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東京裏読み
関東
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関西
1R5R
9R10R
12R
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東京11R

3連単フォーメーション1⇒11、15、2、14⇒

11、15、2、14、4、12、6 (28点)

1⇒4、12、6⇒11、15、2、14、4、12、6 (18点)

結論から言えば、牝馬に興味はなく、キャリア3戦の若造にもまったくいいイメージはない。確かに今年の桜花賞、皐月賞、オークスで過去のジンクスを覆してきたが、ダービーは最後の砦。歴史を重んじれば、1頭の馬で複数のジンクスを同時に破られることはないだろう。それでも"キャリア"、"ローテ"、"瞬発力"などのどれか1つの要素を破るのが今年のクラシックの傾向であることは間違いない。

○キャリア

ダービーを勝った馬にはそれなりのキャリアがあった。キャリア2戦だけでダービー制覇した96年フサイチコンコルドはあくまで例外だが、キャリア4戦の馬も00年アグネスフライト(GⅠ未経験だが京都新聞杯二千勝ち)、16年マカヒキ(皐月賞2着)、17年レイデオロ(皐月賞5着)、20年コントレイル(皐月賞1着)だけ。

過去20年でキャリア3戦以下の馬はダービーの結果と戦績は

00~02年該当馬なし
03年18着マイネルソロモン(3戦3勝プリンシパルS1着)
04年14着アドマイヤビッグ(3戦2勝東スポ杯1着青葉賞5着)
05~07年該当馬なし
08年7着アドマイヤコマンド(3戦3勝毎日杯2着青葉賞1着)
09年該当馬なし
10年7着トゥザグローリー(3戦2勝青葉賞2着)
11~14年該当馬なし
15年17着アダムスブリッジ(3戦3勝若駒S1着若葉S3着)
16、17年該当馬なし
18年5着ブラストワンピース(3戦3勝毎日杯1着)
12着キタノコマンドール(3戦2勝皐月賞5着)
19年16着シュヴァルツリーゼ(3戦1勝弥生賞2着皐月賞12着)
20年該当馬なし

過去20年でわずか8頭だけ。青写真どおりというより想定外のローテでいかにもギリギリ間に合わせた出走だったことがうかがえる。使い過ぎもだめだが、使わなすぎも同じような結末ということ。経験値がそのまま結果に直結する大一番でキャリア3戦以下は総体的に順調さを欠いた馬という認識となる。
2番人気だった18年ブラストでさえ、掲示板確保がギリギリだったことが象徴的。キャリアがわずか3戦だけで重賞未勝利のグレートマジシャンは距離経験もローテもキャリアの少なさなど三重苦。同じキャリアとローテのシャフリヤールは重賞勝ちとはいえ、距離千八までなら見切ってもいい最悪な条件が揃っている。

○牝馬

牝馬は基本的に度外視。ダービーで通用しないと考えていい。しかも重賞未勝利の参戦などまったくの論外。サトノレイナスの好走はイメージも計算もまったくできないのが現実だ。
07年ダービー制覇した牝馬ウオッカと比べると今年は相手のレベルが段違いに高い。しかも根本的に馬の実績そのものが一番違っている。
当時の皐月賞は弥生賞とまったく直結せず、7番人気ヴィクトリーが制覇。皐月賞2着は15番人気サンツェッペリン。皐月賞3着のフサイチホウオーがダービーで1番人気になるような混戦ダービーだった。青葉賞は3番人気ヒラボクロイヤルが勝ち上がって勝ち時計2分26秒3。
本番ダービーはラチ沿いでひたすら直線まで我慢していたウオッカ。5ハロン通過が60秒5にもかかわらず、直線入っても縦長という異例の隊列。4角前から内目を何のロスもなく、不利もなく立ち回れるようなガラガラの縦長集団という異色の隊列にも助けられて突き抜けた。ダービー2着が皐月賞7着~NHKマイルC11着から参戦したアサクサキングスにもレースレベルの低さが伝わるだろう。
そのウオッカでさえ、キャリアは6戦あった。牡馬相手にまったく経験のないレイナスだが、ウオッカはデビューから2戦連続で牡馬相手の経験があった。さらに加えるとウオッカの距離経験は千八まで。ジュベナイルFとチューリップ賞の重賞2勝など、経験値そのものが雲泥の差。レイナスは重賞未勝利、千六までの距離経験、キャリアはわずか3戦だけ。仮に牡馬でもオークスに出走できると仮定して、牡馬がこの程度の実績で挑戦してもオークスでここまで人気になることはなかっただろう。徹底した直線勝負に賭けて単純な瞬発力勝負に挑むだけ。

