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東京裏10R
関東
4R5R6R8R9R10R11R12R
関西
5R8R
9R10R
11R12R
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東京10R

3連単フォーメーション3、8⇒3、8、7、5⇒3、8、7、5、10、1 (24点)

過去を振り返ったオークスでは馬体重だけで取捨を決めたのが大きな過ちだった。過去10年で420キロ台以下は馬券どこか、すべて掲示板外だったが、今年いきなり2頭も馬券に絡む始末。それだけますます馬場が軽くなってスピードが求められるということなのか。過去の数字が額面どおりに受け取れなくなってきたが、それでも一応の数字を示してみる。

過去30年に広げてダービーと皐月賞の関係を探りたい。20~30年前、10~20年前、~10年前の三段階に分けるとはっきり違いがわかる。ダービー2、3着馬には年代ごとに多彩になってきたが、ダービー馬はやはり前走皐月賞が王道。

ダービー1、2、3着の前走は皐月賞かどうか

ダービー1~3着馬の中で前走が皐月賞だったのが
20~30年前
ダービー1着馬だけ 6回
ダービー1、2着馬 1回
ダービー1、3着馬 1回
ダービー1~3着馬 2回

10~20年前
ダービー1着馬だけ 0回
ダービー1、2着馬 2回
ダービー1、3着馬 3回
ダービー2、3着馬 1回
ダービー1~3着馬 1回
ダービー1~3着馬がすべて別路線3回

~10年前
ダービー1着馬だけ 1回
ダービー2着馬だけ 2回
ダービー3着馬だけ 1回
ダービー1、2着馬 2回
ダービー1、3着馬 3回
ダービー1~3着馬 1回

NHKマイルC⇒ダービーというローテが認知し始めた10~20年前はいくらか邪道なローテーが増えたが、それでもダービー1着馬の前走は皐月賞が過去30年で23回。着順は別にしても圧倒的な王道路線。少なくても頭を固定するならば、超ハイレベルのレースが続く世代で前走皐月賞以外は考えにくい。穴人気になっているヴァンキッシュランスマートオーディンはあくまでヒモの扱いでいいだろう。

案の定、マイラーでも上位に食い込んだオークス並みまでいかなくても、ダービーは中距離型でも十分太刀打ちできるレースであることは間違いない。それだけに取捨に迷う。馬体から受けるイメージはいかにも二千四向きではない馬が皐月賞上位馬だからだ。
ごく普通ならば中心はマカヒキになる。皐月賞の結果から人気と実力が一番リンクしている馬だろう。まともな鞍上ならば前走は勝っていたレース。やはり中山≠川田騎手のイメージどおりの不安が的中した。鞍上の過去5、6年でわずか6勝だけの不慣れなコース。さらに皐月賞はどんな流れでも4角中団より前が鉄則だが、徹底待機という策も意図も意味不明な乗り方では脚を余す2着で精一杯ということ。外国人騎手に捨てられて歯車が狂って転がり落ちかけている現状で、まさにここが正念場。
さらにもう一つの不安点が決定打になる可能性がある。とにかく二千が限界をにおわせる体形だ。スプリンターそのものに映ったデビュー戦よりかなり絞れてまともになったが、やはりスプリンターの全姉ウリウリという血統背景からもポカが頭をよぎっていく。血統を打ち破るのは天性の瞬発力のみ。世代を超えるどころか、父ディープにイメージをダブらせても遜色ないぐらいに異次元の末脚だけが頼りになる。
4戦すべてで最速上がりの瞬発力は、父レベルの手前でも世代を超えて古馬に通用するレベルまで完成されている。レースレコードの弥生賞では上がりNo2だったリオンエアに0秒8も上回って、負けた前走でもNo2だった勝ち馬マジェスティに0秒1、No3だったサトノに0秒9も上回る数字は規格外といっていい。二千でこれだけ走ること自体が驚きなのに、さらなる距離延長で極限のスピード決着でも同じような爆発力が生まれるかは正直、半信半疑。鞍上にとって中山よりも慣れた東京コースになるが、デビュー戦以外はすべて道中外々を選んできただけに恐らく鞍上は一旦最後方まで下げる想定内の乗り方を選ぶ。土曜日の外差しがまったく利かなくなっている馬場が明日も続けば、さらなる試練が待っているか。

