2⇒12、8、16 (18点)
2⇒12、8、16⇔5、7、4、11、14 (30点)
2-12、8、16-
12、8、16、5、7、4、11、14 (18点)
2⇔12、8、16、5、7、4、11、14
菊花賞、天皇賞春、皐月賞は休み明けや浅いキャリアなど過去に苦戦を強いられていた条件で度肝を抜くパフォーマンスに驚いた。外厩がトレセン並みに整った設備となってむしろトレセンより効率よく仕上げられて、成長も促せるようになったと納得するしかない。
昔の非常識が、今の常識へと変わりつつある変革の時期に差しかかったとはいえ、これまで常識を覆してきたのは牡馬。牝馬は以前の傾向のままと信じて過去30年の傾向を重視したい。
オークスでひと息入れたローテはほぼ見限ることができる。過去30年、1~3着馬の90頭の中で4月以前、3月からぶっつけで使った馬はわずか1頭だけ。
96年1着エアグルーヴ(良馬場で勝ち時計2分29秒1)。レースの上がり35秒0だが、上がり34秒前半が鬼脚と言われていた時代。前後の年と比べると破格の瞬発力勝負で超スローの瞬発力勝負だったことがうかがえる。
エアはオークスまでにキャリア5戦。暮れのGⅠ2着でチューリップ賞勝ち。デビュー2戦の千二を使って3戦連続の千六から参戦した。
唯一、3月からのローテになるコントラは時計や着差の凄さより、いかにも楽すぎる勝ち方を懸念。エア同様にひたすら超スローの瞬発力勝負を待つしかない。
もうひとつ大事なのはキャリア。これまで少なくてもキャリア4戦がギリギリのボーダーライン。キャリア3戦で馬券に絡んだ馬は
90年3着ケリーバッグ(年明けデビュー、桜花賞2着)
06年1着カワカミプリンセス(年明けデビュー、スイートピー1着)
09年2着レッドディザイア(年明けデビュー、桜花賞2着)
16年3着ビッシュ(年明けデビュー、フローラS1番人気5着)
共通しているのがすべて年明けデビューの勢いをそのままオークスにつないだということ。GⅠ経験の有無も大きく左右される条件で、2歳デビューでGⅠ経験のないラヴスにとって人気ほど信頼度は高くないことがわかる。
このサイトで何度も言い続けているようにオークスで距離云々を語る必要はない。とにかくこのレースは過去にマイラーが馬券圏内を連発、むしろマイラーの方が良績を残しているイメージさえある。折り合いさえつけば関係なしの特異なレース。
もうひとつ意外な結果を連発しているのが前々有利のラップにもかかわらず、逃げ先行馬の不振は際立っている。がらりと馬場が変わった過去10年に絞ると5ハロン通過が
09年から昨年まで
61秒0
60秒6
60秒7
59秒1
59秒6
60秒7
61秒3
59秒8
61秒7
59秒6
過去30年に広げても逃げ馬の好走は
91年1着イソノルーブル
04年1着ダイワエルシエーロ
11年2着ピュアブリーゼの3頭しかいない。
最近は高速馬場となってラップ以上に前が楽な展開だが、それでも過去10年で逃げ馬は1頭だけの馬券圏内。どんな流れでもいかに瞬発力が大事になるかが伝わるはず。
7年前のレースレコードとなった59秒1は異例とはいえ、今年はこのラップを刻んでも前が残れる超高速馬場であることは間違いない。
過去10年で4角2番手から馬券圏内は
10年3着アグネスワルツ
17年1着ソウルスターリングだけ。
10年は道悪で馬場差が微妙だが、11、17年の先行馬が残ったラップを考えると61秒以上の遅さでようやく逃げ先行馬が勝ち負け、60秒台以下の速さになると逃げ先行馬は勝ち負けから遠ざかるということがはっきり表れている。今年はこれだけ行くしかない馬と行きたい馬が多数。ハナ切る競馬で良績集中のコントラ、ジョディーがある程度、お互い突っ張るはずで、5ハロン通過が61秒より遅くなることは到底イメージできない。
鞍上が無双状態のコントラチェックは実力以上の人気になる。確かに前2走は見た目以上に強い内容だった。前々走は終始3馬身差ほどリードとした単騎逃げで好時計の横綱相撲。前走はムチを使わずの圧勝劇。それでも楽すぎる勝ち方を連発してGⅠに挑むと命取りになる馬が多数いるのも事実で、逃げられなかったレースの負け方の淡泊さからもモロさが見え隠れする。
一連の相手が弱すぎたことは否めない。前々走の2着タンタラスも1分34秒2の好時計だったが、次走は自己条件であっさり惨敗。1分34秒6の3着ポリアンサも次走は自己条件で掲示板から漏れた。前々走は少なくても時計ひとつ以上の割り引きが必要になっていることははっきりした事実だろう。
前走も同様の評価。2着エールヴォアの桜花賞惨敗がレベルの低さを物語っている。3着ランブリングアレーはキャリア3戦目だったこと。次走オープン特別は2番人気で4着ならば、レースレコードとなった桜花賞組とレベルの違いは雲泥の差か。
いかにも外厩頼りの追い切りでオークスに実績のないローテ、ハナと番手の内容に落差など、過去30年90頭の1~3着馬に良績のない悪条件が2つも揃えば見限るのが常識的だ。
コントラと似たような人気先行になりそうなのがラヴスオンリーユーだ。3戦3勝で鞍上にミルコのディープ産駒。実力以上の人気になりやすいミーハー好みを嫌った。
外厩の設備充実で、今や昔と違って休み明けの方が走る馬も多数。ローテから見限ったコントラにはわずかな光もあるが、キャリア不足の馬は凡走し続けてきた過去30年の記録を覆すのは難しいだろう。
