4、14、1⇒12⇒4、14、1、2、6、8、10 (18点)
4、14、1⇒4、14、1、2、6⇒12(12点)12⇒4⇒14、2(2点)
<短所>
ドウデュースは朝日杯よりいくらかマイラー色が薄まった馬体になったとはいえ、イメージそのものはマイラー雰囲気は変わらない。少なくても見た目だけなら前走でも二千が微妙に映った馬体。フィジカル面に加えて弥生賞のレースレベルがそもそも怪しくなってますます評価が揺れる。
単純な時計比較では優秀でも馬場差を考慮すると昨年以下は間違いない。今年2分0秒5(5ハロン通過611-レース上がり352=最速上がり349)、同日古馬2勝千六で1334(580-354=341)。昨年2分2秒0(626-345=342)、同日古馬2勝千六で1352(586-366=351)。千六でほぼ同等ラップにもかかわらず、これだけの上がり差は昨年がパワー系馬場だった証。時計差1秒8がほぼそのまま馬場差か。単純計算ならば昨年を軽く下回るレースレベルになる。こうなると他の人気馬より誇れるのはローテとキャリアだけ。ひたすら他馬の凡走を待つしかないか。
ダノンベルーガはしっかりキャリアさえ積めれば不動の中心馬だった。馬も鞍上もアスリート化が進んでいる現代競馬の中、キャリアを抑えて大一番を迎えるという時代に逆行した風潮には嫌気しかない。前走で重賞勝ちしなければ少なくてもキャリア2戦でクラシックという無謀な挑戦はなかっただろう。
最近のキャリア2戦馬の皐月賞の結果は
18年5着キタノコマンドール(すみれS勝ち)
19年12着シュヴァルツリーゼ(弥生賞2着)
20年16着クリスタルブラック(京成杯勝ち)
21年6着グラティアス(京成杯勝ち)
掲示板ラインが大きな壁となっている。結局、未完成のままで大舞台を経験させてもその後も大成できない傾向が強まっている。
ダービー照準のローテは基本的にプラスがなく、クラシック制覇に近道も遠回りもないということ。標準的なキャリアをこなせるフィジカルの強さがある程度必要なことはこれまでの傾向はもちろん、牝馬クラシック路線からもうかがえるだろう。
休み明けでクラシック制覇はあっても、フサイチコンコルドのような超エリート路線で勝ち上がるのは異次元レベルの能力と相当な運が必要になる。
イクイノックスはキャリア不足だけでも重荷だが、さらに良績のない距離未経験馬、GⅠ以外の2歳戦からの休み明けなど致命的な三重苦。ひとつでもクリアしてこなかった馬が皐月賞苦戦という過去の歴史はもちろんだが、そもそも前走のレースレベルに疑問が残る。
馬場差を考慮すれば現4歳世代の東スポ杯(1着ダノンスコーピオン)とほぼ同じレベルでメンバーレベルを紐解くとますますインパクトが足りなくなる。2着アサヒはその後賞金加算に失敗。3着テンダンスもその後は重賞で入着もできず、4着ダンテスヴューはギリギリの出走確保に能力不足が示されている。2、3番人気だったレッドベルアーム、アルナシームはその後、自己条件でも勝てなかったことが決定的なレベルの低さ。サートゥルナーリア、サリオスは同じように昨年からのステップとはいえ、どちらも前走GⅠだったことは見過ごせない事実。
キラーアビリティは好調期間の短いディープ産駒。絶対能力を開花させたのが早いディープ産駒は必ずクラシックまでに1度はドン底を経験してきたのが今までの傾向だった。これだけ慎重すぎるほどのローテもまた珍しいだけに例は少ないが、圧勝しても惨敗しても驚かないレースマネージメントになったことは間違いない。
デビュー凡走から同日古馬2勝を上回る時計のレコード勝ち。ダノンスコーピオン程度に競り負けたにもかかわらず、過去10年で最速の勝ち時計だった前走など、一戦必殺パターンの戦績ならば、ここを全力はどうにも考えにくい。すべてはダービーに向けてのトライアルになると解釈するのが常識的。
ジオグリフは前々走の千六選択がすべての歯車を狂わせたと言っていい。馬の都合よりクラブの都合。結果的に皐月賞を使うローテを組んだからこそ、ホープフルSを使わなかったことは陣営のミスと非難されても仕方ない。ここを勝てばすべてが報われるが、世代トップレベルの牡馬が2歳夏の重賞1勝だけで春のクラシックを終わるには馬主にとって耐えがたい屈辱だろう。以前の極度のスタート難が完全解消されているかどうかもいぜん不透明で今でもポカ覚悟の狙いになる。乗り難しい馬にテン乗り、トリッキーな中山初コースだけでも致命的になるが、さらなる試練が未知なる初距離。無抵抗の完敗で再びマイル路線に鞍替えが規定路線か。
