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中山裏読み
関東
1R2R
3R6R
8R9R10R11R12R
関西
1R2R
3R9R10R11R12R
JRAホームページ

中山11R

3連単2軸マルチ13、10⇒5、14、9、7、4 (30点)

13、5⇒14、9、7、4 (24点)

3連複13、10-5、14、9、7、4 3連複BOX10、14、9、7、4

馬単13⇔10、5、14、9、7、4

今年の牡馬と牝馬のレベル差は歴然。前日の6番人気以内に牝馬が実に4頭。長い間のジンクスを打ち破って今年も牝馬の馬券絡みは避けられないだろう。
これまで2年連続の牝馬の連対でさえ、ダイワスカーレットの07、08年だけ。2年連続の牝馬勝ちはまさに偉業中の偉業となるが最後の砦だったグランプリでも牡馬は白旗状態。長く続いていた傾向も簡単に塗り替えられそうだ。"牝高牡低"はまさに今年の象徴的。

古馬の牡馬と牝馬混合GⅠはフェブラリーS、高松宮記念、天皇賞春、安田記念、宝塚記念、スプリンターズS、天皇賞秋、マイルCS、ジャパンカップ、チャンピオンズCの10戦。そのうち牡馬が勝ったのは天皇賞春フィエールマンとチャンピオンズCチュウワウィザードだけという異常事態。牝馬が強くて牡馬が弱すぎるのが要因だが、人気的には史上初の牝馬2頭以上の馬券絡みの可能性が高まっている。

08年ダイワスカーレットが71年トウメイ以来、37年ぶりに勝って牝馬の好走が目立つような流れに一変した。ヒシアマゾンエアグルーヴでも届かなかった栄冠が、牝馬の圧勝に終わった昨年で完全にイメージを変えただろう。

過去30~40年前で馬券に絡んだ牝馬は皆無

94年2着ヒシアマゾン
97年3着エアグルーヴ
01年3着トゥザヴィクトリー
07年2着ダイワスカーレット
08年1着ダイワスカーレット
09年2着ブエナビスタ
10年2着ブエナビスタ
14年1着ジェンティルドンナ
17年2着クイーズリング
19年1着リスグラシュー

牝馬だからといって割り引く必要はない。むしろ近年の傾向から牝馬向きのレースにも思えてくる。いずれにしても牡馬は限られた馬だけが条件に合うだけに牝馬の見解が最重要。

正直、前日の1番人気クロノジェネシスは半信半疑。強さとモロさが同居しているような戦績は、鞍上そのものを示している可能性が高まっているからだ。
決定的だったのが前走だった。とにかく何を目標に乗っているかが不可解だらけ。瞬発力に陰りが見え隠れしていたアーモンドアイとはいえ、それまでGⅠで最速上がりを連発してきた瞬発力型。前走の安田記念で最速上がりよりわずか0秒2だけ劣った上がりNo3ならば、常識的に考えて現役最強レベルの瞬発力型より、はるかに上回るのは難しいと考えるのが普通の騎手。瞬発力比較から残り3ハロンの時点でアーモンドと横並びの位置か、悪くても半~1馬身後ろが勝つためのセオリーだろう。それが実際は残り3ハロン通過時点でアーモンドより3馬身も後方。単純計算で現役屈指の瞬発力型より上がり時計で0秒6も上回らなければ勝てない計算だ。この乗り方こそが鞍上のレース勘の悪さ、鈍さ。まさにGⅠを勝つ術を知らぬ技量の未熟さ。デビューから長い間、GⅠを勝てなかったことが納得できる象徴的な立ち回りだった。トリッキーな中山二千五では馬にさらなる負担になることも考えなければならない。鞍上特有のイップスを避けられるかどうか。
馬の能力的にもわずかながら落ち度が見え隠れする。前走は2着フィエールマンが下手に乗ったにもかかわらず、最後の最後で交わされた鋭さ負け。久しぶりの良馬場で能力を測るのに絶好の条件だったことからも極限の数字勝負にはひとまず条件ベストでないことがうかがえた。
直線入口でフィエールを外からフタをして閉じ込めて、仕掛けを遅らせるファインプレーで残り1ハロンの時点ではフィエールに2馬身差。そこから苦しがって逆手前になる誤算などもあって、結局勢いを失って最後の最後にギリギリで差されている。上がりNo2ほどの凄みはなく、むしろこれが良馬場での限界として納得すべきだろう。
良馬場では道悪ほどのインパクトを残してないことが改めて表に出ただけ。道悪の4走前は上がりNo3より0秒6も速い最速上がり。前々走は上がりNo2より0秒9速い最速上がりだったが、パンパンの馬場ではごく標準的な数字が並ぶ。近走の良馬場での上がり時計は5走前が8、12着と同タイムの上がりNo5。3走前は5着と同タイムの上がりNo3。前走は最速のフィエールより0秒1遅かった上がりNo2に良馬場では牝馬の標準的な瞬発力という位置づけ。中団差しをこだわり続ける鞍上とのコンビならなおさら怖さはなくなる。

