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阪神裏読み
関東

3R10R
11R
関西
1R2R
9R10R
11R
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阪神11R穴推奨レース

3連単フォーメーション8、13⇒8、13⇔10、9、15、16、3、6 (24点)

ミッキークイーンはまさにディープ産駒特有の一気の素質開花で頂点を極めた。昨年暮れの初勝利からわずか3戦目でGⅠ制覇。桜花賞をスキップしたこと、デビュー千四から徐々に距離を延ばしたレースマネージメントの良さなども奏効した結果だろう。必要以上に控えて脚を余したデビュー戦、直線最内からわざわざ大外へ出すロスもあった3走前はいずれも2着の取りこぼしだったが、その他のレースでは完璧に近い内容の成績を残している。5戦中4度の最速上がりの切れ味は走るたびに磨きがかかって、前々走はマクってきた2着馬に馬体を併せられると二段加速の瞬発力。前走は2、3着馬の直後の位置取りから、切れ味自慢のルージュバックを軽く凌ぐ瞬発力で完封した。明らかに千四、千六よりも落ち着き払った立ち回りで2連勝。距離適性はむしろ二千~二千四のイメージを強くした。千八からの始動で熱しやすく冷めやすいディープ産駒としても、完全に勝負付けの終わっている再戦メンバーには負けようがない。

レッツゴードンキは千八で完全復活の計算がしづらい。千六でもあれだけ行きたがる気性の難しさで前走から大幅な距離短縮とはいえ、やはり距離限界の近さは変わりない。桜花賞は同型の鞍上が素人同然のレベルだったことで未勝利並みのペース。それでも単騎逃げになるという絶対的な展開の利があったからぶっち切り勝ちとなっただけで、桜花賞の着差をそのまま数字通りに受け取ることはできない。前走は控える競馬で完全に引っ掛かる折り合い難の二の舞だけは避けたいだけに、千八で総合力を求められるとやはりハナを切るしか策はない。格と相性の良さでどこまで踏ん張れるか。体型的にはごく普通のマイラー。脚を測るだけの意味合いが強い。

3戦3勝でもディープジュエリーに怖さがない。走るたびに強烈なインパクトを残すこともなく、平凡な時計で勝ち上がってきたイメージが強い。上がり33秒前半が当然の超スローで最速上がりも取り逃がす前走内容に限界の近さが示された。前走の2着馬は同世代オープンの入着レベル。3着馬もその後1番人気だった同世代オープンの3着ならば、数字的にも相手的にも低レベルだったことが伝わるだろう。決定的なのが鞍上配置。今年、勝ち鞍は飛躍的に伸びたが、圧倒的に少ない特別戦の少なさが鞍上の勝負弱さを物語っている。

アンドリエッテは瞬発力の限界を示したディープ産駒特有の上げ止まり。そもそも徹底待機から脚質の幅を広げようとは一切しなかった前任騎手の育て方に疑問。勝ち馬を上回る上がり時計だった桜花賞でも掲示板を外す6着。一気の距離延長が響いたとはいえ、2、3着より上回る末脚でも馬券圏外となると、同じ乗り方では良くて平行線ということ。意外性のある鞍上でどれだけ刺激を得ることができるか。徹底待機した時点でここ好走でも本番では妙味がなくなる。

シングウィズジョイは時計勝負にも瞬発力勝負にも弱さを露呈してきた。一瞬の脚を使い切った2連勝は相手にも展開にも恵まれたということ。GⅠ馬勢揃いのメンバーでは体調が伴っても苦戦が強いられるだろう。4走前ぐらいからすでに戦力は平行線。一旦落ち込んだ前走から休み明けでV字回復はイメージできない。

クイーンズリングは預かった厩舎や馬主が悪かったと納得するしかない。デビューから千八⇒千六⇒千四⇒桜花賞⇒オークスはミッキーと真逆な悪ローテーション。意図も感性も伝わらず、今後まさに反面教師になる悪い一例になることは間違いない。距離を短くなるほど行きっぷりが悪化。位置取りの悪さから瞬発力だけを頼りにする単純な乗り方で、名手でもズブさには打つ手がなかったということだろう。前々走はいい脚が一瞬だけ、前走は直線で馬群を突っ込んでくればもっと際どかった内容ならば、同じ鞍上で新鮮さが足りないのも事実。馬体が戻り切れないままに3戦も激走した反動は、4か月の休養で元通りになのかも疑問が残る。

オークス出走馬が一長一短で、GⅠ未出走馬、超良血馬の飛躍が待っている。まずはトーセンビクトリー。何といっても初勝利に3戦もかかったことが大誤算。暮れの重賞出走のために3戦目で中2週に間隔を詰めたことが全治6か月の骨折につながった可能性も否めない。これでクラシック未出走が決定的となったが、母トゥザビクトリーから受け継ぐ底力は復帰後使うごとに輝き始めてきた。馬体的にも内容的にも平凡に終わった4走前が嘘のような上昇カーブ。3走前で久しぶりの最速上がり、前々走は中京競馬特有のスローにもかかわらず、差し競馬になる典型的なレースで直一気を決めている。極め付きは前走だった。鞍上の都合上、牝馬限定ではなく、牡馬混合レースを勝たなければならない試練。いつも以上の積極策から馬任せで直線入口には先頭から1馬身差まで詰め寄っていたが、軽く追っただけで一気に加速。余裕十分の差し切り勝ちは、誰がみても着差以上の強さを感じる凄みがあった。1000万勝ちが牝馬重賞レベルは周知の通りでまったく格落ちはない。

タッチングスピーチはもう一段階の成長がイメージできる。モロさ同居だった春当時とはイメージ一新の前走が良血開花のシグナルだ。クラシック不出走はローテーションを守り切るためのスタミナがなかったということ、極度のモマれ弱さも災いした。近代競馬は3戦続けて使えるアスリート的なフィジカルが大事になっているだけに、使って休んで使って休んでという銀河系軍団率いる厩舎特有の省エネローテは昭和で通用していた悪ローテであることの意識の低さそのものだろう。前々走は3角過ぎから手応えが怪しくなって4角でズルズル後退。それでも直線でバラけた展開になる少し盛り返すような脚を使ったことに精神面の幼さが表れている。とにかく全弟がセールで2億6000万。成金バブルだったことを割り引いても姉が重賞級と見積もっての破格の値段になったことは言うまでもない。短い直線の札幌で先頭から8馬身差を残り100までに差し切った前走がエリート馬の本格化の始まり。モマれぬ外枠、直線の距離延長など条件的には申し分ない。