過去10年の良馬場限定で5ハロン通過を比べると近年は60秒前半より早くなる傾向。先週のオークスは5ハロン通過59秒8で2分25秒0、レースの上がり34秒5だったが、土曜日平場の3歳500万では5ハロン通過61秒0で2分25秒0というオークスと同タイム。前年のように58秒8のペースは考えにくいが、リオンの存在で59秒台は確実の2分24秒台の決着だろう。中団から後方タイプは上がり33~34秒前半の瞬発力が求められるが、さすがに計算上、後方外一気差しは成り立たなくなる。内々我慢で馬群から抜け出す選択の鞍上マジックだけが活路。

皐月賞で狙ったサトノダイヤモンドが案外の結果に終わった。負けるにしても次に狙いづらくなる完敗だった。嫌な予兆はパドックからあった。いいのか、悪いのか。判断しづらかったが、明らかに前々走までとイメージの違う馬体の造り。数字以上に余裕があり、これも成長分と割り切っていたが、悪い方に結果が出れば仕上がり不十分だったということ。次を見据えての仕上がりとしてもレース内容は逆転が浮かばないほど子供扱い。直線もがく姿はひと息後だからか、速い時計勝負に対応できないからか、初めて厳しいレースを経験したための苦しさか。いずれにしても早仕掛けの奇襲策だったリオンや距離延長にプラスのなかったエアを交わすのに苦労した内容はレース前からは想像もできなかったこと。ホップ、ステップ、ジャンプで輝くディープ産駒特有の超エリート路線から脱線しかかれば、ある程度の減点は必要になる。まずは馬体減がひとつの目安。馬体には丸みよりシャープさがほしい。

ディーマジェスティが早くも歴史に名を残す名馬であることは間違いない。前2走は明らかに盲点になっただけの人気薄。数字的には胸を張って挑めていた。デビューから4戦連続の最速上がりで、前走もメンバーNo2の上がり時計。マカヒキには及ばないとしても、サトノリオンエアより瞬発力は上。初勝利に3戦かかって人気薄となった共同通信杯は4角前にムチが入る惨敗覚悟の手応えの悪さから、残り100で難なく先頭の横綱相撲。上がり35秒台はわずか3頭の中で、最速の34秒9にスマートオーディンハートレーとは段違いのエンジンだったことがうかがえる。
皐月賞の内容も秀逸だ。記録的なレースレコードは昨年の二冠馬ドゥラメンテと同等のインパクト。最近、皐月賞とダービーを連覇したメイショウサムソンオルフェーブルより確実に強さを感じさせている。直線入口で先頭から5馬身差の外の位置取り。坂を上がってターボエンジン全開で一気に差し切った。上がり34秒台以下がわずか3頭だけだったため、余計に他馬が止まって感じたか。いずれにしても3着以下には完全なる勝負付け。同じ距離の条件では負けようがないぐらい圧倒した。
それでも二千四以上で同じようなパフォーマンスができるかどうかは別。ローテーション、枠順、調教過程は文句なしの条件で血統以上の走りができるかどうか、真価が問われる。
マカヒキと違って異父兄とはいえ、父アドマイヤムーンの兄セイクレットレーヴは千四~千六に良績集中。父ファンタスティックナイトの兄ワールドレーヴは長距離に良績はあるものの、時計勝負に弱さを露呈し続けているのが現状。全姉ホクラニミサは千四~千八専門ならば、父がディープに変わったとはいえ、二千よりレースがしやすくなることはない。2分23~24秒の超高速決着になる極限のレースではひとまず評価を下げる。

リオンディーズはもう策がない。前走の皐月賞でも距離適性があれば我慢できた早仕掛けだった。やはり"一番派手な勝ちっぷりだったレースがその馬の適性距離"ということ。朝日杯で完全に勝負付けの済んだエアスピネルに距離が延びるごとに数字の開きが縮まっているのが現実。前々走は上がり時計が同タイムになり、前走はついに時計が同タイムとなって上がり時計は逆転した。兄のエピファネイアがジャパンCを勝ったレースのように一世一代の大駆けの可能性はあっても、これ以上の上がり目の望めない叩き3戦目ではかなり低い確率。仕掛けを我慢したところで、エアよりわずかに上回る程度か。

エアスピネルは常にリオンと同等の評価をしなければならない。朝日杯で完全に子供扱いされてから、距離が延びるごとに数字はリオンに肉薄。前走でついに時計が同タイム、上がり時計が上回れば、意外に距離を延びてもこなせる程度の距離適性はあるか。母エアメサイアリオンの母シーザリオに桜花賞、オークスで先着できなかった無念を息子が前走の皐月賞でリベンジ。明らかに流れが変わって上昇機運の勢いは侮れない。