2→1、10、12、5、16、11、8(126点) 1−2、10、12、5、16、11、8 エイシンキンチェムが地力と適性で1度の挫折から立ち直る。前走は超ハイペースとはいえ、直線までじっくり我慢というまさかの消極策。ムチなしで残り150から流して圧勝したデビュー戦、持ったままで4角ひとマクりから軽く追って京王杯馬レオアクティブに競り勝った前々走からは何とも言えぬ不可解な乗り方だった。勝ち馬の直後の位置取りで上がり時計は0秒1だけ劣った数字ならば、0秒5差の7着で見限ることはできない。むしろ休み明けとしては上々の試運転で、まったく無理のないステップと十分すぎる経験から今度こそ完全燃焼は間違いない。もうひと絞りで完調が見込める馬体の造り。前2走でNo2の上がり時計ならきっかけひとつで流れは引き戻せる。 アナスタシアブルーは理想的なステップに怖さを感じる。水準以上の時計となったデビュー戦は1分34秒4の時計ながら、上がりレースラップはすべて11秒台。追えば追うほど伸びた瞬発力はまだまだ底知れぬ切れ味がある。前走は3角まで引っ掛かるという腕力を失いつつある鞍上特有の負けパターン。1、2着馬がキャリア3戦目以上だったことを考慮すれば、牝馬限定戦の1戦だけで挑んで0秒2差に踏ん張ったことを褒めたい。中団の内々の位置取りでレースが運べる乗り方ができるかどうか。鞍上の手腕に注目。 鞍上込みで評価すれば、アンチュラスは主役に抜擢できる。前走は重賞馬に競り勝つ好内容。千二でも速い超ハイペースを前々で唯一踏ん張れば、勝ち馬と同等の中身の濃さということ。コーナー回りが下手だったデビュー戦から見違えるほどの成長力。前々走はムチなしの楽勝、いきなりぶつけた重賞で着差以上に価値ある一戦を経験すれば、距離延長などまったく問題ないだろう。ディープ産駒としては見栄えのする好馬体。これ以上の馬体減だけ避けたい。 エピセアロームは人気だった2着馬のへぐりにも助けられた前走だが、レース内容そのものは一戦ごとに逞しくなっている。デビュー戦の相手はデイリー杯2着のダローネガ。前々走は馬場悪化のためラチから離れてハナを切るという逃げ馬にとって厳しい流れで持ったままの完勝となった。抑え切れぬ手ごたえの良さから直線入口で早くも先頭に立ってそのまま押し切った前走の重賞などは器の違いを改めて感じさせている。千六→千二→千六のステップだけが減点材料。 ファインチョイスの前走は痛恨のスタートミス。さらに直後から引っ掛かったのが最後の失速につながってしまった。超ハイペースの底力勝負では致命的なミスの連発。前々走と立場がまったく逆になっただけと割り切れば、少なくても勝ち馬と勝負付けは済んでいない。 そのアイムユアーズは前走の快勝が本来の姿だ。前任騎手がどれだけ下手に乗っていたのかが浮き彫りになったレース。貫禄の直一気は数字的にも立派で、馬群の中でもまったく動じない精神面の強さは心強い。半姉は生粋のスプリンター。 まさかの前日2番人気。典型的な人気先行馬のジョワドヴィーヴルは入着ラインが限界の数字でどう立ち回るか。姉ブエナビスタをだぶらせることも早すぎる若駒で、まだまだ比較対象外。姉はこのレースの前々走で京都千八1分52秒0(上がり33秒5)、前走で京都千六1分34秒9(上がり34秒5)の破格の数字を叩き出していた。上がりレースラップは加速ラップとはいえ、キャリア1戦だけの1分36秒7はあまりに物足りない。4角前から手が動いて一瞬ヒヤリとした行きっぷりだったことからもイメージが悪い。ここで馬券に絡めば血の強さとして納得の見切り。 ラシンティランテはムチなしで快勝した前走から中1週の強行軍に陣営のあせりが見受けられる。今年は2歳SとトライアルのファンタジーSの上位馬がズラリと揃ったレベルの高さ。秘めた能力は認めても手探りで追い切られる厳しいローテーションでは連対までに大きな壁を感じる。 サウンドオブハートは乗り替わりで魅力がなくなった。強気に攻めて2連勝だが、GTでは必ず消極策に出る鞍上は"イップス現象"を通り越して体感速度に狂いが出てペースを把握できないレース連発が現状の姿だ。さらに早仕掛けで失速するより、脚を余すことに美学を持ち始めて成績は急落中。ニュー阪神コースに内外有利不利はなくなっているが、新しいコンビとなって今までの実績、強さをそのまま額面どおりに受け取れない。前走は抜け出す際に内に急激なモタレ癖。土曜日の芝レースは大外一気がほぼ無理な馬場状態で馬群に突っ込む乗り方だけが勝ち負けまでの生命線ならば、もう何年も見てない武豊マジックにわずかな望みを賭けるか、実力無視で見切るかだろう。
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