○ローテ

過去40年で4、5月を使わずにダービーで3着以内に入ったのは84年1着シリウスシンボリ(前走3月30日若葉賞二千二)、96年1着フサイチコンコルド(前走3月9日すれみS二千二)だけ。桜花賞でも皐月賞でもローテのジンクスは破られてきたが、ダービーだけは最近でもこのジンクスが強力な壁になっている。

最近のダービーで人気になった休み明けだった馬は
18年
ブラストワンピース(毎日杯勝ちを含んだ3戦3勝。最速上がり1回、上がり33秒台以下を2回経験済み)ダービー2番人気5着
ダノンプレミアム(朝日杯レコード勝ち、弥生賞勝ちを含んだ4戦4勝。最速上がり1回、上がり33秒台以下を1回経験済み)ダービー1番人気6着
20年
ワーケア(弥生賞2着ホープフルS3着を含んだ4戦2勝。最速上がり2回、上がり33秒台以下を2回経験済み)ダービー3番人気8着

今年の毎日杯組が休み明けに該当するが、少なくても2頭ともに18年ブラストダノンより格下感が否めない。超高速馬場だった前走の時計だけで価値が爆上げしているだけ。実績そのものは近年にない低調だ。

○瞬発力

今年のオークスはレコード決着だった桜花賞組が計7頭出走したにもかかわらず、3着以内がまさかの1頭だけ。しかも過去30年間で前走500万からのステップだったオークス1~3着馬は皆無だったが2月デビュー、しかも惨敗したハギノピリナに破られた。
共通点は1~3着馬すべてが最速上がり経験馬。やはり時計も上がりも求められる極限レースでは、ダービーもオークスも過去の歴史から最低限の要素になっている傾向が年々強まっている。

とにかく最近のダービーでは瞬発力不足は致命傷。最速上がりの回数の多さがそのまま好結果につながっている。
16年からの1~3着馬は前3走以内に
1・千八以上の重賞を最速上がりで勝ち上がっている
2・二千以上の重賞を1着か2着で最速上がり
3・GⅠ馬
4・皐月賞1着か、2着で上がりNo2
この4つのうち必ずどれかに該当している。

16年
1着マカヒキ(前走・皐月賞2着最速上がり、前々走・弥生賞1着最速上がり)
2着サトノダイヤモンド(前々走・きさらき賞1着最速上がり)
3着ディーマジェスティ(前走・皐月賞1着最速上がり、前々走・共同通信杯1着最速上がり)

17年
1着レイデオロ(前々走・ホープフルS1着最速上がり)
2着スワーヴリチャード(前々走・共同通信杯1着最速上がり)
3着アドミラブル(前走・青葉賞1着最速上がり)

18年
1着ワグネリアン(3走前・東スポ杯1着最速上がり)
2着エポカドーロ(最速上がりの経験なしも皐月賞馬)
3着コズミックフォース(3走前・京成杯2着最速上がり)

19年
1着ロジャーバローズ(前走・京都新聞杯2着上がりNo3。最速上がり経験数2回)
2着ダノンキングリー(前々走・共同通信杯1着最速上がり)
3着ヴェロックス(前走・皐月賞2着上がりNo2。最速上がり経験数4回)

20年
1着コントレイル(皐月賞、ホープフルS、東スポ杯の前3走で全勝全最速上がり)
2着サリオス(前走・皐月賞2着上がりNo2。3走前サウジアラビア1着最速上がり。朝日杯馬)
3着ヴェルトライゼンデ(3走前・ホープフルS2着最速上がり)

今年の該当馬はエフフォーリアステラヴェローチェヨーホーレイクワンダフルタウンレッドジェネシスグラティアスヴィクティファルス

○皐月賞の着差

最近は10年に1頭出るか出ないかという頻度だけに絶対数は少ないが、1着と2着、2着と3着、3着と4着、4着と5着のいずれかが3馬身以上の着差があるとそれ以上の着順の馬はダービーで1~3着以内になる確率が非常に高い。

