4、7⇒4、7⇒9、5、13、3、10 (10点)
4、7⇒9、5⇒4、7 (4点)
昨年は重賞馬が4頭。重賞3着以内に広げると9頭に膨れるが、今年は重賞馬がわずか2頭。重賞3着以内まで広げても4頭しかいない。昨年は11頭が重賞経験馬だったが、今年は7頭。個々の能力は別にして全体メンバーレベルは明らかに昨年より一枚どころか、二枚も三枚も落ちている。その中でマイル重賞を連勝中のセリフォスは実績も持ち時計も抜けた存在になった。
残り1ハロンのムチ2発だけで勝ち上がった前走は名手か、最後までしっかり追えばもっと楽勝できただろう。超スローを必要以上に控えて自らを苦しめる悪行。直線の追い比べでは鞍上が恰好をつけて最後馬なりで勝とうとしたためにムチを使わずという油断負け寸前の接戦になった。最後は力でねじ伏せることができたのは馬の能力が高かったことに尽きる。鞍上が足を引っ張っても着差以上の能力差を感じさせたことに価値を見出せる。ダイワメジャー産駒の最後の大器はまだまだ底知れぬ能力を秘めている。
先行差し自在のレースセンスに加えて前走で結果的にマクりの飛び道具を習得。追えば上がり33秒前後の世代トップの瞬発力は名手配置でさらに磨かれる可能性が高い。一見、瞬発力型は揃ったが、中身を比べると軽く頭ひとつ以上は抜けている。再び堂々たる好位差しで力勝負。
ジオグリフは確かに見た目のインパクトの強かった前走だが、数字的な強調点は乏しい。昨年との比較でレースレベルの低さが浮き彫りになる。昨年は同日古馬2勝千二で1分8秒8で札幌2歳Sがレコードの1分48秒2。今年は古馬2勝千二1分9秒0で札幌2歳Sが1分49秒1。馬場差はほぼ同じで時計差が0秒9も劣ったことがすべてを物語る。当日の芝レースは7つ。同日の単純な最速上がり比較をするとその他は1レース以外で34秒2~35秒2にもかかわらず、札幌2歳Sの36秒1はズバ抜けたワースト1タイとなる。
2着アスクワイルドモアは未勝利卒業に手間取った馬。3着に0秒9差とはいえ、その3着トーセンヴァンノは東スポ杯で大惨敗。2番人気だった5着トップキャストは今や自己条件にも勝てないのが現状。初のマイル、久しく外枠に良績のない過去の傾向、過去10年の1~3着馬はすべて10月以降で使っていたなど、克服するにはかなり厳しい条件が揃っている。あくまで鞍上だけで人気を押し上げているとみていい。
驚くほどマイラー体型になっていたドウデュースの朝日杯選択は間違ってない。前走で気性的な問題も見え隠れすれば迷いなくこれからはマイル路線だろう。前走はスタート直後、強烈に掛かっていたが、その後はだましだましでギリギリの折り合い。終わってみれば仕掛けを我慢した大人びたレース内容で上がりNo2。距離長め、休み明けなどベストではない条件で着差以上の完勝劇なら自信を持ってのマイル参戦となる。前走より折り合いやすい距離で目標になりにくい立場となって叩き2戦目。少なくても前走以上の瞬発力は期待できる。
ダノンスコーピオンに死角があるとすれば、鞍上のスケジュールによって使いたいレースを使えなかったことだろう。デイリー杯予定が千八始動。距離延長と短縮を繰り返すようなローテは歴史的な観点から少なくても朝日杯では無意味。マイナス要素があってもプラスにはならないのは過去の傾向からはっきり出ている。勝ち馬に限れば過去10年で前走千六からのローテは10頭中8頭。連続のマイル経験の大事さがこの数字に集約されている。
レース上がりラップがすべて12秒台以上だった札幌2歳Sはもちろん、正味残り3ハロンだけの競馬だったデイリー杯より胸を張れるレースを前走で経験したことは間違いない。残り4ハロンから11秒台突入して、上がりレースラップは10秒台が含まれた極限の瞬発力勝負。翌日の古馬オープンより5ハロン通過が1秒遅くて、勝ち時計は1秒3劣っただけの勝ち時計も文句なし。これだけの数字が揃いながらも前日4番人気には違和感しかない。
とにかくこの馬の特長は瞬発力。前々走は上がりNo2より0秒4、前走は上がりNo3より0秒4も速い。超スローの上がり勝負でこれだけの差を広げた時点で世代トップレベル、GⅠ級の瞬発力と確信できる。
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