4、12⇒4、12⇔6、14、2、1 (16点)
4⇔12、6、14 12⇒6、14
<長所>でストロングポイントだけを強調。{中山裏読み}にはウィークポイントだけを強調した<短所>をアップしました。
<長所>
ドウデュースにとって弥生賞敗戦はある意味、いい経験で嫌なジンクスを避けられた。弥生賞馬が皐月賞を制したのは過去40年で
83年ミスターシービー
84年シンボリルドルフ
87年サクラスターオー
01年アグネスタキオン
05年ディープインパクト
10年ヴィクトワールピサ
過去20年で2頭、過去10年になると1頭もいなくなる。年々傾向が強まって弥生賞から皐月賞の連勝はイメージ以上に高まるハードルになったことは間違いない。
15年6着サトノクラウン(3戦3勝)
16年2着マカヒキ(3戦3勝弥生賞レースレコード)
17年9着カデナ(5戦3勝2着2回)
18年ダノンプレミアム(皐月賞不出走)
19年15着メイショウテンゲン(6戦2勝2着2回3着1回5着1回)
20年5着サトノフラッグ(4戦3勝、東京二千レコードホルダー)
21年2着タイトルホルダー(4戦2勝2着1回4着1回)
最近だけでもこれだけの弥生賞馬が皐月賞で負けている。マカヒキ、タイトル以外は馬券圏外だから、すでにジンクスが出来上がっている可能性さえあるが、ドウデュースはGⅠホルダーということを忘れてはならない。
中身としては十分な内容だった。千六から一気の距離延長で多分に手探り。4角では勝ち馬の直後で余裕の手応え、鞍上を含めて完璧な勝ちパターンと思っただろう。ギリギリまでムチを使わなかったのは少しでも追えば交わせると判断した鞍上が結果的に間違っていたということ。残り100から脚色が勝ち馬と同じになったのは明らかな誤算だったと納得するしかない。今ひとつだった瞬発力は休み明けと距離への対応不足。標準的な勝ち時計だった朝日杯と過去10年でNo2となる勝ち時計だった弥生賞で理想的なステップを歩んでいることは間違いない。朝日杯時の馬体から受けるマイラーのイメージが馬体成長でいくらか薄まったことも後押し。理想は瞬発力勝負より時計勝負。
ダノンベルーガはキャリア云々を無視すれば、2戦連続の脅威的な数字からもクラシック制覇が真の前まで迫っている。デビュー戦だけでもエリートを確信させる数字が並ぶ。前日の未勝利で驚異的なレコードが叩き出されたために時計は目立たないが、上がりはとにかく凄みしかない。上がりレースラップは11秒2-11秒2-11秒5で上がりNo2より0秒8も速かった最速上がり。とりわけ坂下からの加速力は半端なかった。残り300でのムチ1発だけで楽勝。終わってみれば重賞で他馬を子供扱いした前走も納得の圧勝劇だった。上がり33秒台がわずか2頭だけの中、最速上がり。改めて世代最強レベルの切れ味を示している。今度はムチ2発だけの楽勝。これだけ異次元レベルの数字を叩き出しているが、2戦連続でスムーズな手前替えとまっすぐ走る完成度の高さを同時に示せたことも心強い。折り合い不問のレース巧者。ラチに頼れる最内枠を引いたことで人馬ともに乗りやすくなったか。20年コントレイルが皐月賞制覇したコース取りをイメージした乗り方で結果は出る。
イクイノックスは能力的に余裕でクラシックレベル。デビュー戦は押し出されてハナに立つような行きっぷりの良さだったが、掛かった馬が次々に外から被せていって結局内々で閉じ込められた。それでも動じることなくスムーズな折り合いがレースセンスの良さ。直線入口で前2頭が馬場を意識して無意味な外出しをしたため、まったくロスなく立ち回れたことを割り引いても、ムチを使わずに軽い仕掛けでぶっち切り勝ちは見事。前走は初の直線坂コースで半信半疑だったが、終わってみれば先を見据えるような乗り方で能力、完成度の違いをみせつけている。上がり33秒台が5頭の中で驚愕の唯一32秒台。同日の未勝利で驚異的なレコードが出たために数字ほど凄みはないが、それでも残り150先頭までが一瞬の瞬発力は過去の勝ち馬と比較しても見劣りしないレベル。少ないキャリア、大外枠をクリアできるだけの下地はある。
