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中山裏読み
関東
1R2R
8R9R10R11R12R
関西
1R2R
9R10R
11R12R
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中山11R

3連単1着BOX8⇒10、4、16、9、2、3、13

3連単10⇒8⇒4、16、9、2、3、13、6、5、11

3連複フォーメーション8-10、4、16-

10、4、16、9、2、3、13、6、5、11 (24点)

馬単8⇒10、4、16、9、2、3、13

10、4、16、9、2、3、13⇒8

スプリント戦が銀行レースだった頃など遠い昔話になってきた。今や日替わりで重賞馬がコロコロ変わる戦国時代。時計的にも超低調でスプリント界の層の薄さや重賞レース乱立の弊害が如実に表れている。

同じ週に同じ距離があった比較のしやすいレースでは
函館スプリントが同日500万より0秒7速い時計。
キーンランドCは前日500万より1秒2速い時計。
北九州記念は同日1000万と同タイム。
CBC賞は同日500万より1秒1速い時計。

ロードカナロアが最後に勝ったスプリンターズSは同日1000万より0秒9、高松宮記念は0秒7速い勝ち時計だったことから、近年のスプリント界はクラスがひとつ以上も低いことがうかがえる。言い換えると時計的には1600万~オープン特別程度のレベルで届く計算。

レッドファルクスは昨年と同じようなローテーション。デビュー4戦目の昇級初戦、根岸S、香港だけ掲示板外、GⅠ勝ちを含んだ休み明け(301103)はむしろベストの選択だ。再び芝路線を歩み始めた前6走から馬が激変して千四までなら圧倒的な強さ。連覇の可能性は十分にある。
まずは昨年のスプリンターズSから振り返りたい。逃げ切り勝ちとなった同日の500万より前半のラップが遅いという前々有利の流れを差し切った内容は見事だった。4角で先頭から約4馬身差。坂上までジリっぽかったが、残り100からエンジン全開。上位の中で唯一目立つ脚色はメンバーNo7となった上がり時計以上に迫力があった。ペースが上がれば時計は縮めると確信。
昨年暮れの香港競馬はただ回ってきただけのレースで出遅れだけでなく、減った馬体からもうかがえる状態の悪さとして割り切るしかない。
高松宮記念は残り1ハロンで一旦2番手に浮上するが、残り100で交わされる失態。どこかソラを使ったような走りで併せてもうひと伸びから意外に気性面に難しさ。併せる形が理想の混戦に強いタイプであることを改めて印象付けた。
前々走は最速上がりで直線ゴボウ抜き。直線入口で一団になるようなスローの瞬発力勝負を制した。着差こそないが、残り100で突き抜けてきた脚色はまさに豪脚。どうやら千二でも単純な時計勝負より、流れが遅い瞬発力勝負に強さを発揮か。
前走は直線でまともに捌ければ勝っていたレース。上がり33秒台がわずか5頭だけで、メンバーNo3の上がり時計は千六OKを裏付ける決定的な証となった。この週は外差しが一切利かなかったが、なぜかこのレースだけ外差し追い込み馬が台頭。この馬は残り250まで行き場がなく、外へ外へコース変更して最後は勝ち馬と同じ脚色でゴールという内容なら負けて強し。
いずれにしても距離は千六まで、瞬発力勝負にもメドを立てた元短距離王者? 前短距離王者? は昨年以上のパフォーマンスの計算が成り立つ。能力そのものは過去のスプリント王者と比べても遜色ない。

前走で時計勝負の弱さを指摘したメラグラーナだが、持ち時計を更新しても評価の上積みはない。確かに前走はレースのアヤでツキはなかった。3着馬の直後から直線向いて3着馬は外へ、こちらは馬群に突っ込んだのが勝負の分かれ目。スムーズに捌いた3着馬に対して馬群を捌くのに一瞬手間取るロス。残り150で窮屈になったことが結局最後の最後に響いたことになる。逃げ、番手馬以外はすべて上がり33秒台で32秒台3頭、33秒0が2頭ならば、上がり時計そのものに驚きもない。中山(300000)はすべて1分8秒台の決着。前走より1キロ増の斤量で、いぜん極限の時計勝負に課題を残す牝馬。ここが本当の力試しのレース。