カレンブーケドールは遅すぎる乗り替わりだ。厳しさのないJRA特有の甘やかし。人馬ともに成長を妨げる悪手を打ち続けて結局、癖馬として固められた後のスイッチに何の強調点も見出せなくなった。
本来なら大ミスを犯したオークスで一発レッドだが、あれから6戦もかかってようやく英断。ペースを見極められず、勝負どころもわからず、仕掛けのタイミングも位置取りもバラバラ。好走パターンも固められなかったという醜い乗り方は、GⅠもGⅡも未勝利という鞍上の未熟さそのものを如実に表していた。
前走は過去1年間で上がり33秒台以下の経験がない馬をまさかの徹底待機。大逃げ暴走の逃げ馬は別として、2番手が5ハロン通過時が約60秒3。本来ならば、集団先頭がこの馬の理想的な位置取りだったが、アーモンドより後方の位置取りを選択したさらなる驚き。向正面で早くも勝ち負けから完全離脱によってようやく英断が下せたか。
どちらにしても前2走で折り合い難を露呈。掛かる馬との相性は苦手となる衰え鞍上配置で胸を張れるようなコンビ誕生でないことは間違いない。それでも控える形で限界をはっきりと示している馬で前2走のような消極策を選択することはあり得ない。以前の先行策でどこまで踏ん張れるか。外国人名手なら自信の本命になるぐらい馬で能力そのものは相当高い。

ラッキーライラックはまさに人が替わって馬が変わった。前々抜け出しにこだわり続けていた前任騎手と違った乗り方が大きな刺激。二千の大阪杯でも5ハロン通過が過去3年ですべて60秒以上だが、二千二でまさかの59秒3。2番人気ノームコアの鞍上が完全に体内時計の狂った末の顛末。すでに引退勧告されているロートル鞍上の大暴走で、逃げ馬からかなり離れた3番手でも5ハロン通過が約60秒4だから、3番手でもハイペース気味という乱ペースを焦らずじっくり構え。
昨年のエリ女と同じように乗った4角前の仕掛け。馬なりで一気に前へ前へ進出、そのままの勢いで残り300先頭から軽く押し切っている。まさに瞬殺。一瞬にして勝負を決めて、改めて中団差しベストを強く印象づけた。GⅠは牝馬限定か、2歳か、短距離しか勝てない騎手に乗り替わりが一番の誤算。同じように乗れる可能性は極めて低くなったことで評価を下げた。とにかく積極策なら以前の姿に逆戻り。

ラッキーを物差しにすれば、サラキアはもっと評価を高める。3角前に勝ち馬よりわずか1馬身後方だったが、3角前から動き出したラッキーについて行かなかったことが勝負の分かれ目になった。4角までに一気に開いて勝ち馬より3馬身差がまさに致命傷。残り150からエンジン全開で脚を余した0秒1差に改めて鞍上の差を痛感させている。
クロノに続いて鞍上はここでもやらかし。とにかく鞍上はGⅠで人気馬とのコンビになると後手後手になることが多く、前走もラッキーと同じような仕掛けのタイミングならば差し切っていた可能性が高いことは言うまでもない。弟サリオスが活躍し始めるとこの馬も引っ張られるように素質開花という特異な良血馬。距離未経験に目をつぶれば、乗り替わりでまだまだもうひと花というムードがある。ラッキーより意外性もありそう。

牝馬4頭に対抗できる牡馬は昨年同様に3つのパターンに絞っていい。

1・急激な成長力そのままに勢いある3歳馬や上がり馬
2・外国競馬照準からJRAへ矛先を変えて立ち直り
3・天皇賞秋やジャパンC凡走からの立ち直り

今年の牡馬はフィエールマンワールドプミレアの2頭に絞れる。

まずはフィエールマン。前走は典型的な試走だった。いや鞍上のペース音痴を露呈した可能性もあるか。いずれにしても過去10年で5ハロン通過のトップ2が56秒5、57秒3に対して今年は60秒5。実に3~4秒近くも遅く、馬身に表せば15~20馬身差で実質未勝利並み。それをはるか離れた後方で引っ掛かるような立ち回りは最悪な騎乗だったと断罪するしかない。自身の上がり時計ベストを叩き出しても着差以上の完敗が位置取りの悪さを物語る。
パンパンの高速決着や極限の上がり勝負に裏付けのなかった道悪の鬼にとってここ目標とすれば最高の試走、叩き台になったとむしろ喜ぶべき。超スローに強い典型的なディープ産駒。流れが落ち着きやすい有馬記念はまさに絶好の舞台になる。昨年は超ハイペースでまったく条件が合わなかったが、それでも見せ場十分の4着。3角過ぎからのマクリ合いから極限の瞬発力勝負なら同じような流れだった菊花賞、2年連続の天皇賞春などの経験値から簡単に再現できそう。牝馬でなければ最後はやはりルメール騎手。

フィエール同様にワールドプレミアの前走は慎重に乗っていた。約1年のブランク復帰戦としては十分な内容だが、即GⅠ通用となるといまだ半信半疑だ。直線入口で2、3着馬とほぼ同じ位置取りという内目から。反応が鈍いために鞍上があきらめ追いに変わったが、それでも最後に併せ馬となった7着馬には先着している。もう1戦使うのが理想としても、数々の常識を覆して菊花賞制覇など、異端児なのがこの馬の特長。チャカつき具合や馬体重など前走どおりで力試し。

3歳馬は菊花賞からのステップか、GⅠ勝ちが常識。さらに上がり33秒台が1度しか経験のないオーソリティにとって厳しいレースが待っているだろう。つかみどころのないオルフェ産駒とはいえ、完敗した昨年のホープフルSから劇的な成長力を加味しても、コントレイルを物差しにすればGⅠ通用にまだまだ時間がほしい段階。レースレコードで勝ち上がった青葉賞も低調なメンバー。前走も微妙なメンバーレベルだけにここを使って次こそが狙い目か。ひたすらハイペースやサバイバルな流れを待つしかない。