これまでキャリア3戦で馬券に絡んだ4頭はいずれも年明けデビュー。勢いそのままに一気に上り詰めた過去の歴史で、4頭中3頭は前走が重賞2着以内か、1番人気。例外だったカワカミプリンセスは逃げ~追い込みという自在に立ち回って勝ち上がっていた。慢性的なスタート難を抱えるラヴスには脚質、展開的にも厳しいか。
コントラ同様に今までの相手は弱すぎた。前走の2着ルタンブルはフラワーC10着、3着キラープリンセスは自己条件の掲示板外からの変わり身。確かに3戦連続の最速上がりで天井知らずの瞬発力は驚異だが、千六の持ち時計も二千の持ち時計もNo6というごく標準的な数字。単純な上がり時計比較はNo16、二千限定の上がり時計でさえNo6ならば、強調材料はもはや着順の字面だけとなる。先週よりもさらに外差し馬場の傾向が強まったことは外枠の馬にとっていい材料でもないだけに、各馬が外へ意識が高まればさらに外へ張り出される覚悟。
本来ならば本命はクロノジェネシスだったが、このコンビでは3回に1回しか"まともに"立ち回れない、3回に2回は下手に立ち回る。先週のヴィクトリアMが象徴的で先週、鞍上を持ち上げたことを早くも後悔している。"今年は初GⅠ勝ちや自身の重賞勝ち数を塗り替えてひと皮むけた"と判断したのが大きな間違いだった。やはり"東京素人"、いや"東京ど素人"、"ガラスの心臓"がしっくりくる。
先週は3番人気の馬に乗っているとは到底思えない大へぐりだった。直線の判断の鈍さ、悪さがすべてを物語る。直線入口で一番前の前方に6番人気の馬。少し遅れて右前方に8番人気、左前方に2番人気の馬がいれば、前方と右前方の馬が下がってくると判断するのが常識。2番人気の馬の直後につくコース取りをするのがごく普通のジョッキーだが、周りがまったくみえてないのか、考えてないのか。あっさりと右側のコース取りを選択して残り100の時点で狭くなって急ブレーキ。自ら致命的な不利を受けるようなコース取りで一気にズルっと後退してレースを終えている。
アルアインでGⅠ勝ちは人気的に気楽に乗れて馬場も特異だったことで展開にも恵まれた棚からぼた餅的なGⅠ勝ち。ある程度の人気を背負い、先週と同じ試練の内枠。千六の持ち時計No1、千六限定の上がり時計No2で東京2勝。姉ノームコアという確かな数字と血統を兼ね備えても不安しかない。仮に外国人ジョッキーとコンビを組めば、今以上に人気と期待を背負ったはず。奇跡の完璧騎乗を期待するより、取りこぼし覚悟で狙うしかない。
ダノンファンタジーはどうか。現実に引っ掛かりながら3走前にクロノを子供扱い。前々走は再び行きたがりながら直線ドン詰まりで一瞬の差し切り勝ち。前走はまたも掛かり気味で仕掛けのタイミングの差という結果に終わっている。さらなる距離延長で間違いなく掛かるが、能力やエンジンそのものが同世代牝馬と完成度が違っているのも事実。まったく追わずに楽勝した4走前を除けば、常に上がり34秒前後が計算できる瞬発力は驚異しかない。レースのレベルが上がると鞍上の技術の低さが見え隠れしてきたが、単純な能力比較では軽くGⅠを勝てるレベルに到達。道中はラチ沿いか、馬群の外々を立ち回るか、内か外かはっきりした位置取りで立ち回って本領だろう。桜花賞以外の路線から挑む馬には本来、負ける姿など考えられないほどズバ抜けた数字を残している。
経験豊富な距離だったシャドウディーヴァが前走でまさかの惜敗。直線で前が開くのをひたすら待ってラチ沿いから実質、残り150だけの競馬だったとしても、勝ち馬に鋭さ負けした事実は見逃せない。上がり33秒台以下5回はメンバーNo1の数字。前2走の重賞でいずれもメンバーNo2の上がり時計など、レースレベルに問わず不発のない瞬発力は胸を張れるが、一線級相手では強烈な武器にならないということの表れでもあるか。血統的にも体型的にも理想どおりの距離延長だけが頼り。
直線手前までラチ沿いの位置取りだったウィクトーリアが直線早々から外へ外へコース変更。残り300では前の詰まる場面もあったが、残り250で前がクリアになると瞬発力型のシャドウを上回る最速上がりの直一気には驚きさえある。見た目以上のパワフルな走りはさすが母ブラックエンブレムという超良血馬。半兄ブライトエンブレムはデビュー2戦で燃え尽きた早熟タイプだったが、すでに兄以上の活躍が確約できる好馬体へと成長、スケールアップしたことを示すレースになった。前走まで逃げベストのモロさ同居から馬群を苦にしない精神力が備わったのは心強い成長。デビュー戦のレコード勝ちから見事な復活で、使うごとに上昇が見込めるバイオリズムから大一番へ挑戦という理想的なステップとなった。激戦続きの桜花賞組と違ってフレッシュで挑める強みを強調したい。
ビーチサンバは侮れない。世代重賞をこれだけ安定した成績を残しながらも人気が一気に落ちること自体に違和感がある。前4走の重賞は負けても0秒5差。高いレベルで時計は安定して、上がり時計は重賞でそれぞれメンバーNo3、4、1、5。名牝フサイチエアデールの仔という良血馬が時計も瞬発力も世代トップレベルまでレベルアップすれば、オークス5着だった母の無念を果たせる位置づけでいいだろう。上がり35秒が壁となっていた母とは異質。きょうだい馬で一番の切れ者の可能性を秘めている。人気薄で気楽に乗れる立場となれば怖さしかない。
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