2、9⇒2、9、10⇔2、9、10、3、6、7 (28点)
リアルスティールの勝負弱さは馬自身なのか、血統なのか、鞍上なのか。ここで真価を問いたい。ドゥラメンテに軽く差し切られた皐月賞、ダービーは納得の完敗としても、スプリングS、神戸新聞杯、菊花賞は勝てるレースを取りこぼしてきた事実。いずれもスローの上がり勝負で必要以上に控えた消極策がネックになった嫌いもあるが、それでも本来末脚自慢のディープ産駒が、のちのGⅠ馬とはいえ、マイナー血統に競り負ける失態の連続でどうにもイメージは良くならない。重賞で良績を残せず、中距離路線から撤退した兄ラングレーの勝負弱さとどこかダブる。宿命のライバルと同様に休み明けだが、菊花賞出走の経験値の差を活かして少なくても賞金加算は最低条件。ここは今年を占うためにも単なるGⅡ戦ではなく大事な一戦となる。
そのライバルの二冠馬ドゥラメンテがいよいよ始動する。軽度とはいえ、両前脚の骨折で9か月の休み明けなど試練はあるが、デビューから前々走まで最速上がり連発の瞬発力に陰りは出ないだろう。前走でもレースレコードタイ。デビュー戦は自信過剰な乗り方、3走前は鞍上にとっても黒歴史となるデビュー10年とは思えぬ大へぐりの取りこぼしで納得の2着。とにかく豪快で鮮やかな勝ちっぷりは記憶にも記録にも残る強烈なインパクトを残している。リアルより不利な条件は重なっても負ける姿のイメージは浮かばない。世界も見据えている超一流馬に休み明けで無理をさせなかった際が唯一の負けパターン。馬券を外しても驚かない試走ムードの手探りでどこまで走るか。まずは4角で膨れ気味になる悪癖を矯正することが一番の課題。
アンビシャスには距離の限界が見え隠れして、これからは迷いなく千八以下を照準の挑戦になるだろう。やはり気性的に千六~千八ベスト。課題となっていた気性難が前走でモロに露呈して、鞍上が苦労するほど引っ掛かり癖。それでも4角で手応え十分。終わってみれば0秒2差まで迫れたことが底力で、春当時よりスケールアップが裏付けられた。ドゥラ、リアルとは違って古馬相手に経験済み。とりわけ前々走はその後AJCCを制した2着馬ディサイファ、その後天皇賞とマイルCSで連続3着のイスラボニータに上がり時計で0秒6以上も上回る快挙は頼もしい。スローの上がり勝負でこれだけの差は少なくても同格か、それ以上の能力の証そのもの。馬体的にも千六~千八をにおわせるマイラーよりのスピード型が虎視眈々。
徹底した千六~千八のローテーションを歩めばもっと本格化したものの、二千の重賞を追いかけてすぎて距離を見極めるのに時間のかかったイスラボニータ、ロゴタイプはすでに底割れの現状。中距離路線でこれだけ鋭さ負けが続けばガチンコ勝負で策がなく、ロゴはコース適性の高さ、イスラは距離適性の高さに頼るしかなくなった。上り詰めるだけの4歳馬とゆっくり下り坂の古馬とは明らかな勢い、成長の差。4歳馬よりどちらも2キロ増の斤量では古馬の意地を出せるかどうかも疑問になって、鞍上マジックも期待できない配置では色気も新鮮味もない。 |