大井内千六は特異なコース。スピードはもちろん、器用さが重視される条件で、道悪になった3日目の結果から絶対的に先行馬が有利。
JRA未勝利から転入だが、トキノミスオースは大物感漂う。スカッと絞った馬体はシャープさもあり、迫力十分の力強さを兼ね備えている。気性面で子供っぽさ残して重賞制覇だけに奥行きはまだまだありそうだ。千四以下で良績集中だが、見た目はむしろ中距離で真価の感触。前走は一気の距離延長を掛かり気味の折り合いから正攻法。1周目のゴール板すぎに仕掛けてペースアップ。両側に挟まれるストレスがたまる展開の中、向正では2番手集団に7、8馬身差をつける早仕掛けで凌ぎ切った。馬体を合わそうとするともうひと伸び。ラストのレースラップ13秒2−14秒6−13秒6からも凄さが示されている。昨年が2分19秒4で、同日のC1千六が1分44秒5。一昨年が2分15秒8で、同日のC1が1分41秒1。今年が2分17秒5で1分43秒1。馬場差を考慮すればかなり優秀な時計と評価できる。距離短縮でスピード勝負は願ってもない好条件。走り慣れた右回りとなれば前走のような強気の乗り方で後続がち切れていく。
パフィオペディラムは鞍上がミスしなければ南関東女王の座を守れる。とにかくズバ抜けた充実ぶりで他馬を圧倒してきた。5走前は抜群の瞬発力から4馬身差でB1を圧勝。4走前は勝てなかったA級で連続1分39秒台のスピードをマークして連勝した。3走前も当然の1番人気だったが、ハイペースの流れを早めの仕掛けで自爆。11`増の誤算もあって勝負付けが済んでいるグリーンベイをギリギリ凌いで連対キープにとどまった。完全にとりこぼした一戦だっただけに、前々走の巻き返しは納得の軌道修正だろう。それまで苦手意識のあった千八で結果を残せば鬼に金棒。統一Gで地方最先着の前走が改めて能力の高さを証明して、ごく普通に馬任せの折り合いで1分39秒台が確実となる。斤量との勝負に絞られた。
ベルモントノーヴァは単として計算が難しい。確かに以前のような時計勝負の弱さは解消している。不安視されていた右回りも問題なくクリアしている。それでも徹底した差し追い込み脚質は展開に左右されやすい。前走も最速上がりながら、B2で壁に当たっていたウエノマルオキャンを交わせないという考えられない結果になってしまった。じっくり乗りすぎたことを割り引いても2`増の斤量、内コースとなって差し切れるイメージが浮かばない。牡馬相手に最速上がりだった3走前は迫力さえ感じたが、あくまでも人気薄の強み。人気を被って馬群の中に突っ込むほど鞍上も勇気がないか。前々走は逃げ馬の暴走によって流れが向いただけ。いつもと同じような乗り方で大きく崩れることはないが、直一気は馬場を考慮すればますます難しくなる。
オリビアフォンテンははっきり内コースが苦手と断言できる。6走前に牝馬同士のB2で内千六0秒6差の6着。ボナンザーオペラ、ホクトゴッテスに先着できない結果では強気になれない。TCKディスタフは外コース、人気薄もあって内々でためるだけためられただけ。時計的にも相手の凡走がすべてと納得できる。成績は地味だが自身好調期だけが頼り。
シーホアンにはパンチ力が足りない。胸を借りたトゥインクルR賞は見事なまでに壁に当たった。自分の形に徹して淡白なレース内容は、やはり平凡な時計だったプリンセス賞2着というほど実力が伴っていないということ。3歳の成長力でどこまで変わってくるか。前走は2`増のパフィと0秒8差なら、ステップとしては悪くない。
エンタノメガミは転入後が拍子抜けに終わって正念場を迎えた。当地の実績から考えられないほど落差のある成績。極度のモマれ弱さがネックになって、スランプ脱出の気配さえみえない。距離に活路を求めるが、控える競馬に策のない単調さは玉砕覚悟の逃げが合っている。前の止まらない馬場がどこまで味方をするがカギ。
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