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阪神裏読み

関東
1R
2R
5R9R10R11R

関西
2R8R9R10R11R12R

WIN5

 

阪神11R

3連単1軸マルチ11→10、12、2、14、8、9、17、13(168点)

ジョワドヴィーヴルは案の定、ごく普通の2歳女王だった。デビュー2戦はまったくモマれることなく、ディープ産駒特有の瞬発力勝負の強さが全開となった結果で、まだまだ絶対的な女王としては役不足ということ。スタート直後から位置取りをまったく変えず、ロスなく立ち回れた前々走は完璧な好騎乗。この馬にドンピシャの流れが最後の爆発力につながったと納得すれば、少しの負荷で不発に終わった前走もまたこの馬の姿だろう。休み明けで稍重に近い馬場だったとはいえ、前走は前々走と5ハロン通過がまったく同じ60秒2。2着争いにも競り負けるモロさ同居では大一番の主役としては頼りない。厳しい流れを経験しながら桜花賞で4連勝を決めた姉ブエナビスタとは明らかに同じ時期での完成度が違いすぎる。発展途上の良血馬はあっさり勝っても惨敗でも驚きはない。

ジョワドを物差しにすれば、アイムユアーズの順調さは脅威。前々走は色々な意味で価値のある一戦だった。早熟評価やスプリンター評価を一変させる0秒4差。直線入口で窮屈にならなければ、もっと際どいレースだったはず。いくらか展開の利があったとはいえ、前走の横綱相撲は圧巻の重賞2勝目。新しいコンビとの相性も問題ないというより、むしろ今まで以上にしっくりきた。奇数枠を引いて頭によぎるのがスタートミス。

プレノタートは改めて阪神コースの適性の高さを示した。ジュベナイルでも目立つ末脚だったが、4角手前の一気の仕掛けで唯一外差しとなった前走がトライアルらしい見せ場十分の内容。桜花賞独特の流れが望めない相手関係でも、ワイドラインなら展開ひとつ。少なくてもジョワドより厳しい流れを経験してきた。

サウンドオブハートは桜花賞で禁じ手のトライアル全休という最悪なローテーションで大幅に割り引いた。ここ10年、最低でも2月以降にひと叩きが絶対条件のGT。前走後のテンションの高さが気になったとはいえ、この英断で吉に出ることは極めて可能性が低い。完全に引っ掛かって0秒4差の前々走から世代トップレベルは間違いないが、このキャリアの浅さで変則ローテーションでは狙いづらい。ひとまず気配に注目。

牝馬も牡馬も今年のトライアルはほぼ道悪で取捨に迷う。パララサルーは確かに前走の強さはGTに届くレベル。被されぬ外々を立ち回れたとはいえ、外差しの利かぬ馬場で直線だけのゴボウ抜きは時計、着差以上の強さだった。これまで4戦3戦で最速上がりの瞬発力はますます磨きがかかっているが、この中間の軽めの追い切りでレース前からほぼギブアップ状態か。大幅な馬体減なら完全見切り。

シンザン記念のレースレベルの低さは他馬の結果からもはっきりわかる。2、3、4着馬が次走重賞で惨敗の連続。7着オリービンがアーリントンC2着、ニュージーランドT4着。8着レオンビスティーがファルコンS2着で2頭が少し気を吐いたぐらい。勝ち馬ジェンティルドンナもどうしても同じような評価になる。初勝利時は手前を何度も替えて、前々走は少し頭の高い走法という大物感のなさ。唯一の強調点はシンザン記念で5ハロン通過58秒8というペースを経験したということ。昨年のシンザン記念とまったく同じラップで昨年3着馬が桜花賞馬となったマルセリーナだった。1分34秒3の時計は同タイム。

フィリーズR組をどう扱うのかも難しい。上位ワンツースリーはいずれも道中ラチ沿いを立ち回った馬だが、好走パターンに反して馬群で折り合って抜け出してきたイチオクノホシは中身の濃いレースだった。すでに距離、コース経験済み。いずれも5ハロン通過60秒以上で展開に泣いたレースが続けば、本番でこれまで以上のパフォーマンスが期待できる。

デビュー以来、もっともハードな追い切りに耐えた前走から中2週のオメガハートランドは苦しい立場になった。中間にデビュー以来最高の負荷をかけた前走だったが、馬体減なしのパドックをみて上位を確信。向正から追っ付け通しながら坂を上ってもうひと伸びの強さはまさに世代トップレベルの底力だった。目イチの仕上げと走りからこの中間は馬体キープに専念だが、前走でもテンションの高さは気になった。長距離輸送と詰まったローテーションでさらに落ち着きを欠く危険。

ヴィルシーナは典型的なディープ産駒特有のスロー競馬の強さで成り上がった馬。過去10年で最遅の勝ち時計となった前走も、超スローを前々で捌いた展開の利がすべての勝因ということ。馬場は違うとはいえ、5ハロン通過で4秒近くも縮めなければならない厳しい流れに耐える姿はまったく浮かばない。

不気味なのが外枠の連続だったが、本番でようやく絶好枠を引いたエピセアローム。最後、失速入線で終わった前々走は距離長めと分析したが、どうやら修正が必要になってきた。距離は千六がギリギリでも、折り合いひとつでいつでも持ち前の破壊力が戻ってくることが前走でジョワドに競り勝ったことからもうかがえた。もとより横綱相撲でタイトル奪取の重賞ホルダー。瞬発力勝負より流れが速くなった際のサバイバル戦で怖さ。