ダンスディレクターは年齢的に最後となるGⅠ勝ちのチャンスだが、鬼門の関東で評価が揺れる。中山、東京それぞれで1度きりの経験だが、京都(630100)、阪神(111202)、中京(021000)。得意な京都以外は相当な落差。京都に良績集中で取りこぼしの多い阪神、未勝利の中京から直線平坦ベストは間違いない。中山、東京でいずれも4番人気だったにもかかわらず、フタ桁着順の大惨敗は偶然ではないだろう。昨年は同日500万より前半3ハロンで0秒6、4ハロンで0秒7も遅いというスローの流れ。GⅠになっても差し馬歓迎の驚くようなペースになりにくくなれば、大外枠から直一気のイメージはますます浮かばなくなる。京都の内回りより直線の短い中山。4角である程度の位置取りを確保しないと勝ち負けまでに大きな壁。最後の瞬発力を犠牲にして位置を取るか、展開負け覚悟で自分のスタイルにこだわるか。どちらにしても乗り難しくなることは避けられない。

セイウンコウセイの前走は鞍上の資質の低さを目の当たりにした。ペースを見極め切れないペース音痴ぶり。スタート直後に11秒台突入で2ハロン目から10秒台を連発したハイペースにもかかわらず、逃げ馬を4角前から交わしにかかるという早仕掛け。当然ながら最後は完全なる失速で着順、着差以上の完敗に大一番でのへぐりが心配になってくる。急遽代打の前々走は気楽に乗れたことと道悪のうまさが奏功。人気になって人馬共に本質の問われる前走で自爆すれば、ここは人気になって妙味はない。持ち時計そのものは標準レベルでこのメンバーNo4。単純な上がり時計比較ではメンバーNo11。器用さだけが頼りの単調な先行馬は4角で先頭から1、2馬身差という勝ちパターンの位置取りを確保できるどうかだが、GⅠ馬という威厳も凄みも感じられないのが本音。

セントウルSを回避したビッグアーサーはひとまず試走ムード。テッポーOKの仕上がり早で休み明け(310001)に大幅な減点はないが、年齢に加えて海外帰りの初戦に強調点がない。すべてのリズムを狂わせた前走は思った以上のダメージがあったということ。昨年のスプリンターズSは逃げ切り勝ちとなった同日の500万より前半3ハロン、4ハロンでそれぞれ0秒6、0秒7も遅いラップ。各馬が手応えのある中、絶好枠がアダとなって直線入口で内へ外へ行き場を探したが、残り100で他馬との接触があってレースを終えた。
前走は乗り替わりがすべて。あれだけ安定していたスタート上手の馬をまさかの大ミス。スタート直後に早くも逃げ馬から4馬身差の出遅れは致命傷で、勝ち負けまで持ち込むのは無理な話だった。高松宮記念はレコード当然の馬場状態で同日500万よりわずか0秒6速い程度の勝ち時計。セントウルSもレコード当然の超高速馬場で、4角の前5頭中4頭が掲示板の前残り。圧倒的な数字を誇る千二(820012)のGⅠ馬だが、中山で1分7秒前後の決着に対応できるかは微妙になってくる。時計がかかることをひたすら待ちたい。

時計的には完全に条件レベル。それでも前走で重賞制覇となったダイアナヘイローが低調スプリント界の象徴的な馬だろう。結局、器用さとスタートセンスの良さと完全燃焼型がすべてリンクすればGⅠにリーチがかかるということ。ひと昔前なら完全無視が可能なほど時計的にも瞬発力的にも何ら強調点を見出せないが、差し馬の凋落ぶりにも助けられて勝負弱いイメージを返上してきている。それなりに役者が揃った初の関東遠征でどこまで踏ん張れるか。中身が伴わない人気馬にとってかなりハードな試練のレースになる。