1、10⇔1、10、2、8⇔
1、10、2、8、13、18、15、7、6 (100点)
1、10、2、8、13、18
前日1番人気でリーチのかかるサトノアラジンがGⅠに届くのか。数々の重賞を取りこぼしてきた致命的な勝負弱さは血統的な根底からとして評価が固まっている。デビュー2戦目の東スポ杯、続くラジオNIKKEI杯で連続の1番人気を裏切ったことから始まった。2番人気だった共同通信杯もイスラボニータの3着まで。神戸新聞杯9着は距離的に納得できても、エプソムC、富士Sは連続の1番人気でいずれも2着。昨年のマイルCSは3番人気で4着。3走前の京王杯でようやく初重賞制覇、前走も相手に恵まれたとはいえ、連続でGⅡ制覇は以前より地力強化していることは間違いない。それでも組みやすい相手だったことが否めない。難敵ディープ産駒が絶対的に少数だったことが最大の要因の可能性がある。
ディープ産駒は3走前が13番人気のサザナミのみ。前走は2着8番人気のサトノルパン、9着1番人気のフィエロ。ここ6戦で勝った2戦だけが最速上がりからもうかがえる強力な瞬発力型不在の重賞制覇だった。一転して今回はディープ産駒が8頭。単純な千六限定の上がり時計はメンバーNo2だが、直線平坦の千四以上になるとメンバーNo11まで落ち込む。
直線の長さが生命線になるストレッチランナーにとって胸を張って挑めるほどの結果を残してないのが現実。結局、どんな流れにも対応できるほどの爆発力がないことが数字に表れている。後方待機の瞬発力型としてはもうワンパンチほしいのが本音ということ。パンパンの良馬場で結果を残してきただけに回復中の馬場ではさらなる輝きというより、直線もがく姿が浮かんでくる。
絶対的な王者不在で各馬にチャンスが巡ってきて、人気になるのが3走前に重賞初勝利のアラジン程度ならば各馬に色気が出るのも当然だろう。とりわけアラジン以外の人気薄のディープ産駒には力が入る。
まずは7歳以上のロートル馬だが、いずれもひと叩きというよりすでに衰え先行の不甲斐なさが否めない。フィエロは絶対的な自信のある京都(152101)で前走初の掲示板外が衰えの前兆か。メンバーNo4の脚を使って大出遅れから0秒6差だが、見た目には往年のイメージが薄れるほど完全なる鋭さ負けだった。安田記念3着も過去10年で良馬場のワースト2という平凡な時計だからこその好走。歴史に残るレースレベルの低さならば、本来GⅠではワイドラインが大きな壁か。持ち時計が過去の数字になりかけて、瞬発力にも陰りが見えている7歳馬はひと叩きでも期待薄。ダノンシャークはフィエロよりもっと深刻。随所に上がり33秒台の末脚は使っても1分33秒前半にはっきり限界がみえている。自身の持ち時計からかけ離れた平凡な時計でもがく姿を露呈し続けている8歳馬に上がり目なし。
同じディープ産駒、高齢でもダコールはいくらかトーンが違ってくる。前走はあくまで鞍上の博打乗り。各馬がラチから離れて追走する中、唯一ラチにぴたりとはりついて立ち回ったのが裏目。直線半ばからまったく追わなかったことからも捨てレースとして度外視していい。年齢を重ねて休み明け(123211)が唯一走るステップ。京都(422111)、千六(131000)、8戦続けて58キロから久しぶりに1キロ減の57キロなど、走る条件は揃っている。前半置かれすぎずに立ち回れるかどうか。鞍上の腕に託す。
ディサイファは最初で最後のGⅠチャンスとなる。年齢とステップが嫌われてたのか。前日の低人気は意外だったが、GⅡは8戦して7戦で掲示板確保を含んだ2勝、2着2回。GⅢは5戦してすべて掲示板の2勝、3着2回。GⅠこそ掲示板の経験がないが、それでも天皇賞秋は2年連続挑戦で0秒6、0秒5差。前々走の安田記念は勝ち馬ロゴタイプ、イスラボニータと同じ上がり時計から0秒3差で、少なくてもアラジンより実績は断然上。GⅠ級の評価が可能になっている。数字以上に太かった前走からひと叩きは理想的なステップ。へぐりの多かった前任騎手から乗り替わってスタート良化にムード一変の兆しが漂っている。2度目のマイルで変わる余地。前日11番人気はあまりにも過小評価で人気の盲点になった。
ディープ産駒以外で人気はイスラボニータだが、昨年のマイルCSをピークにゆっくり下り坂は数字からもはっきり伝わる。マイル照準のシフトチェンジの遅さが古馬相手の重賞未勝利に直結。4連勝で皐月賞制覇など昔話で2年前のセントライト記念から勝ち鞍がなく、最近は驚くような数字で走ってなく、ほぼ相手なりに終わっているのが現実だろう。数字以上の太めだった前走も勝ち馬をマンマークから結局並ぶこともできなかった完敗。メンバーNo3の上がり時計や斤量を考慮しても、得意の東京(423011)からのコース替わりでさらなる試練が待っている。瞬発力勝負より馬場回復が遅れて少しでもパワーを求めらる決着を待つしかない。
人馬ともに意外性を強調できるマジックタイムは侮れない。牡馬相手にも結果を残してきた今季はとにかく体調ピーク。終い確実に伸びてくる地力と根性で前々走は最速上がりから連続の持ち時計更新。前走も数字どおりの太めながらキャリア不足の千八で2着がスケールアップの証そのものとなっている。千八(020000)から千六(531004)。オークス惨敗後は負けても0秒6差のレース巧者は人気的にも妙味十分。
外枠を引いてむしろレースがしやすくなったのがミッキーアイル。ハナにこだわればもっと重賞勝ちも増えていたが、鞍上はなぜか相手に合わせて恰好をつける。自分のリズムが崩れて自滅の繰り返し。3走前と前走で逃げベストを確信したのかどうかも疑問が残る。千二の持ち時計No1のスピードは問答無用の逃げでエンジン全開。外枠から強引でもハナにこだわって本領。控えた時点でレースは終わる。 |