1⇒3、7、6⇔3、7、6、10、9 (18点)
今年、数少ないディープ産駒のエリート馬、ムーヴザワールドに重賞の壁はない。デビュー戦でクラシック最有力候補と確信している。とにかく見た目も数字も規格外の前走は圧巻の内容。エアウィンザーの完全なる勝ちパターンを崩した勝利は着差以上に貫禄を感じさせた。スムーズに抜けてきた相手と違って直線で何度も窮屈。エンジンかかるのに時間かかったが、それでも残り100からの瞬発力だけで差し切った瞬発力が超一流を裏付けている。その2着エアは次走も超ハイレベルな数字を残して完勝。上がりレースラップがすべて11秒台で1分47秒台の勝ち時計はフロックでないことが改めて証明された形となっている。見た目の良さと良血がリンクすれば、大仕事の期待が膨らむのも当然。自在性と勝負強さを兼備して一級品の切れ味はじっくり折り合える東京コースでさらなる磨きがかかる。
ブレスジャーニーはどうにも判断に悩む。馬場やメンバーを考慮すると低調だった可能性も否めない。2、3着馬は時計勝負や瞬発力勝負に確かな裏付けがなく、いずれも休み明けだった1戦1勝馬。ムチを使わないで軽くしごいただけで残り250先頭のレース内容はインパクトがあっても、数字的にはごく標準レベルだけに上位確定シグナルの評価が出てこないのも仕方なしか。前々走で行きたがる仕草からもどのみち最後方に近い後方待機。母母はエアグルーヴの半妹という良血の底力頼り。
ブレスほどインパクトはないが、キングズラッシュは大人びたレースぶりで存在感を示してきた。前2走はいずれも同タイム勝ちだが、前々走は馬場入場後に放馬、さらにレースでは必要以上に外々を立ち回ってかなりのロスがあったが、二段加速のマクり競馬で後続を完封。前走は向正面から前後変わらずの隊列となった2着馬にマンマークを受けながら、自らのスタイルを崩さずに凌いでいる。ディープ産駒より劣る瞬発力はレースセンスの良さでカバーして安定性あるのがルーラー産駒の特長か。瞬発力型との脚比べで能力を測りたい。
教育のために控える競馬を教え込んだはずのスワーヴリチャードが前走でスタートミスから道中掛かって最後ヨレてゴール。何が何でも勝ちに行く姿勢はある程度理解できても、教育先行でペースを見極めきれずに直線まで徹底待機の前々走をすべて無駄にするような前走で改めて鞍上の衰えを感じさせた。手前の替え方にも課題を残していたが、追い始めてから残り1ハロンまで逆手前でもそんなことは関係なしにムチを連発。最後はヨレながらのゴールでは驚くような成長が期待できない。
馬っぷりに大物感のないトラストが瞬発力型を相手に太刀打ちできる姿はまったくイメージできない。洋芝とはいえ、上がり36秒台で限界のパワー型が先行して34秒台、好位差しで33秒台の脚を求めるには無理がある。前走の2着馬が次走の重賞で掲示板外、3着馬が自己条件も勝てないほどのレースレベルの低さならば、まずは直線坂コースの経験レベルまで。 |