っている。トラン、エスポワール、ニホンピロなど先行馬の直後で折り合える位置取りから好機のマクり。
エスポワールシチーはGⅠで消極策になる鞍上だからこそ、怖さがない。この馬が控える競馬でも強さを発揮するのは千六まで。追い比べで勝負にならなかった帝王賞や直線入口で勝ち馬に並びながら突き放されたエルムSなど、はっきりと特徴が表れている。トランの強引な逃げにローマン、ワンダー、ニホンピロなど次々と前々の位置取りにこだわれば、一番避けたい馬群の中の位置取り。アドリブが利かなくなった鞍上に策はないか。
ニホンピロアワーズの前走はイメージ一新の同タイム2着だった。地方馬場に良績集中のパワータイプが時計、上がり勝負に対応したことに驚いた。走る京都を割り引いても良馬場で自己ベストに迫る数字に5歳ピークが表れている。ローマンが同斤量に対してこちらは1キロ減。上がり勝負では分が悪いが、ある程度流れて底力が求められるようなサバイバルになればローマン逆転可能な計算が成り立つ。
ワンダーアキュートの前走はこの馬の位置取りでもハイペースだったが、直線まで内々で仕掛けを我慢できたことは勝負どころから追い通しだった2、3着馬と何より違うところ。すべてにはまっただけに着差ほど抜けた能力ではないことがはっきりしている。理想の馬体に近づいて太めで不振だった今年初めより確実に状態アップがむしろ強調点。脚をためれば不発なしがわかれば、再びラチ沿いの位置取りにこだわるだけ。
トゥザグローリーがスランプ気味になったのは芝への限界か、鞍上とコンビ間の問題か。ここではっきりさせたい。GⅡ3勝、GⅢ2勝にもかかわらず、10度GⅠに挑戦して3着が2度だけで、7度の掲示板外はいかにもバランスが悪すぎる。ためればためるほど切れるタイプでもないが、それでも徹底して待機策にこだわる乗り方では当然だろう。京都記念勝ち以来となる外国人ジョッキーとのコンビなら変わる余地。母も晩年ダートにも良績で、早めのマクりが理想的。
イジゲンの前走は相手に恵まれたことがすべて。雨が降って稍重に近い馬場にもかかわらず、前日のパサパサ馬場だった1600万より0秒4も時計が下回ったことで浮き彫りになる先行馬のだらしなさ。大出遅れから直一気を決めたレースぶりは強烈なインパクトだが、数字的には重賞級にほど遠いレースレベルだったことがわかる。五分に出た前々走が珍しく、常にゲート難に悩まされている悪癖持ちなら、前走より直線短くなるコース体形でさらなる試練が待っている。いずれにしても今回こそが本当の試金石。
不良馬場でレコード決着となった川崎記念より速いラップを刻んだ前走は、まさにシビルウォー向きの展開だったということ。スタート後にまったく行き足つかずが逆に奏功した。向正から仕掛ける大マクりは結果的に早仕掛けだったが、それでも前々の位置取りだった馬にち切られたのが現状の能力差。時計を求められるJRA馬場ではますます条件が悪くなる。パワーが求められる地方馬場こそが活躍の場。 |