キラーアビリティは19年サートゥルナーリア、20年コントレイルの成功で今後主流となるホープフルSからのぶっつけ本番。共通項を探るとこの2頭のハイブリットがキラーか。コントレイルと同じくレコードホルダー、仕上がりやすい馬体重。サートゥルと同じく最速上がり1回だけの経験、2歳夏前のデビュー。2頭はいずれも前走の上がり時計は35秒台。上がりNo6のキラーでも何ら問題はない。さらに前2走で4角4、5番手以内から押し切っている器用さの脚質もそっくりならば、数字どおりのパフォーマンスは確約か。すっきり映った前走から大幅な馬体増も覚悟だけにまずは気配をみたい。
ジオグリフはレース選択が正しかったことを証明するためにも凡走は許されない。デビュー2戦の千八で連続の最速上がりからの圧勝劇にもかかわらず、まさかの千六への距離短縮で取りこぼした。強引すぎるマクり競馬で勝ち上がった3走前からもある程度予測できた前々走の置かれ具合。それでも勝ち馬と同タイムの最速上がり。世代No1レベルの瞬発力を示せたことで再びクラシックの意識を強めたか。いずれにしても世代トップレベルを示していた馬が仕切り直し。前走は稍重といういいわけのできた完敗で、まだ勝負付けは済んでいない。ここで次走ダービーか、NHKマイルCかのターニングポイント。勝ち負けにこだわるなら強気の好位差し、掲示板を目指すなら撤退待機。
ジャスティンパレスは新興馬主。自ら切り開いて惨敗覚悟の勝ち負けを目指すより、ひとまず叩き台としてダービー出走を目論んでいるとみるのが常識的だろう。これまで好走例のないホープフルSで負けた馬が休み明けのぶっつけ本番。ひたすら二千にこだわった距離経験値と前々で捌ける器用さだけを頼りに回復中の馬場特有の前残りをひたすら待つ。
ビーアスドニッシドは走っても走っても人気にならない逃げ馬だけに怖さがある。前走も前々走で重賞3着ながらもほぼノーマーク。道中単騎だったからこそ、掛かり気味の折り合いでも着差以上に楽に振り切れた。前回の二千は千六からの一気の距離延長。今回は距離2度目で千八からの距離延長など、理想的なローテで挑める利点は無視できない。迷いのない逃げに好走パターンを固めて他馬が無謀な競りに行くことはないだけに前走ほどでないにしても展開の利は待っている。
デシエルトはダートで下したことが驚きの芝体形だ。同型がすんなり控えたために予想以上の楽なハナだった前走だけの評価は難しいが、それでも初芝、掛かり気味、コーナー手前でスムーズさを欠く走りなどの試練を乗り越えた圧勝劇はただただ脱帽するしかなかった。残り4ハロンから11秒台突入のサバイバルラップを経験できたことは仮想皐月賞としては十分な経験値。番手でも折り合えば、異色ローテのクラシック制覇があっていい。とにかく血統は超一流。
アスクビクターモアは未完成丸出しの前走でも重賞制覇。運の良さと割り切れぬ数字の凄み。同日のレース比較で馬場差を割り出すと昨年より確実にレースレベルが低くなる計算だが、単純比較で過去10年の勝ち時計はNo2、レース上がりはNo5タイだから恐れ入る。もちろん、ある程度の割り引きは必要でも、1角で制御不能になるような掛かり具合で2角では鞍上が立つほどのブレーキの連発。これだけ下手に乗って完成度の低さを示しながらも着差以上の完勝は、恐ろしいぐらいの成長力が期待できるディープ産駒がなせる業。横山ジュニアに馬も勝ち星も奪われ続けているベテランの逆襲がここであっても驚かない。
オニャンコポンは極限の時計勝負を避けられた週中の雨に助けられた。時計がかかる馬場の状態が続けば、前走の再現は可能なレベルまで完成されている。前走の特徴は後半のラップに11秒台がわずか1回だけ。それでも過去10年でNo5となる勝ち時計とレース上がりNo4に数字以上の厳しいラップだったことがうかがえる。直線は坂で若干勢いが止まり気味になったとはいえ、他馬より断然な脚色はメンバーレベルが低かったことを割り引いても価値ある最速上がり。まずは馬体回復から。
ダンテスヴューは相手なりに走れる安定感に特長。大物不在の血統だが、大きく崩れずにコンスタントの走りはまさに血統どおり。完敗の前々走でも2着に0秒6差で上がりNo3。前走も上がりNo3で同タイムまで踏ん張れば、メンバーレベルが高くても低くても相手なりが弱点でもあり、強調点でもある。掛かること知らずのレースセンスとある程度の瞬発力を兼ね備えた血統馬。ラチ沿いの折り合いから虎視眈々。波乱になるほど色気が出る。
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