過去40年の皐月賞で3馬身以上の着差があったその着順以上馬(ダービー着順)のは

皐月賞
82年3、4着が3馬身半
1着アズマハンター(3着)
2着ワカテンザン(2着)
3着アサカシルバー(不出走)

83年2、3着が3馬身半
1着ミスターシービー(1着)
2着メジロモンスニー(2着)

84年2、3着が3馬身半
1着シンボリルドルフ(1着)
2着ビゼンニシキ(14着)

85年1、2着が5馬身
1着ミホシンザン(不出走)

86年2、3着が6馬身
1着ダイナコスモス(5着)
2着フレッシュボイス(不出走)

94年1、2着が3馬身半
1着ナリタブライアン(1着)

98年3、4着が3馬身
1着セイウンスカイ(4着)
2着キングヘイロー(14着)
3着スペシャルウィーク(1着)

03年2、3着が3馬身半
1着ネオユニヴァース(1着)
2着サクラプレジデント(7着)

11年1、2着が3馬身
1着オルフェーヴル(1着)

20年2、3着が3馬身半
1着コントレイル(1着)
2着サリオス(2着)

20年以上前の結果は頭数も傾向も今と違って比較が難しいので度外視する。98年セイウンは年明けの千六デビューで休養なしの5戦目。キングヘイローは千六デビュー、前3走で勝ち鞍なし。03年サクラプレジデントは千二デビューで前3走で勝ち鞍なし。馬券圏外になった馬はどこかの条件が特異な馬だった。

1頭も絡まなかった86年以外は最低でも1頭が1~3着以内に入っている。最近の皐月賞が接戦の連続だっただけにこの10年の少なさと結果を重視してもいいだろう。とにかくエフフォーリアの掲示板3馬身差はこの15年で3頭しか存在しないということ。しかもそのうち2頭が三冠馬という事実。馬券圏外になった3頭より三冠馬寄りの馬であることは間違いない。

ここからは純粋に馬の能力分析。

まずは絶対王者のエフフォーリア。スローの瞬発力勝負だけに良績で馬場や強敵相手にどこか不安材料もあったが、終わってみれば格の違い、エンジンの違いという圧勝劇だった。
昨年と同じ皐月賞稍重。 (5ハロン通過-レースの上がり時計)
20年
コントレイル2分0秒3(59秒8-35秒8)
同日古馬2勝2分3秒0(63秒3-35秒8)
同日古馬2勝千六1分35秒1(58秒6-36秒5)
21年
エフフォーリア2分0秒6(60秒3-37秒0)
同日古馬2勝2分2秒3(61秒7-36秒1)
同日古馬2勝千六1分34秒9(58秒9-36秒0)

ほぼ同じ馬場差か、若干今年の方が速いという計算でいいだろう。コントレイルより時計半分ほど遅い価値となるが、それでも横綱相撲が今年の世代レベルで、昨年より世代レベルが低いことを示している。能力はコントレイルより若干落ちるが、相手はさらに一気に落ち込むならば、皐月賞の絶対的数字の3馬身差を素直に受け取れる。
いずれにしても掛かる心配のないレース巧者。重箱をつつくように死角を探せば、残るは鞍上しかない。強烈なインパクトを残すのが19年ダービーで6番人気のリオンリオンを鞍上の舞い上がりで千六並みのラップを刻んだこと。過去最速の5ハロン57秒8のラップを刻んだ黒歴史は今後50年は破られない大暴走だった。
GⅠ乗り始めの失態は必ずいつか繰り返すのがこれまでの歴史。人気で取りこぼした騎手は何年も繰り返して、降着まで繰り返した騎手まで存在すれば、もう偶然ではないだろう。いずれにしてもこのコンビでポカの場合は馬券圏外になる可能性が高い。圧勝か、惨敗かの両極端と割り切って不動の中心馬に抜擢する。

サトノレイナスは慢性的なスタート難を抱えて外枠。確実に1、2角で最後方近くまで位置取りが悪化してからどう立ち回るのか。前走は仕掛けをできるだけ我慢して結果脚を余して仕掛けの難しさを露呈した。これまで掛かるような仕草はみせなかったが、さすがに一気の距離延長、初の牡馬相手で今までと同じような立ち回りが可能かどうかにも疑問が残る。いずれにしても瞬発力頼り。牡馬と牝馬の差はこれまでもこれからもこの時期には確実に落差、格差が出始めることを忘れてはならない。

