11、18⇒11、18、6、7⇒
11、18、6、7、13、10 (24点)
オークスは血統を無視できる特異なレース。マイラーでもなぜか良績を残しているが、秋華賞は内コースを無視していい。意外に苦戦する逃げ先行馬で、強い差し馬はきっちりと結果を残している。マイラーはオークスよりも少し割り引きが必要で、この夏に古馬相手に二千以上の距離で結果を残したタイプが穴候補になる。
本番で素質開花を見込んでいたタッチングスピーチがひと足先に本格化した。圧巻の2連勝はまさにGⅠ級。前々走は直線入口で先頭から8馬身差を一瞬のうちに差し切って、短い札幌の直線で追い込み馬が残り50を流すという内容。前走は直線入口、オークス馬の真ん前の位置取りから残り1ハロンで並ばれたが、そこからもうひと伸びして後続を完封した。どちらも直線まで我慢して瞬発力勝負に持ち込んだことから、少なくても同じような脚質同士では能力差がそのまま反映された結果になったことは言うまでもない。前々走が二千の上がり時計ベストで持ち時計更新、前走は自身の上がり時計ベスト。これまでサドラーズウェルズの血は日本でほぼ結果が出なかったが、この馬は特例として母父の血で減点は考えなくていい。本格化を示してまだ2戦。一気にレベルアップするディープ産駒からすれば、まだまだ序章にすぎないのかもしれない。ひとつ下の全弟がセレクトセール2億6000万で海外行きも納得できる。もっと厚みのほしい馬体でひと叩きのステップでも馬体増が理想。
ミッキークイーンは痛恨の出遅れだったが、直線までじっくり待機。無駄な脚は使わず、結果追い込み競馬ならば完全なる力負けだ。前走は勝ち馬の直後から追い比べに持ち込んで残り1ハロンで並んだが、そこから突き放される失態。GⅠ馬が子供扱いされたのはどちらか2つの理由だろう。ひとつは休み明けで仕上がり途上だった可能性か、もうひとつは相手もGⅠ級だったか。パドックの見た目はむしろ好馬体。8キロ増は馬体が戻ったととらえるのがごく普通の見解で、強すぎた勝ち馬だったことが最も有力な敗因だ。千八となった過去9回でNo2の勝ち時計のローズSで中身の濃い2着。勝ち馬を上回った最速上がりの瞬発力で着差0秒2なら、勝負付けは終わってない。単純な4角大外ブン回す乗り方だけは避けるべき。
トーセンビクトリーは前走で上位2頭との能力差を目の当たりにした。直線入口では1、2着馬を上回る絶好の手応えで勝ちも意識できたほど。仕掛けをできるだけ我慢して追い比べに持ち込んだものの、一瞬にして交された内容にディープ産駒との決定的な違いが示された。血統から受け継がれる成長力ではどうにもならない運命。単純な瞬発力勝負ではどうにも太刀打ちできない可能性が強まる。相手にとってさらに条件好転となる京都コースで、この馬自身は上がり33秒台がわずか1度だけ。乗り方に工夫してくるかどうか。保守的になった鞍上にマジックを求められないだけに、ひとまず3強の中ではいち早く脱落する候補。
レッツゴードンキの前走は本番に強い鞍上らしい脚の測り方だったが、はっきりと距離への限界がみえただろう。ジワリとハナを切って追い比べでは淡泊な交され方。完全に引っ掛かったオークスとは雲泥の差となるスムーズな折り合いで上がり時計は上位3頭より1秒以上も遅い数字にも表れている。ラップ的にも強い逃げ馬ならば残れる数字。内コース云々よりさらなる距離延長でギブアップ状態か。スタンド前通過で熱しやすい気性がさらに燃えて直線二の足を使うイメージはまったく浮かばない。
その他のローズS出走馬が巻き返すことは考えにくい。オークス5着だったアンドリエッテはロスのない立ち回り。さらに直線入口ではスムーズに前が開くような絶好の展開で不発。勝負どころで一気に置かれたディープジュエリーは、レベルの低い裏街道の3連勝が如実に証明された内容だった。時計勝負に課題を残したままのシングウィズジョイは精神的なスランプ状態も重なっている現状でひとまずきっかけ作り。 |