ジャスティンパレスはキャリア3戦でもキャリア不足がこれまでの常識だ。しかも重賞未勝利でいかにも皐月賞凡走タイプのローテで挑んでいる。キャリア3戦の挑戦は少なくても3戦3勝で重賞勝ち、または3戦2勝で前走が重賞勝ちが基本的な最低条件。時計的には胸を張れるホープフルS2着とはいえ、立ち回りの良さだけで良績を残してきただけに瞬発力に劇的な変化が求められることは避けられない。
オニャンコポンは過去10年で標準的な勝ち時計となった前走に何のインパクトもない。見た目の勝ちっぷりは豪快でも、後半ラップで11秒台となったのがわずか1回という特異なレース。断然な脚色で突き抜けられたのは相手に恵まれたことがすべてとはっきりしている。しかも直線でモタれる仕草を露呈した子供っぽさにもかかわらず、キャリアを抑えてクラシック挑戦で色気は吹っ飛んでいる。稼ぎ時に稼がず、使わずで成長が一旦停止したことはすべてにおいて無駄な時間だったと振り返る可能性が高まってきた。まずは馬体回復以上の馬体増が大前提。
ダンテスヴューは良くも悪くも血統までの走りが限界。クズの出ない血統だが、大物も出ないのが母クロウキャニオンの仔の特徴。しかもデビューから徐々に陰りが出てくるのが今までの産駒の強い傾向で、この馬も例外なく同じような軌跡を辿っている。デビュー2戦連続の最速上がりが、前2走はいずれも上がりNo3。前々走は瞬発力が雲泥の差、前走は弥生賞惨敗馬にも鋭さ負けに深刻さがうかがえる。クラシックで戦える下地も準備もなく、ただただ出走できる幸運。惨敗覚悟で一発勝負の勝ち負けを狙うより、ダービーへの権利取りが最大目標をにおわせている。
ビーアストニッシドは常に展開の利で重賞制覇まで上り詰めた。千八以上の5ハロン通過はすべて60秒台以上。前走は勝ち時計、ラップを考慮すれば、同日古馬3勝より確実に下回って、古馬2勝と同等か、若干上回る程度の内容で強調点に乏しい。同型が一気に強力になった上に、時計も上がりも同時に求められた際には無抵抗の失速が浮かぶ。とにかく荒れた馬場か、乱ペースになって各馬が消極策になることをひたすら待つしかない。
デシエルトは回復中だった前走の馬場差を見極めるのが難しすぎるが、少なくても発表以上に馬場が良かったことは間違いない。直前の古馬3勝千二で最速上がりが33秒1にはっきりした数字的な裏付けがある。過去10年で良馬場を含めても勝ち時計No4を強調したいが、最速上がり35秒1が象徴的でなし崩しに足を使わせた絶妙なるラップを刻めたことが勝因だったことが否めない。前走は単騎にもかかわらず、掛かる仕草を随所に見られたことから外から被されたり、ハナを切れなかったりした際にモロさが出ることは避けられないか。芝のキャリア1戦だけの大駆けは過去の歴史にもない奇跡になる。
アスクビクターモアは強調点を見出すのに苦労するほど数字に凄みがない。同タイム勝ちを連発はもちろん、過去の弥生賞と比べても恵まれたレースだったことが裏付けられる。前走の同日古馬2勝千六で1分33秒4(5F通過580-レースの上がり343)。昨年の同日古馬2勝千六で1分35秒2(586-366)。ほぼ同じラップで1秒8差の時計ならば、ほぼ時計差がそのまま馬場差。昨年より1秒5速かった弥生賞は昨年より高く見積もっても同レベル、ごく普通の計算では軽く下回ることになる。昨年は弥生賞馬タイトルホルダーが皐月賞でギリギリの3着。タイトル同様に展開の利が見込まれても、瞬発力が少しでも求められると策はないか。いずれにしても前走のように残り4ハロンから11秒台突入という早めスパートのサバイバルレースだけが唯一の好走パターン。
ボーンディスウェイはキャリアの割に緩い成長曲線。超スローだった弥生賞の前残りにだまされてはいけない。4角の前7頭中4頭で1~4着を独占。残った馬の賞賛より、たれた馬の酷評がセオリーという内容だった。上がり34秒台以下の経験なしは現代のクラシックで致命傷。重賞馬や上がり33秒台連発の馬とエンジンの違いは明らか。
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