もう10キロ以上の成長がほしかった馬体のバランス。ワンダフルタウンは前走の馬体をみて一気にトーンダウンした。年明け1戦だけの特異なローテに輪をかけて内容にも強調点がない。雨が降っている中とはいえ、良馬場として6年ぶりの2分25秒台以上という遅さ。レースの上がりも過去10年でNo6の平凡さ。明らかに近年のレースレベルに達してなく、外差しが利かぬ馬場でも外へ出す馬が多数いたこともあってとにかく強調点に乏しい。残り250で先頭からなかなか突き放させなかったジリっぽさは時計の限界か、上がりの限界。恵まれた相手の重賞2連勝だったと割り切るべき。デビューから4戦連続の最速上がりだったのが前走で上がりNo10がすべてを物語っている。

重賞未勝利、GⅠ未経験。ひと息後のグレートマジシャンは過剰人気が否めない。過去40年まで遡っても該当馬のない条件だけに強調点を探す方がひと苦労する。日本レコード級の時計で後続をち切った馬はその後パンクか、燃え尽き症候群になりやすくなるのが過去の事例。とりわけ大一番前の大駆けなどは逆にマイナスしかならないだろう。あれだけの時計で走った馬は本来、半年以上休むのがセオリー。過去30年で前2走がいずれも千八以下だったのは08年ディープスカイだけだが、1月に二千の距離経験はあった。

同じステップのシャフリヤールは勝つには勝ったが失ったものも大きかった。見た目がコンパクトすぎる馬体での激走はグレートより反動が大きくなるのは確実。いずれにしてもキャリア不足、千八までの距離経験、休み明けなどグレート同様に好走実績のない条件が数々と揃う。上がり33秒台が当然になるような超エリートのディープ産駒ではないことも決定づけられたか。いずれにしてもグレートよりも掛かる心配があり、常識的には使うだけ。今後にダメージを残さないためにも少しでも手応えが悪ければ直線早々にあきらめるのが正解。

ディープモンスターの人気はもっと謎だ。明らかにエリートのディープ産駒ではない。数字にもはっきりと表れている。良馬場で使い込んでいるにもかかわらず、上がり33秒台の経験がないことが決定的な証。止まらぬ馬体減で休み明け6戦目。瞬発力勝負はもちろん、時計決着にも裏付けのない平凡な時計を連発してきた馬に何を求めればいいのか。とにかく道中はラチピタ。スタミナだけでも最小限のロスで立ち回ってひたすら混戦を待つしかない。

ヨーホウレイクも同じような悩み。全5戦で最速上がりは字面だけの良さ。徹底待機から終いだけ脚を伸ばしただけで、数字そのものに何の強調点もない。単純な上がり時計比較でここでしんがりとなる上がりNo17。ディープ産駒が34秒半ばで壁になっているような瞬発力で重賞2、3着確保が奇跡に近い。さらに致命的なのが二千で確実に限界を示してきた血統。瞬発力不足とスタミナ不足がリンクする馬を極限の時計勝負になる条件では狙いようがない。

タイトルホルダーはスタート直後の選択が勝負の分かれ目になる。前走の最後失速は間違いなく道中で折り合いを欠いた影響。姉メロディーレーンとはいえ、現状は中距離ベスト。むしろ気性先行から長距離をこなすイメージも浮かばない。同じようなタイプの18年エポカドーロは二千で2分0秒台を2回。タイトルと同じく最速上がりの経験はなかったが、時計勝負には確かな裏付けがあった。同じような外枠で同じようにハナが切れるか。鞍上の資質が問われる。とにかくハナ以外では策がない。

ステラヴェローチェは何に嫌われてここまで人気を落とすのか。ここで走る、走らないは別にしてデビュー2連勝で重賞制覇。朝日杯2着、皐月賞3着の実績がありながら重賞未勝利、距離は千八まででGⅠ未経験の馬より人気が落ちることはあり得ない。いずれにしても朝日杯で最速上がりの瞬発力。前走でも上がりNo2ならば自信を持っての待機策。前々走は掛かり気味だったが、前走は距離延長で道中スムーズだったという確かな成長力。良血の底力に期待できる。